情報を正しく選択するための認知バイアス事典

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どこかで覚えた雑学たちの学問的な根拠が分かるのが案外心地よくて、一息に読み終えた。

 

挿絵は「愛の9時着」が良かった。

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身体感覚が流動的で拡張可能、という話は興味深い。

 

ゴム手錯覚という現象からわかるもう 1 つの重要なことは、自分にとって「自分の身体」として感じられる対象は、視覚や触覚などの複数の感覚から得られる情報を統合して間断なくつくり直されていて、私たちが普段考えているよりもはるかに流動的なものである、ということだ。

言い換えれば、自分の身体感覚は自由に拡張可能であると考えられる。(p.107)

 

あと、こういう雑学(?)にも、ちゃんと出典があるのが素敵。

 

とりわけ迷信行動を起こしやすい集団がいるという。それは運動選手、ギャンブラー、そして試験を受ける学生である(Vyse, 1997)(p.170)

 

 以下、この本で初めて知った概念や、おぼろげな知識を補強できたあたりを列挙。全体的に「社会心理学」の知識が薄いことが分かった。

 

注意の瞬き、注意資源(p.156)/モラル信任効果(p.198)/基本的な帰属の誤り、行為者・観察者バイアス(p.202)/防衛的帰属仮説(p.214)/心理的リアクタンス(p.218)/現状維持バイアス。個人差はあるものの、損をする分のおおよそ 1.5〜2.5 倍の利得があって初めて、私たちは損と得が釣り合うと感じる(p.223)/システム正当化バイアス(p.230)/チアリーダー効果・アンサンブル知覚(p.234)/身元のわかる犠牲者効果(p.238)/ダニング・クルーガー効果(p.250)/知識の呪縛、タッパー・リスナー実験(p.254)