進化論の本は大抵なんでも楽しく読んでしまうのだけど、この本は別格に面白かった。
振り返れば、比較形態学や比較発生学の歴史は、動物の解剖学的成り立ちや、それが進化する規則性を抽出することを通じて間接的に、胚の進化発生的モジュール構成を感知する試みであったといえよう。イデア論的原型に従って多様化するのではない。発生の機構の中に成立した法則性のゆえに、観察者の認識に原型が生まれてしまっただけの話なのである。(p.152)
形態学 形づくりにみる動物進化のシナリオ (サイエンス・パレット)
- 作者: 倉谷滋
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2015/04/26
- メディア: 新書
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