2023-01-01から1年間の記事一覧

言語の本質

オノマトペで言語のかなりの部分を語ってしまっていてすごい。 対称性推論(論理的に正しくない)が言語習得に深く関わっていると知る。確度の低い推論が、自然淘汰で最終的に優位になるのだとしたら、ちょっと興味深い。 以下、対称性推論のところを引用。…

緋色の記憶

一気に読んだ。「問われなかったので言わなかった」という種類の、しんどい罪。 緋色の記憶〔新版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:トマス H クック 早川書房 Amazon

2023 年のパインぱんの人

2023 年のパインぱんの人。ノーマルなスタイル(ノーマル?)。

この本を盗む者は

アニメ映画のよう。ファンタジー仕立てなので読み流してしまったけど、思い返すと、要所要所で残酷なエピソードが未解決のままになってて、つらい。 この本を盗む者は (角川文庫) 作者:深緑 野分 KADOKAWA Amazon

まりも日記

軽妙で程よいイヤミス。よかった。 まりも日記 (講談社文庫) 作者:真梨 幸子 講談社 Amazon

拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術

かなり真面目な「クラシック鑑賞における拍手」に関する分析。分析の裏に著者の思いが見え隠れしてるのが良い。軽妙すぎる文章も魅力的。良書。 そんなに古い本じゃないのにAmazonにないみたい。下記リンクは文庫版。 拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術 (中…

持続可能な魂の利用

「おじさん」側なので、ひとつずつ確認しながら噛みしめながら読む。思ったよりも SF だった。未来が少し良くなりますように。 持続可能な魂の利用 (中公文庫) 作者:松田青子 中央公論新社 Amazon

海うそ

最後に突然五十年が過ぎて驚いた。過ぎた五十年のことも含めて、実家にいた頃の「田舎の暮らし」が思い出されて、良い読後感でした。 海うそ (岩波現代文庫) 作者:梨木 香歩 岩波書店 Amazon

季語の誕生

思ってたより難しかった。個々の事例は分からなかったけど、全体の主旨は理解できたと思う。できてたらいいなあ。 「はじめに」の「地貌」のところがよかった。 俳人前田普羅が句集『春間浅間山』(増訂版、昭和二一年刊)の序文で「自然を愛すると謂ふ以前…

親切の人類史

前半の自然淘汰の話はただの前置きで、後半の「自然淘汰では説明のつかない人類史」が圧巻。人は理性の生き物なのだと納得。この構造は「親切」以外でも成立すると思う。 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか 作者:マイケル・E・マカロー み…

「死にたい」と言われたら

十年ほど前、鬱気味で「死んじゃうかもな」とか思ってた。鬱を思い出すのは怖いけど、当時を振り返りたい気持ちもあり購入。自分の中に残ってる鬱成分を実感しつつ(ちょっとしんどい)読了。少し客観的になれたかも。とても静かで、良い本。 以下引用(強調…

土偶を読むを読む

メインコンテンツの「検証 土偶を読む」の文章が、人を馬鹿にしていて、それだけがしんどかった。それ以外の部分は、章立ても内容も、素晴らしく良い内容でした。 「おわりに」から引用。格好いい 入り口がオカルトだとしてもより深くより楽しく知りたい人は…

18 歳の著作権入門

①著作権は変化し得ること、②著作権は利害のバランスで決まること、を踏まえた構成で、納得。「進化論」に似た面白さがあると気付く。 18歳の著作権入門 (ちくまプリマー新書) 作者:福井 健策 筑摩書房 Amazon

鍵盤ハーモニカの本

当時の雑誌や広告などを根拠にしていて、安心して読めた。今まで鍵盤ハーモニカのことは「携帯型アコーディオン」程度に理解していたが、浅はかだった(反省)。鍵盤ハーモニカのことを好きになった。 鍵盤ハーモニカの本 作者:南川 朱生(ピアノニマス) 春…

セルフ・コンパッション

良い本だった。モンゴルで馬に乗るくだりは正直焦ったけど、差し引いても十分に良い本だった。 セルフ・コンパッション[新訳版] 作者:クリスティン・ネフ,石村郁夫,樫村正美 金剛出版 Amazon

