2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

星を継ぐもの

読みながら「科学小説だ、科学小説だ」と小躍り。科学は楽しい。 多くの SF が、科学を「設定」や「ツール」として使っているのに対して、「星を継ぐもの」は「科学のプロセス」そのものを物語に仕立て上げている。危機や友情がなくても、科学はそれ自体が面…

52 ヘルツのクジラたち

表紙とタイトルを信じて購入。知らないタイプの演出で戸惑う。それでも物語には引き込まれた。「感動の押し売りかも」と思いつつ、そこは素直に感動させてもらって、ちょっと泣いた。 52ヘルツのクジラたち【特典付き】 (中公文庫) 作者:町田そのこ 中央公論…

検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

勉強になったのはもちろんなのですが、それ以上に、とにかく面白かった。一気に読んでしまった。良書。 下記引用。専門家の覚悟を格好よく思うと同時に、本当に「専門家による啓蒙活動にはやはり限界がある」のだとしたら、このような本を読んでしまった我々…

家族じまい

家族のかたちが見えかけた気がして、でも、すぐに見失ってしまう。人生ってそういうものなのかなあ、やっぱり。 事情の許す人間が、事情の範囲内で動けばいいことなのだ。(p.296) 家族じまい (集英社文庫) 作者:桜木紫乃 集英社 Amazon

言語の本質

オノマトペで言語のかなりの部分を語ってしまっていてすごい。 対称性推論(論理的に正しくない)が言語習得に深く関わっていると知る。確度の低い推論が、自然淘汰で最終的に優位になるのだとしたら、ちょっと興味深い。 以下、対称性推論のところを引用。…

緋色の記憶

一気に読んだ。「問われなかったので言わなかった」という種類の、しんどい罪。 緋色の記憶〔新版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:トマス H クック 早川書房 Amazon