2023-01-01から1年間の記事一覧

夢みる宝石

ファンタジー寄りの SF だと思って読み始めたらホラーだった。怖かった(褒め言葉)。 夢みる宝石 (ちくま文庫 す-31-1) 作者:シオドア・スタージョン 筑摩書房 Amazon

世界史の中のパレスチナ問題

世界史を全く勉強しないまま大人になっていたので、何から読むのか迷っていたけど、たぶん良い本を手に取ったと思う。 改めて「無知なままでいるのは不安なことだ」と痛感。まずは知ることから、それを行動につなげていけるように、と思う。 世界史の中のパ…

はじめてのフェミニズム

フェミニズムが解決しようとする課題はどれも難解で多様で相互依存的なのだ、という理解を得た。様々な立場を俯瞰的に語ってくれているので安心して読めた。 はじめてのフェミニズム (ちくまプリマー新書) 作者:デボラ・キャメロン,向井和美 筑摩書房 Amazon

旅猫リポート

予想はしていたけどそれ以上に真っ直ぐな物語で、素直に泣きながら読んだ。 旅猫リポート (講談社文庫) 作者:有川 浩 講談社 Amazon

発達障害に生まれて

絶望を書いたうえで、その絶望よりも少し多めの希望が見えるように、丁寧に配分された文章。現実はもっと難しいのだろうけど。いつか読み直す日があるような気がする。 発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年 (中公文庫) 作者:松永正訓 中央公論新社 Amaz…

猫怪々

オカルト猫エッセイ。科学からはみ出す不安を「猫の良さ」が押しのけていく日々。 猫怪々 (集英社文庫) 作者:加門七海 集英社 Amazon

さんかく

「みんなずるい」という苦い感情が、するりと心に入ってくる不思議な物語。読めて良かった。 さんかく(祥伝社文庫ち3-1) (祥伝社文庫 ち 3-1) 作者:千早茜 祥伝社 Amazon

笑わない数学者

トリックが大味だったけど、伏線が捗ったので、よし。 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE S&Mシリーズ (講談社文庫) 作者:森博嗣 講談社 Amazon

「道徳的に考えるとはどういうことか

小難しい文章を読みたくなって買った。ちょうど良い小難しさ(褒め言葉)で良かった。「感情が機能しないと合理的判断に支障が出る(大意)」のところで妙に納得する。そうか、感情は判断を助けてくれるのか。 道徳的に考えるとはどういうことか (ちくま新書…

図書館の子

図書館の描写で泣きそうになった。図書館が好きだ。 図書館の子 (光文社文庫) 作者:佐々木 譲 光文社 Amazon

ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか

「戦争」を基準にすると世界が違って見えることに驚く。違って見えた世界は好きになれないけど、戦争を避けるためには、ここで考えなくてはならないのだろうな。 ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか デジタル時代の総力戦 (文春新書) 作者:高橋 杉雄・編著 …

医学のたまご

「ひよこ」「つばさ」は平積みされてるのに、一作目の「たまご」がない。行く先々で本屋に寄って、やっと見つけた。ほのかに苦味の残る感じが良かった。満足。 医学のたまご【電子特典付き・角川文庫版】 中学生医学生シリーズ 作者:海堂 尊 KADOKAWA Amazon

オーラリメイカー〔完全版〕

《系外進出》シリーズ。異種族、人工知能、惑星軌道、進化、政治、文明、宗教、身体改変、などなど全部を科学でまとめ上げた物語たち。「最近好きな作家が見つからないなあ」と思ってたけど、春暮康一は好きな作家だ。 ‪印刷の表現「版に組まれ」が格好良か…

冷たい密室と博士たち

一作目が力技だったので油断してたが、今回は真っ当なトリック。満足。伏線の進展が少ない。伏線がんばれ。 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM S&Mシリーズ (講談社文庫) 作者:森博嗣 講談社 Amazon

大規模言語モデルは新たな知能か

偏りなく、書くべきことを書いてある。章立ての順も分かりやすく、自然な流れ。抑制の効いた文章で、読み易い。良い本に出会えた。満足。 大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界 (岩波科学ライブラリー) 作者:岡野原 大輔 岩波書店 Ama…

