自分の本

東京藝大 仏さま研究室

研究室のかなり独特な活動内容が、ごく自然に物語の土台になっていて、読んでて楽しかった。いいなあ、青春。 東京藝大 仏さま研究室 (集英社文庫) 作者:樹原 アンミツ 集英社 Amazon

プロジェクト・ヘイル・メアリー

科学は基本的に「一回目は成功しない」ものだと理解してるので、科学の物語として読むことができないかった。主人公の『生きる姿勢』の物語として捉えることで、なんとか読了。 最後の1ページが良かった。「そうか、そういう物語だったのか」と腑に落ちた。…

悪い言語哲学入門

あんまり良いので二回読んだ。とても丁寧な文章。そして注釈。 今まで「国語の勉強が必要な分野」と思って遠巻きにしてたあたりが、すっきり理解できた。 悪い言語哲学入門 (ちくま新書) 作者:和泉悠 筑摩書房 Amazon

しゃもぬまの島

血縁は怖い。祐は、紫織は、どうなってしまうのだろう。 それはそれとして、しゃもぬまがよかった。無邪気で元気なしゃもぬまも見てみたい。 しゃもぬまの島 (集英社文庫) 作者:上畠菜緒 集英社 Amazon

「つながり」の進化生物学

意識には進化論で言うところの適応価がない、と仮定したうえで、前適用(副産物)として意識ができあがった。という仮説は、かなりドキドキした。なるほどその手があったか。 以下、引用。カメについて、共感。 ちなみに、カメを飼っている人はコミュニケー…

なめらかな世界と、その敵

一人称視点の描写で SF 設定を語り切っていて驚いた(最初は読むのがしんどかったけど慣れてからは心地よかった)。「シンギュラリティ・ソヴィエト」が良かった。 なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA) 作者:伴名 練 早川書房 Amazon

まず牛を球とします。

文庫で買おうと思ってたのに、待ちきれずに購入。SF 設定が物語と渾然一体となっていて、読んでて心地良い。「沈黙のリトルボーイ」が良かった。 まず牛を球とします。 作者:柞刈湯葉 河出書房新社 Amazon

自由研究には向かない殺人

グイグイ読ませてくる本がいいなあ、と思って選んだ。細かいところは気にせず、一気に読み切る。満足。 自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫) 作者:ホリー・ジャクソン 東京創元社 Amazon

ボクたちはみんな大人になれなかった

読み始めてすぐに七割がた感情移入したあと、ずっと残り三割の違和感を抱えたまま、気付いたら物語が終わっていた。ずるい。 ボクたちはみんな大人になれなかった(新潮文庫) 作者:燃え殻 新潮社 Amazon

それでも日々はつづくから

エッセイなんだけど、良質な短編小説を読んでいるような。人生の「角度」が少し変わった気がする。 それでも日々はつづくから 作者:燃え殻 新潮社 Amazon

もじモジ探偵団

様々な分野の書体の、それぞれに特殊な事情が、分かりやすくコンパクト解説されている。すごい。再編成したら「書体とは何か、どうあるべきか」を語れるんじゃないかと思う。 もじモジ探偵団 まちで見かける文字デザインの秘密 作者:雪 朱里 グラフィック社 …

100 文字 SF

短歌の歌集を読んでるみたいな気分。どのくらいの時間をかけて読んだらいいのか分からなくなって、1 ページごとに(つまり 1 話ごとに)ひと呼吸おきながら読んだ。面白かった。 100文字SF (ハヤカワ文庫JA) 作者:北野 勇作 早川書房 Amazon

現代思想入門

哲学のことは分からないままだけど「哲学の位置付け」みたいなのは少し分かったような気がする(つまり何も分かってない)。 読書体験としては、とても楽しく読めた。次の哲学の本を読みたいと、素直に思えた。 現代思想入門 (講談社現代新書) 作者:千葉雅也…

掃除婦のための手引き書

強くて濃い物語がみっしり詰まってた。受け止めきれない。何年か寝かせてから、もう一度読もう。そうしよう。 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集 (講談社文庫) 作者:ルシア・ベルリン 講談社 Amazon

これからの「正義」の話をしよう

8 章の終わりあたりから、名誉・承認・コミュニティ・誇りと恥、といった概念が次々と現れて、俄然面白くなった。この部分だけでもう一冊くらい読んでみたい。 これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学 (ハヤカワ・ノンフィクション文…

ひとり暮らし

詩集は敷居が高い気がして、詩人のエッセイを買ってみた。詩というのは感情と感性だと思い込んでいたのだけど、もしかしたら「身体(生活)と理屈を結んだもの」かもしれないな、と思った。良い本でした。 私はうんこ、しっこが生きることの究極の現実だと思…

