2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

クロストーク

語り口が見事で一気に読んだ。「風呂敷を広げ過ぎでは?」と心配になったけど、終盤で豪快に伏線たちが回収されていくのを見て、あんぐり。 クロストーク 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:コニー・ウィリス 早川書房 Amazon クロストーク 下 (ハヤカワ文庫SF) 作者…

隣のずこずこ

面白かった。何も解決しない恐怖よりも、何も変わらない安堵のほうが勝ってしまった。そんな風に思う自分に気付いて少し怖かった。 隣のずこずこ (新潮文庫) 作者:柿村 将彦 新潮社 Amazon

みんなのふこう

コージーミステリーの名を借りた不幸文学。脱線事故を生き延びた奇跡のラジオをあっさりトラックに轢かせる手際はお見事としか言いようがない。 みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない (ポプラ文庫) 作者:若竹七海 ポプラ社 Amazon

魚にも自分がわかる——動物認知研究の最先端

「一気に魚まで行くなんて、ほんまかいな」と思って読んだら、ほんまやった。研究の楽しさが伝わってきて心地よい読後感。 以下、いろいろ引用。眼の良し悪しについても「子孫を多く残す」ことが大事であること。 直感に反するかもしれないが、見えるものを…

この橋をわたって

店で手に取ったときに帯を少し破いてしまい、棚に戻すのが申し訳なくて、そのままレジへ。 どの物語も視点が楽しい。 「橋を、架ける」抽象的で土着っぽい物語が素敵。 「なごみちゃんの大晦日」土地神様の有り様(ありよう)に共感。 あと、「碁盤事件」よ…

異常論文

やっとこさ読み終えた。論文が終わるたびに全く別の文章が始まるので、文章に慣れることがないまま 700 ページ近いボリュームはしんどかった。 特に楽しかったのは下記の三編。 掃除と掃除用具の人類史裏アカシック・レコード解説——最後のレナディアン語通訳…