壜の中の手記

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「ねじくれた骨」
様々な愚かさが折り重なった結果として、不遇な境遇に安住したくなる感覚。知ってる。自由より不遇のほうが落ち着くこと、あります。なんだろう、これ。

「壜の中の手記」
白い驢馬のトント。愛おしい。

「トントというのはスペイン語で、愚かとか無能とか、間抜けとか、そんな意味です。(略)トントは妙に反抗的な驢馬です。私たちがトントという名で呼ぶのはそのためです。捻くれ者です。(略)」
(略)
「殴りつけたくなる時も多々ありますが、殴っても意味はない。驢馬や騾馬と接する時、人は彼らの愛情を得るようにしなければならない。さもなければ、立ったまま一歩も動かず、命令に従うよりは打たれて死ぬほうを選ぶような頑固さを発揮するでしょう。(略)」

「死こそわが同志」
物語としては「身も蓋もないなあ」と思うけど、それはそれとして。身勝手にコジマに求婚し、打ちのめされたのに、その後も生き延びてしまうサーレクの愚かさに共感。

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科学でわかった疲労の正体

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「マスキング(疲労感を抑制する行動)は危険」とのこと、耳が痛い。反省。とりあえずできること(下記)から始めようと思います。

・478呼吸法
・感謝日記
・午後2時以降はカフェインを控える

疲労の本なのだけど最後が「希望」で締めくくられていて、格好いい。良い本。

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書店員の怒りと悲しみと少しの愛

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「本を買う」こと以外に何かできることはないか、具体的なアクションは分からなくとも何か手がかりはないか、と思って購入。

読み終えて、心が動かされた。でも言葉が出てこない。三日ほどかけて、ぼんやり頭の中を落ち着かせる。

たぶん、「仕事に対して(興味は持つことは大切だけど)愛を持つのは難しい」ということだと思う。愛はつまり、見返りを求めないから。

本屋さんを構成する様々な要素のうち、働いている「書店員さんに見返りのあるもの/見返りのないもの」の区別を、まずは意識してみようと思う。手がかりは、この本に、たくさん書かれていたので。

少しずつでも世界が(本屋さんと、そこで働く書店員さんが)良くなっていきますように。

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廃墟の歌声

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いくつかの物語で、「奇譚」と「賢くはない人(愚かな人)」との組合せが、妙に心に響いた。今まで、いわゆる奇譚を、こんな風に読めたことはなかった。歳をとったからかもしれない(五十路)。

  • 「クックー伍長の身の上話」不死の使いかた。
  • 「ブストは幽霊だがしみったれすぎて怖がらせもしない」愛犬の死を前にどうにもならない。
  • 「丘の上のカーニヴァル」毎年現れるサーカス団員(と犬)の幽霊をそれと知りつつ往診する医師。

愚かな人というわけではないけど、「ミス・トリヴァーのおもてなし」は、とても感じの良い奇譚でした(「感じの良い」奇譚?)。

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自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学

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どのように受け止めるべきか分からないまま読み終えてしまいました。なんとなく「気楽に読んで欲しいんだろうなあ」と感じられたので、そのように読んでみたのだけど、いびつな読後感あり。読書、まだまだ難しいなあ。

 


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グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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エンタメが過ぎる気もしたけど、物語の着地点に納得。自分が、誰かが、世界が、少しずつ変化して、次の世代につながっていく感覚。現実世界もかくありたい。

手袋をはずして欠けた指先をさらす。顎を上げてずたずたになった耳たぶを強調する。わたしたちはみんな傷を抱えていて、なかには目立つものもある。それは独自の言語で、わたしはまだ習得していない。でも学びつつある。(p.561)

 

微妙な駆け引きのなかで探るのだ。変化を受け入れる気があるのはだれで、逆にあわよくばわたしの舌を引っこ抜きたいと思っているのはだれなのか。でもこういうことには時間がかかる。時間はじゅうぶんにあるというのは、わたしがようやく気づいたことのひとつだ。(p.570)

 

 

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不幸になりたがる人たち 増補新版

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著者が「不幸になりたがる人たち」に、つかず離れず並走しているのが素敵。自分もかくありたい(難しい)。

いろいろ心に響いた。ちょうどこういう本を読みたかったのだと思う。運が良かった。

 

以下、いろいろ雑多に引用。

患者が「治りたがらない」ことについて。身に覚えがある。分かる。

市橋秀夫の『心気症の小精神療法』という論文(『精神科治療学』6(3)一九九一)には、心気症患者について、「症状は患者の武器である。武器を取り上げることから治療を始めれば、患者は武器にしがみつく。その武器を必要としなくとも生きられる力をつけることが目標と考えてもよい」と記されており、彼らの「治りたがらない」機微が巧みに描かれている。心気症患者にとって、心身の不調はより大きな不幸を防ぐための武器なのである。(p.56)

 

以下、二箇所引用。突然現れた「物語という形」、「文学の役割」という語彙に驚く。ローティ哲学「偶然性・アイロニー・連帯」と重なる。

>>
病的な不安を抱え、しかもいささか歪んだ思考回路を備えた人物がいたとするなら、何かを身につけたいと願ったとき、彼らには儀式にも似た訓練や勉強法が必要となるだろう。(略)
心が健全であろうと病んでいようと、我々は現実から法則やロジック(ときにはそれは物語という形をとるだろう)を見出し、あるいはジンクスやマジナイにも似た思考にすがりつき、(略)(p.102)

 

岩井が語るように、人間がどこか不幸とか悲惨さとかを求めてしまうのは、本来はある種の精神的な防衛機構に由来しているのではないかと、わたしは空想するのである。ただしそれを証明することは、むしろ文学の役割であるのかもしれない。(p.172)