ジョブ型雇用社会とは何か

会社が「〇〇式ジョブ型云々」みたいなことを言い出したので、仕方ない勉強するかと購入。ジョブ型礼讃の書だったらどうしようかと構えて読み始めたけど、杞憂だった。どちらかと言うと現状解説の本で、著者の主張は少なめ。今の自分に丁度良い。 以下、備忘…

病理医ヤンデル先生の医者・病院・病気のリアルな話

2 章あたりで「何を読まされてるんだ(褒め言葉)」と戸惑う。3 章あたりで「これはたぶんヤンデル先生の生き方について書かれているのだろう」と勝手に納得して、そこからはすんなり読めた。なるほど。良い読書体験でした。 病理医ヤンデル先生の医者・病院…

おばちゃんたちのいるところ

軽めの現代怪談だと、最初は勘違いしてた。読んでくうちに、とても繊細な物語だと気付いた。時間をおいて読み直したい。 おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are (中公文庫) 作者:松田青子 中央公論新社 Amazon

クロストーク

語り口が見事で一気に読んだ。「風呂敷を広げ過ぎでは?」と心配になったけど、終盤で豪快に伏線たちが回収されていくのを見て、あんぐり。 クロストーク 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:コニー・ウィリス 早川書房 Amazon クロストーク 下 (ハヤカワ文庫SF) 作者…

隣のずこずこ

面白かった。何も解決しない恐怖よりも、何も変わらない安堵のほうが勝ってしまった。そんな風に思う自分に気付いて少し怖かった。 隣のずこずこ (新潮文庫) 作者:柿村 将彦 新潮社 Amazon

みんなのふこう

コージーミステリーの名を借りた不幸文学。脱線事故を生き延びた奇跡のラジオをあっさりトラックに轢かせる手際はお見事としか言いようがない。 みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない (ポプラ文庫) 作者:若竹七海 ポプラ社 Amazon

この橋をわたって

店で手に取ったときに帯を少し破いてしまい、棚に戻すのが申し訳なくて、そのままレジへ。 どの物語も視点が楽しい。 「橋を、架ける」抽象的で土着っぽい物語が素敵。 「なごみちゃんの大晦日」土地神様の有り様(ありよう)に共感。 あと、「碁盤事件」よ…

異常論文

やっとこさ読み終えた。論文が終わるたびに全く別の文章が始まるので、文章に慣れることがないまま 700 ページ近いボリュームはしんどかった。 特に楽しかったのは下記の三編。 掃除と掃除用具の人類史裏アカシック・レコード解説——最後のレナディアン語通訳…

認知症世界の歩き方

出てくるトピックが情報工学(認識と制御)の基礎課題と重なっていて納得。なるほどヒトは「情報を処理する仕組み」なのだなあ。 「おわりに」で「認知症の課題解決は、デザイナーの仕事だ」とあり、デザイナーから見ると別の見えかたがあるのだな、とも思っ…

きいろいゾウ

映画みたいな小説でした。いま改めて表紙を見て「もしかしてこの鳥があの鳥なのか」と驚いています。 現代の寓話なのか、恋愛小説なのか、人生論なのか、ミステリーかホラーか、いろいろ振り回されながら読み進む。最後は然るべきところに落ち着いた。という…

ペンギンのバタフライ

積んである本がどれも読めなくなって(たぶん精神が疲れていて)「とにかく読める本を、読みたくなる本を」と祈りながら買った。読めた。本を読める幸せ。 「ゲイルズバーグ、春」で少し泣いた。「神様の誤送信」につながっていく感じも好き。 ペンギンのバ…

民主主義という不思議な仕組み

安心安定の、ちくまプリマー新書。 投票と対になる「不服従」について知ることができた。最終章では現代の政治課題についてコンパクトに書かれていて、丁度良い政治入門の書。そして五十歳過ぎて政治に入門する私。 民主主義という不思議な仕組み (ちくまプ…

文化としての数学

文化の側から数学をとらえた本は少ないので、それだけで楽しめた。丁寧な文章で、おそらく謙虚で動じない人なのではないかと思う。穏やかな読書体験でした。 文化としての数学 (中公文庫) 作者:遠山啓 中央公論新社 Amazon

夏への扉

随分前に読んだはずだけど何ひとつ覚えていないので、買ってきて、読んだ。素直な SF。素直すぎてまた忘れてしまいそう。 夏への扉〔新版〕 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ロバート A ハインライン 早川書房 Amazon