「つながり」の進化生物学

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意識には進化論で言うところの適応価がない、と仮定したうえで、前適用(副産物)として意識ができあがった。という仮説は、かなりドキドキした。なるほどその手があったか。

 

以下、引用。カメについて、共感。

 

ちなみに、カメを飼っている人はコミュニケーションが苦手な人が多くて、カメは心を通じさせているような、通じさせていないような、そんな微妙なところが好きみたいです。(p.28)

 

コミュニケーションの定義。

 

コミュニケーションは学問の分野によって、いろんな定義がなされていますが、進化生物学という学問の中では、次のように少し冷徹に定義されています。「送り手から受け手へ信号の伝達がなされ、受け手の反応によって、長期的には送り手が利益を得るような相互作用」(ハリディ、スレーター編『動物コミュニケーション』西村書店)。(p.30)

 

この定義だと、鳥の偽傷も「コミュニケーション」になる(下記引用)というのに驚いて、そのあと納得した。

 

一方、カルガモなどの鳥に見られる行動で、偽傷というものがあります。(略)これは、カルガモと捕食者との異種間コミュニケーションといえる。(p.33)