 

下記、「真相は『面倒だったから』」大賛成です。

それにしても億劫という心性こそが、人間の行為を不可解にしたり人生を不幸にする大きな要素のひとつなのであろう。(略)犯人には捕まえてもらいたいという願望、処罰されたいといった無意識の願いがあったのだ、などとまことしやかに解説されることがあるが、真相は「面倒だったから」というミもフタもない理由へ帰着してしまうことがむしろ普通なのである。(p.146)

 

映画「どうすればよかったか?」(統合失調の姉を最終的に癌で亡くすドキュメンタリー)を受けての、下記。「失敗例」であっても、それに寄り添う姿勢。

成果主義的な発想においては、このケースは失敗例ということになるのだろう。だが成果主義の文脈における「成功」が起きることなど「あり得ない」事例だと思う。弟は善戦したと思うし、外部との連携でもう少し別なストーリーもあったかもしれないけれど、(略)(p.255)

 


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偶然性・アイロニー・連帯 リベラル・ユートピアの可能性

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哲学について無学だったと思い知らされました。

無学なりに理解できた範囲で、いくつか心に響く部分があったのだけど(「終極の語彙」が改訂されたと感じられたのだけど)、たぶん哲学の語彙が身についてないせいで、いちいち言葉に詰まって文章にならない(汗)。

もう一回読んでみます。

 

2026/10/15 再読。

「偶然性」は、自然淘汰と同じだと理解した(たまたま時代歴史に良く適合した「語彙」が多数派になり生き残る)。その意味では、著者が「リベラルを目指す」と主張しているのは、はかなくて切ない「最後の希望」のように思える。同じ希望を持って生きたい。

すべての「語彙」のバリエーションを偶然任せにするのはラディカルが過ぎるだろう、と思っていたが、二周目読んだときに、その部分にはフロイトの理論があてられていることに気づいた。なるほど(とはいえラディカルであることに変わりはないが)。

「他者に再記述されてしまうこと」に対して恐怖を感じている自分を、改めて意識した。以下、引用。

あらゆる人間には或る特定の種類の苦痛を与えることができる。彼/彼女たちがそのなかで社会化されてきた(もしくは自分自身で形づくってきたことを誇りとしている)言語や信念の特定の構造が強制的に壊されることに、人間存在であれば誰しもが屈辱を感じる。(p. 368)

またいつか再読したくなる日が来るのだと思う。

 

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獣の夜

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「森絵都は青春」と思っていたので、書名「獣の夜」とのギャップが気になり購入。大人の森絵都もほのかに青春していて、ちょっと楽しい。

この作者の物語にはミステリ小説っぽい仕掛けがあるな、と気付く。非現実の物語にスルッと引き込まれるのは多分そのせい。

「あした天気に」が良かった。テルテル。


「ひとことで申せば、需要の激減です。(略)天気予報も年々的中率を高めています。その煽りを受けて、我々テルテル王国は冬の時代を迎えているのです。さむざむ、さむざむとした冬を」
(略)
「まじないは死んだ。あしたの天気なんか、今じゃ誰でも知っている」(p.191)

ファンキーだ。

 

 

#ブクログ #booklog
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戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない

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ちくまプリマー新書でした(褒め言葉です)。平易で真っ直ぐで心のこもった一冊でした。多くの人に届いて欲しい。そうして世界が少しずつ良くなっていって欲しい。

 


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https://booklog.jp/users/yasumuni/archives/1/4166614967

解錠師


弱気なのにハードボイルドで、犯罪小説なのに青春真っ只中。人物設定に惹かれて一気に読み切ってしまいました。出会えてよかった。大満足。

派手な犯罪に巻き込まれたのに、ちゃんと服役していて多分出所できそうなあたりも、個人的に好印象。たぶん作者さん律儀な人なんだと思う。

#ブクログ #booklog
https://booklog.jp/users/yasumuni/archives/1/4151718540

バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学


良かった。書名(作者の意図)とは少しズレた読みかたをしてしまった感もあるのですが、とにかく良かった。

高校生くらいからずっと「(実際の世界と比べて)自分の世界はどうしてこんなに狭いのか」という違和感を温め続けていたのですが、手掛かりが見つかった気がします。

底本(元ネタ本)の「偶然性・アイロニー・連帯」を買って読みます。楽しみ。

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連続殺人鬼カエル男 完結編

「え?、『完結編』の前に『嗤う淑女 二人』を読まんとあかんかったの?」……というのがとても素直な感想です(汗)。本屋さんで探してみます。

以下、本文終了後のページから引用。

本作は四部作となり、以下の順にお読みいただくことをおすすめいたします。
『連続殺人鬼カエル男』(宝島社)→『連続殺人鬼カエル男ふたたび』(宝島社)→『嗤う淑女 二人』(実業之日本社)→本作
(p.338)

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https://booklog.jp/users/yasumuni/archives/1/4299079892

コンビニ人間

最後、白羽さんの手をふりきってコンビニに帰る古倉さんが格好いい。読んで良かった。

#ブクログ
https://booklog.jp/users/yasumuni/archives/1/4167911302

21世紀の道徳 学問、功利主義、ジェンダー、幸福を考える

哲学(倫理学)を、科学と隣り合わせで説明してくれるのが、分かりやすくて思いのほか楽しかった。

倫理学も、科学など同様に発展途上の学問で、だからその成果物も、「唯一正しい真理」ではなく、「現時点で一番確からしいもの」だということが素直に理解できた。

うまく言えないのですが、これからは優しい気持ちで倫理に向き合えそうです。

#ブクログ
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