月魚

清潔感と背徳感。濃い登場人物と静かな文章。そう言えば「三浦しをん」ってこういう感じだったな、と不思議な感覚。調べたら前に読んでから十年近く経ってた。 あと、キャラがみんな濃くて月魚の存在を忘れてしまいそうだった。 月魚 (角川文庫) 作者:三浦 …

おしっこちょっぴりもれたろう

買った。少し気力が戻った。 おしっこちょっぴりもれたろう 作者:ヨシタケ シンスケ PHP研究所 Amazon

実力も運のうち 能力主義は正義か?

原著のタイトルは「The Tyranny of Merit(能力の専制)」であって、運とか実力とかの話ではないぞ。と自分に言い聞かせながら読んだ。自分の中でのタイトルは「労働の尊厳」にしておこう。そうしよう。 いくつか気付きがあった。優秀で正しいとしても信頼が…

失われた過去と未来の犯罪

第一部の「大忘却」が最高にスリリングだった。第二部は(個々のエピソードは興味深かったけど)全体としてどのように解釈すべきか戸惑った。 読み終えて三日ほどして「たぶんこれはホラーじゃないかな」と思った。そういうことにしておこう。 失われた過去…

子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。

エッセイと科学ドキュメンタリーの奇跡の融合。 日常の心の揺らぎ(不安)と、科学的統計的な事実とが、折り合いそうでギリギリ折り合わない。絶妙なバランス感覚。 子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。 作者:ユーラ・ビス 柏書房 Amazon

情報を正しく選択するための認知バイアス事典

どこかで覚えた雑学たちの学問的な根拠が分かるのが案外心地よくて、一息に読み終えた。 挿絵は「愛の9時着」が良かった。 身体感覚が流動的で拡張可能、という話は興味深い。 ゴム手錯覚という現象からわかるもう 1 つの重要なことは、自分にとって「自分…

「色のふしぎ」と不思議な社会

二度読んだ。予想より内容が濃くて冷静に読めなかったから。 進化の「事例」としての「色覚の多様性」が興味深かった。でも、それ以上に、著者自身が「実は色覚異常ではなかった」と発覚するくだりが、著者の価値観の変化が、心に刺さった。それぞれの人にそ…

どこからが病気なの?

どうにも「良書」と言えないのは、徹頭徹尾、たとえ話(アナロジー)だけで構成されているから。どんなに分かりやすくて実用的だとしても、アナロジー「だけ」で押し切るのは、副作用が大きい。危険だ。 …という建前はともかく、とても面白かった(おい)。 …

箱庭図書館

買ったあとで企画モノ(読者のボツ原稿を乙一がリメイク)と気付いた。正直に言うと少し後悔したけど、読んだらちゃんと面白かった。後悔してごめんなさい。 「ホワイト・ステップ」はちょっと泣きそうになった。 箱庭図書館 (集英社文庫) 作者:乙一 発売日:…

WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か

こんな挑発的なタイトルなのに、中身はバランスのとれた良書でした。 正直に言うと、物足りなかったのですが、読んでみないと分からないもんなあ。 少しずつ、だけど着実に、「養老孟司が帯(オビ)を書いてる本は、自分には合わない」という実績が積み上が…

動物園・その歴史と冒険

動物の権利やエコロジーとかの「理想論」が、動物園というある意味泥臭い現場と結びつくことで、現実の課題として理解できたように思う。 いつのまにか「未来の動物園」に想いを馳せている自分に気付いた。素敵な読書体験でした。 動物園・その歴史と冒険 (…

野良猫を尊敬した日

帯に「ほっこり、肩の力が抜けるエッセイ」とあるけど、この作者の文章はそんなんじゃないことは、もう知ってる。読むとやっぱり、九割が絶望で、残りの一割は、その絶望に負けずに生きる物語だった。少なくとも私にとっては。 野良猫を尊敬した日 (講談社文…

不穏な眠り

葉村晶。今回は不幸成分が薄めなのかな、と思ってたら四作目の表題作がどっぷり不幸で納得。不幸小説。 不穏な眠り (文春文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 2019/12/05 メディア: Kindle版

人間たちの話

面白かった。SF の仕掛けと登場人物の人間味とのバランスが絶妙。 人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA) 作者:柞刈 湯葉 発売日: 2020/03/18 メディア: Kindle版