歌うカタツムリ

科学の本なのに物語のような文章。カタツムリだけで進化論を語り切っていてすごい。やっぱり進化論は楽しい。 歌うカタツムリ-進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー) 作者:千葉 聡 岩波書店 Amazon

短歌と俳句の五十番勝負

短歌と俳句の勝負を楽しむには、まだ自分の教養が足りてなかった。 短歌と俳句の五十番勝負 (新潮文庫) 作者:穂村 弘 新潮社 Amazon

君は医者になれない 膠原病内科医・漆原光莉と血嫌い医学生

久しぶりにラノベを読んだら体力の消耗が激しい。負けないように読書力を強化しなくては。主人公の人生を応援します。 君は医者になれない 膠原病内科医・漆原光莉と血嫌い医学生 (メディアワークス文庫) 作者:午鳥志季 KADOKAWA Amazon

俳句とあそぶ法

実はエッセイだと思って読んでた。楽しかった。入門書だったとは。 俳句とあそぶ法 (中公文庫) 作者:江國滋 中央公論新社 Amazon

恋文の技術

題名が感傷的なので「いつもと違う森見登美彦が読めるかも」と買ってみたら、見事に森見登美彦だった。わはは。 散りばめた小さな事件たちが最後の手紙で集約されていくのが心地よかった。ちょっと泣きかけた。 恋文の技術 (ポプラ文庫) 作者:森見登美彦 ポ…

20 週俳句入門

まずは一度通読。俳句という文化の独特の「構造」を知り、驚きつつ納得。良い本と出会えた。一週目から実践しようと思う(20 週で終われる気がしないけど、まあ、ぼちぼち)。 20週俳句入門 (角川ソフィア文庫) 作者:藤田 湘子 KADOKAWA Amazon

ささら さや

急に「加納朋子が読みたい」となって、買った。 普通のミステリーは事件を解決して終わるけど、この作者は「解決後に関係者みんなが実は悪党じゃないと分かってホッとする」まで謎解きが続く。 また何年か後に「加納朋子成分」を補給したくなるんだと思う。 …

ダリア・ミッチェル博士の発見と異変

人類滅亡か、存続か、の二択ではなく「酷い状況だけどそれなりに続いていく」感じに共感。世界はままならない。面白かった。 ダリア・ミッチェル博士の発見と異変 世界から数十億人が消えた日 (竹書房文庫) 作者:キース・トーマス 竹書房 Amazon

自律神経の科学

教科書のような安心感。勉強になった。良書。 ‪心に残った文を引用。「蓄尿」。‬ ‪膀胱に尿が溜まっていく過程を蓄尿といいます。(p.172)‬ 自律神経の科学 「身体が整う」とはどういうことか (ブルーバックス) 作者:鈴木郁子 講談社 Amazon

その可能性はすでに考えた

本格ミステリーと派手な演出と感傷的な物語が共存できるなんて。楽しかった。 その可能性はすでに考えた (講談社文庫) 作者:井上真偽 講談社 Amazon

しびれる短歌

解説付きで読む短歌は良いなあ(解説なしだと「分からない/分かっても不安」で楽しめないのです)。 しびれる短歌 (ちくまプリマー新書) 作者:直子, 東,弘, 穂村 筑摩書房 Amazon

スキマワラシ

前に読んだ恩田陸と印象が違って戸惑う。 途中で「もしかしてこれ連載?」と思い巻末の初出を確認したら新聞連載だった。なるほど、と納得した(納得したからといって何も変わらないんだけど)。 スキマワラシ (集英社文庫) 作者:恩田 陸 集英社 Amazon

カラスは飼えるか

良い雑学でした(雑学大好き)。 カラスは飼えるか(新潮文庫) 作者:松原始 新潮社 Amazon

たったひとつの冴えたやりかた

表題作が良かった。ちゃんと前向きに生きたのに、その先に絶望しかなくて、それでもその絶望に対しても前向きに取り組む物語。アルジャーノンを思い出した。 たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) 作者:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 早川書…

母親になって後悔してる

「母親」について理解を深めると同時に、社会問題、社会構造、社会学についてのイメージをつかむことができた(ような気がする)。何年かしてから読み直したい。 これを念頭に置くと、「なぜ母になった後悔について話すのか」という質問は、裏返して考える必…