2024-01-01から1年間の記事一覧

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込

一編ごとに著者が少しずつ変化していくのが分かる。でもゴールは見えない。不思議に楽しい読書体験でした。 完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫) 作者:若林 正恭 KADOKAWA Amazon

人間をお休みしてヤギになってみた結果

思ったよりちゃんと科学の本で、科学的知識を踏まえた上で(踏まえたにもかかわらず)最終的に勢いと気力体力で乗り越えていくところが素敵。 引用。許可を得るよりは謝ったほうがいい。覚えとこう。 それともいつも無茶ばかりしている映画監督ヴェルナー・…

人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

進化論と精神医学に、少し社会学もあるだろう、と思って読んだら哲学だった。これからの人生は、自分の家畜化具合を意識しながら生きてみようと思う。 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書) 作者:熊代 亨 早川書房 Amazon

三体

「思ってたのと違う」というのを三回くらいやり過ごして読了。期待してたのとは別方向に面白かった。強力な SF 物語。 登場人物表(カバーの「そで」にあるのと同じ内容)が付いていた。栞にもなる。こういうちょっとした工夫が嬉しい。 三体 (ハヤカワ文庫S…

オッペンハイマー 上・中・下

【上】人間関係の物量作戦。歴史って難しい。 【中】こういう感想は不謹慎なのかもしれないけど、「狂おしいほどの孤独」。国家レベルの巨大プロジェクトでここまで孤独になれるものなのか。 【下】上巻・中巻も読み応えはあったのですが、下巻が凄まじかっ…

一周回って、それが実は平和だったのだと思わされてしまって、困惑しています。すっかり老衰してしまった頃合いにもう一度読み直したい。 猫 (創元推理文庫) 作者:ジョルジュ シムノン 東京創元社 Amazon

生き物の「居場所」はどう決まるか

繁殖干渉(種間交尾)、スリリングで面白かった。進化論は今も動き続けているのだなあ、と実感。良いタイミングで良い本と出会えました。本の神様と、著者出版社関係者のみなさまに感謝。 生き物の「居場所」はどう決まるか 攻める、逃げる、生き残るためのす…

架空の犬と嘘をつく猫

たくさんの問題と少しだけの解決が繰り返されて、それなりに落ち着いてしまう、不思議な肌触りの物語。もう少し長い間ひたっていたかったなあ、という気がする。 架空の犬と嘘をつく猫 (中公文庫) 作者:寺地 はるな 中央公論新社 Amazon

発達「障害」でなくなる日

結論を急がず、読者に判断を放り投げてくるタイプの文章たち。若い頃は朝日新聞の結論を避ける記事が苦手だったなあ(遠い目)。全体を通じて慎重に書かれた誠実な本。 発達「障害」でなくなる日 (朝日新書) 作者:朝日新聞取材班 朝日新聞出版 Amazon

親愛なる八本脚の友だち

アメリカの文化を知らないので色々な機微を読み取り損ねた気がするけど、それでも楽しめた。老い、わがまま、チープ、繊細、貧しさ、慎ましさ、恋、現実、奇跡、などなど、詰め合わせ。たぶん SF 成分も。 親愛なる八本脚の友だち (扶桑社BOOKSミステリ…

自己正当化という病

読みたかったことが書いてあった。著者が推測で書いてる部分が多くて(ちゃんと推測と分かるように書かれている)少し疲れた。推測を前提に話を進められると、本当に信用していいのか不安になるので。 自己正当化という病 (祥伝社新書) 作者:片田珠美 祥伝社…

ザリガニの鳴くところ

息が詰まりそうになりながら、少しずつ読んだ。自然。弱さ。人間社会。生き延びること。孤独。救われたり、救われなかったり。 あと、「どんぶらこ」とあるが、『大きな桃』が流れてきたわけではない件。引用。 そこで見つけた小さなお舟桃色灰色の帆がいい…