ダンゴムシに心はあるのか

情報システムと親和性のある考えかたで、読んでて楽しかった。シンプルな仕組みで複雑な行動を実現する「生物」の素晴らしさ。 ヤマケイ文庫 ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学 作者:森山 徹 山と渓谷社 Amazon

HHhH プラハ、1942 年

歴史は「からっきし」なので、Google 先生に教えてもらいながら読む(便利な時代)。情熱に裏打ちされた乾いた文章が心地よい。いつか読み直したら別の感情が出てくるんだと思う。 HHhH プラハ、1942年 (創元文芸文庫) 作者:ローラン・ビネ 東京創元…

すべてが F になる

グイグイ読んでる最中「おお、その手があったか(スッキリ)」 読み終えてクールダウン「いかな天才でもワンオペ育児は無理では(モヤモヤ)」 本編トリックはともかく、伏線が気になって仕方ない。シリーズ 10 作、読み切るしかないのか。 すべてがFになる…

ステップファーザー・ステップ

え?、伏線拾わへんの?(検索する)続編あるのに単行本にならへんの?? ステップファザー・ステップ 新装版 (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon

鼻行類

既読だけど、手元に置いておきたくて購入、再読。随所に散りばめられた細やかな気遣い(気遣い?)が秀逸(以前読んだときは知識不足で気付けなかった)。また忘れたころに読みたい。 鼻行類 (平凡社ライブラリー) 作者:ハラルト シュテュンプケ 平凡社 Amaz…

タイタンの妖女

中盤、胸糞悪かったけど、最後に畳みかけられて、納得した。最後まで読んでよかった。 タイタンの妖女 作者:カート ヴォネガット ジュニア 早川書房 Amazon

人質の朗読会

それぞれの物語が心にしみる。どうして人質なのか、朗読会なのか、分かりそうで分からなかった。 人質の朗読会 (中公文庫) 作者:小川洋子 中央公論新社 Amazon

猫弁と幽霊屋敷

散りばめたエピソードが終盤に次々とより合わさって心地よい。大円団っぽいのにちっとも結婚しそうにないのが良い。 引用。そうだよなあ大人にならなきゃなあ、と遠い目。 百瀬は思う。子供の嘘や隠しごとは成長の証だ。自分の身を守ったり、時には他を守る…

全裸刑事チャーリー

いいぞもっとやれ。 全裸刑事チャーリー (宝島社文庫) 作者:七尾与史 宝島社 Amazon

「若者の読書離れ」というウソ

統計数字を読む本ではなかったけど、それはそれで面白かった。 ルビについて引用。賛成。 これは余談だが、筆者は『星のカービィ』や『銭天堂』に対する中学生の需要の大きさ、あるいは本書で取り上げている「中高生に読まれている本」の並びを見ると、大人…

友だち幻想

手掛かりがたくさんある。良書。最後に急に説教臭くなるのは何か意図があるのかな。 人生の「苦味」「うま味」のところが良かった。 これを私は人生の「苦味」とよんでいます。(略) 苦味というものをどうしても噛みしめざるをえないのが大人の世界なのです…

星を継ぐもの

読みながら「科学小説だ、科学小説だ」と小躍り。科学は楽しい。 多くの SF が、科学を「設定」や「ツール」として使っているのに対して、「星を継ぐもの」は「科学のプロセス」そのものを物語に仕立て上げている。危機や友情がなくても、科学はそれ自体が面…

52 ヘルツのクジラたち

表紙とタイトルを信じて購入。知らないタイプの演出で戸惑う。それでも物語には引き込まれた。「感動の押し売りかも」と思いつつ、そこは素直に感動させてもらって、ちょっと泣いた。 52ヘルツのクジラたち【特典付き】 (中公文庫) 作者:町田そのこ 中央公論…

検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

勉強になったのはもちろんなのですが、それ以上に、とにかく面白かった。一気に読んでしまった。良書。 下記引用。専門家の覚悟を格好よく思うと同時に、本当に「専門家による啓蒙活動にはやはり限界がある」のだとしたら、このような本を読んでしまった我々…

家族じまい

家族のかたちが見えかけた気がして、でも、すぐに見失ってしまう。人生ってそういうものなのかなあ、やっぱり。 事情の許す人間が、事情の範囲内で動けばいいことなのだ。(p.296) 家族じまい (集英社文庫) 作者:桜木紫乃 集英社 Amazon