2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

架空の犬と嘘をつく猫

たくさんの問題と少しだけの解決が繰り返されて、それなりに落ち着いてしまう、不思議な肌触りの物語。もう少し長い間ひたっていたかったなあ、という気がする。 架空の犬と嘘をつく猫 (中公文庫) 作者:寺地 はるな 中央公論新社 Amazon

発達「障害」でなくなる日

結論を急がず、読者に判断を放り投げてくるタイプの文章たち。若い頃は朝日新聞の結論を避ける記事が苦手だったなあ(遠い目)。全体を通じて慎重に書かれた誠実な本。 発達「障害」でなくなる日 (朝日新書) 作者:朝日新聞取材班 朝日新聞出版 Amazon

親愛なる八本脚の友だち

アメリカの文化を知らないので色々な機微を読み取り損ねた気がするけど、それでも楽しめた。老い、わがまま、チープ、繊細、貧しさ、慎ましさ、恋、現実、奇跡、などなど、詰め合わせ。たぶん SF 成分も。 親愛なる八本脚の友だち (扶桑社BOOKSミステリ…

自己正当化という病

読みたかったことが書いてあった。著者が推測で書いてる部分が多くて(ちゃんと推測と分かるように書かれている)少し疲れた。推測を前提に話を進められると、本当に信用していいのか不安になるので。 自己正当化という病 (祥伝社新書) 作者:片田珠美 祥伝社…

ザリガニの鳴くところ

息が詰まりそうになりながら、少しずつ読んだ。自然。弱さ。人間社会。生き延びること。孤独。救われたり、救われなかったり。 あと、「どんぶらこ」とあるが、『大きな桃』が流れてきたわけではない件。引用。 そこで見つけた小さなお舟桃色灰色の帆がいい…