絶対に挫折しない iPhone アプリ開発「超」入門

SwiftUI(iOS 向け)の概要は、たぶん理解できた。最終的に開発したいのは macOS なので、もう一息がんばる(macOS 対象の書籍は少ない)。言語としての Swift についても、もう少し詳しく知りたい。ぼちぼち進めよう。 絶対に挫折しない iPhoneアプリ開発「…

iPhone アプリ開発集中講座

とても良心的な本でした。SwiftUI に乗り換えず敢えて Storyboard を使っているのも納得です。 実を言うと、読んでる途中で「知りたかったのは Storyboard じゃなくて SwiftUI だ!」と気付いたのですが、途中で本を置くのがもったいなくて最後まで読ませて…

古典は本当に必要なのか、否定論者と議論して本気で考えてみた。

‪ 否定派と肯定派で論点がずれてるのは想定の範囲内。 様々な論点が広く浅く取り上げられていて、個人的にはとても楽しかった。 ただ、「学問」としての古典を語るには、議論の量が少なすぎると感じた。‬ ここから個人的な考え。 ①国家を維持運用するには、…

クール・キャンディー

‪‪来るぞ、来るぞ、そら来たあぁっ! ……で、ミステリーのネタばらしと同時に、突然物語が終わってしまった。 主人公の心理描写が丁寧だったのに結末がいきなりなくなっちゃって、消化不良。 ミステリーとしては上質なんだと思う。‬ クール・キャンデー (祥伝…

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

何度目かの読み直し。最初に読んだときは「ファンタジーで、どちらかと言うと『絶望』よりの物語」と思ったが、読み直すたび「SF で、全体的には『救済』の物語」と感じるようになってきた。 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮…

ケーキの切れない非行少年たち

‪少し雑な展開のところもあったけど、全体的に丁寧で、安心して読めた。 自分の中の「駄目な部分」に対する説明(言い訳)を探してるんだろうな。たぶん。‬ ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) 作者:宮口 幸治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/0…

病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ

前半は期待通りのインフルエンザの話で楽しく読ませていただいたのですが、後半はインフルエンザはどっかいって政治の話になってて、ちょっとしんどかった。 病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ (角川新書) 作者:木村 知 出版社/メーカー: K…

いまさら翼といわれても

折木くんと伊原さんの素敵なエピソードがたくさん詰まってるのに(福部くんも少なめだけど素敵エピソードなのに)、表題作が千反田さんなのは、もしかしてやはり千反田さんがヒロインだからでしょうか(そうです)。 いまさら翼といわれても (角川文庫) 作者…

恐怖の構造

映画評が良かった。やはり「ゴッドファーザー」と「羊たちの沈黙」は観ておくべきと、あらためて思った。 恐怖の構造 (幻冬舎新書) 作者: 平山夢明 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/07/30 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る

キリン解剖記

個人的に名作です。泣きそうになりながら読みました。なんでこんなところで泣くのか上手く説明できないようなところで、不意に、何度も、泣きそうになりました。ずっと手元に置いておこう。 キリン解剖記 (ナツメ社サイエンス) 作者: 郡司芽久 出版社/メーカ…

育休刑事

育児あるあるや育児以外の雑学を解説する傍注が心地よい。最後のトピックで課長の正体が明らかになって、「あ、そうか、そりゃそうですよね」ってなった。こういうベタな展開、大好きです。 育休刑事 作者: 似鳥鶏 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2019/05/…

春季限定いちごタルト事件

予想してたのより三倍くらい切なくて、でもそんな切なさを容赦なくドブに捨てて最後はきっちりラブコメに昇華させてしまうあたりが素敵でした。良い物語でした。

「こころ」はいかにして生まれるのか

ちょうど依存症が気になってたときに読んだので、報酬系の章がとても興味深く感じられた。別のタイミングで読むと別の理解があるのかもしれないな、と思った。 実験の結果、ラットは餌を食べることや寝ることすら放棄して、体力の限界を超えてまでも、レバー…

検定 簿記講義 3 級 平成 28 年度版

貸借対照表や損益計算書のことが、何回勉強しても理解できずにいたのだけど、やっと理解できた。簿記の基本的な仕組み(日々発生する「仕訳」を集計して「勘定」を作る)とシームレスにつながっていたんだ。なるほど。 あらためて、トップダウンでの理解が苦…

科学者の社会的責任

道徳や倫理を科学的手法で組み立てると、この本で紹介している RRI(Responsible Reserch and Innovation)になるのかも、と感じた。そうであれば、科学的手法なので、しかるべき回数の実験観察(試行錯誤)の結果として、相応の成果が得られるのではないか…

なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか

タイトルが原著と違うのが気になる。最後の第 11 章に大事なことがギュウギュウに詰め込まれていて油断してると誤読しそう。最後の一文が「6 度目の大発生だ」で、格好いいけど、これは格好つけすぎだな、と思った。 犬の品種改良のシステムについては、たし…