書評やオビの煽り文句からの先入観で、何となく痴漢の生態分析みたいな内容を想像していたのだけど、違った。とても真摯に痴漢をなくそうとする本だった。良書。
犯罪化しない性依存症はほかにも(略)。不倫や浮気がやめられない人もこれにあたりますが、治療対象にはなりません。(p.48)
対象にならないんだ(笑)。
では、彼らにとっての真の謝罪や贖罪とは? それは、このようにすればいいという方法論的なものではありません。リスクマネジメントを実行し、絶え間なく行動変容を目指す「今日一日」を積み重ね、年単位で内面を少しずつ変容させていくことだと、私は考えます。(p.211)
正直なところを告白すると、わたしは家族の会には大きなやりがいを感じます。加害経験当事者には根強い認知の歪みがあり、内面の変容には長い時間を要し、回復しているかのように見えては膠着状態に陥ることのくり返し、ときには後退する人もいる……というのが典型的ですが、家族は時間とともに着実に変化するからです。(p.258)
ところどころに作者の「考え」があって、まるで物語を読んでるような、不思議な気分だった。