2023-01-01から1年間の記事一覧

犬はどこだ

物語がひっくり返ってからの絶望感と、謎が解決したのに(したからこそ?)残る後味の悪さ(褒め言葉)。続編があるみたいな装丁なので、期待。 犬はどこだ 作者:米澤 穂信 東京創元社 Amazon

できない相談

折り合わない話たち。ちょっとした行き違いから、絶望的な断絶まで、次から次へと、よくもまあ。こういうの好きです。 できない相談 ――piece of resistance (ちくま文庫 も-29-1) 作者:森 絵都 筑摩書房 Amazon

自分をよろこばせる習慣

精神が弱ってる実感があったので読んだ。自分と相容れない部分が多数あったけど、そういうのは無視して「著者の言いたいこと、方向性」だけを読み取るようにした。いくつか「こうしてみよう」というのが見つかった。 自分をよろこばせる習慣 作者:田中 克成 …

ネット右翼になった父

予想に反して切ない物語だった。自分にも「少しの情報で他人(家族含む)を決めつけてしまった」経験があると気付かされた。変わらなくては、と思う。 ネット右翼になった父 (講談社現代新書) 作者:鈴木大介 講談社 Amazon

猫弁と鉄の女

そう言えばこのシリーズは「ファンタジー」だったと、読んでから思い出した。少しずつ「家族」の物語になってきた。続きが楽しみ。 猫弁と鉄の女 (講談社文庫) 作者:大山淳子 講談社 Amazon

月下美人を待つ庭で 猫丸先輩の妄言

小洒落た表紙なので気付かず素通りしてしまうところだった。相変わらずの猫丸先輩で嬉しい。 月下美人を待つ庭で:猫丸先輩の妄言 (創元推理文庫) 作者:倉知 淳 東京創元社 Amazon

しかもフタが無い

残業の帰りについつい買ってしまう。疲れた精神にちょうどよかった。 しかもフタが無い (ちくま文庫 よ-32-1) 作者:ヨシタケシンスケ 筑摩書房 Amazon

父親たちにまつわる疑問

誠実に生きるって、多分こういうことなんだろうな。 読み始めてから、原題「ALIEN QUARTET」に気付いて、あ、そうか、と思った。 父親たちにまつわる疑問 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:マイクル Z リューイン 早川書房 Amazon

猫を抱いて象と泳ぐ

タイトルに「猫」とある本を読みたくなって買った。 ルール無視で噛み合わないチェスをそのまま受け入れることでコミュニケーションを成立させてしまうシーンは圧巻だった。 最後ちょっと泣けた。 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) 作者:小川 洋子 文藝春秋 Am…

君は君の人生の主役になれ

よい人生のためのアドバイスやヒントが書かれているのかと思ったら、八割がた哲学の本だった。良書。 君は君の人生の主役になれ (ちくまプリマー新書) 作者:鳥羽和久 筑摩書房 Amazon

もう泣かない電気毛布は裏切らない

俳句が少しだけ分かった気がする。俳句はまだ無理だけど、俳句っぽい何かを書いてみようと思う。 もう泣かない電気毛布は裏切らない (文春文庫 こ 49-1) 作者:神野 紗希 文藝春秋 Amazon

映画を早送りで観る人たち

文章が苦手。自説を主張するときに、対立する相手のことを悪く言う必要はないはず(もし必要なのだとしたら、まだ分析が足りないのだと思う)。 文章はともかく、著者の主張には共感。たしかに葛藤がある。 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバ…

法治の獣

一本目「主観者」で科学の失敗について正面から語られていて驚く。科学は 100 回失敗することで 1 つの正解を見つけ出す仕組みだと信じているので、作者に対する信頼感が増した。 どの話も進化について触れられていて嬉しい。趣味が進化論なので。 「系外進…

生物から見た世界

情報科学っぽい。もう少し踏み込んで情報科学としてのモデルをキッチリ作り込んで、そこに自然淘汰を被せれば、いけるのではないか(どこに?)。 生物から見た世界 (岩波文庫) 作者:ユクスキュル,クリサート,日高 敏隆,羽田 節子 岩波書店 Amazon

図書館司書と不死の猫

表紙絵が素敵。 最初のページに「まっとうなホラーを愛するジェマへ/謝罪の念をこめて」とあったので、肩の力を抜いて楽しく読むことができた。ちょうどそういう気分だったので助かった。 未翻訳の続編があるらしい。読みたい。 図書館司書と不死の猫 (創元…

暇と退屈の倫理学

「暇と退屈」に興味を惹かれて買ったけど、自分の知ってる「暇と退屈」じゃなかった。 あと、哲学は実証なしでどんどん理論を積み重ねていくので「パンツ履いてない」みたいな気分になる、という気付きがあった。 それはそれとして人生の指針になる良い本だ…

沈黙のセールスマン

自分の知的好奇心のために周囲の人達の命を賭けるのは良くないぞ。と思いながらもページをめくる手が止まらず最後まで読んでしまった。娘さんが気になる。シリーズ全部読みたい。 下記のところ、しびれました。 「どうしても、この一件は筋がとおらないんだ…

殺人鬼がもう一人

何人かの悪党とその他大勢の小悪党たちの物語。とにかく登場人物がたくさん出てくる。誰かが登場するたびに情景が一変して、物語が動く。不思議な感覚の語り口。 田中盛の活躍(活躍?)をもっと見たいので続編希望。 下記のところ、フォントは悩みますよね…

華氏 451 度

SF というより、「本」の小説だった。本を読む/所有する/残す物語。「本すげえ」と一気読み。良かった。 いわゆる「本の挿し絵」があるのも良い。本には「本の挿し絵」があるべき。 諦めのようにもとれる言葉に、芯の強い希望を感じた。 「もしそうならな…

書籍修繕という仕事

表紙の明朝体(少し古い感じの骨格)と題名との調和が美し過ぎて、そのまま購入。本文組版も個性と読みやすさが両立していて素敵。読み終えて、著者の本に対する姿勢に共感。物理存在としての「本」の魅力について再認識できた。本が好き。 一時、「わたしは…

イヌはなぜ愛してくれるのか

著者が「科学の人」であろうとする姿勢に感動しつつ、それでもぎりぎりのところでは「イヌの人」になってしまうところに安堵したり。良い本でした。 イヌの「性格」と遺伝子に何かの相関があるというのは、なんかすごいことだと思った(語彙)。 ひとつは、…

絶滅の人類史

やはり「絶滅した理由」というのは明示的に提示できるようなものではないのだなあ。と、ある意味で納得した。 帯の「ホモ・サピエンスがネアンデルタール人を殺した?」は、さすがに煽り過ぎだと思う。 主に「多産」「生き残る子孫の数」について述べられて…

本を守ろうとする猫の話

思ってたのとちょっと違ったけど、思ってたよりだいぶ絵本っぽい物語だったけど、それはそれで面白くて、後半は勢いよく読んだ。「勢いよく読む」のって楽しい。 本を守ろうとする猫の話 (小学館文庫) 作者:夏川草介 小学館 Amazon

人体最強の臓器 皮膚のふしぎ

免疫について丁寧に説明されていて勉強になった(これまで何を読んでも全然分からなかったけど、少しだけ分かるようになった)。 さらに経皮感作の重要性を知らしめたのが、2011 年に日本で起きた「茶のしずく石鹸事件」です。 (略) 当時販売されていた「…