恐竜 化石記録が示す事実と謎

とても良い本。翼竜や魚竜、首長竜なんかについても、こういう本があると良いのに。恐竜 化石記録が示す事実と謎 (サイエンス・パレット)作者: 冨田幸光,大橋智之出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2014/06/25メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見…

悲劇の発動機「誉」―天才設計者中川良一の苦闘

全体を通じての主張が何なのか読み取れなかった。何かの「伝説」を批判してみたかっただけで、対象は航空エンジンでなくてもよかったのでは、という気がしてならない。……とか言いつつ、「伝説を批判する本」として普通に面白くて、一気に読んじゃったのだけ…

銀河ヒッチハイクガイド

たしか高校のころに一度読んだはずだけど、答えが 42 であること以外は全く覚えていないことに気付いて、図書館で借りて再読。猿とハムレットとか、当時は知らずに素通りしてたな、多分今でも知らずに素通りしてるところがたくさんあるんだろうな、とニヤニ…

大人のための「恐竜学」

恐竜、というだけで何でもそれなりに楽しめてしまう。恐ろしいジャンルだ。>>なお、恐竜の性に関しては謎も多く、例えば竜脚類のような大型種がどのような姿勢で交尾をしていたのかはまったくわかっていません。(p.115)<<「まったく」というところが、良い…

分類思考の世界

「進化」とか「認知」とか「分類」とか、興味のある分野が目白押しで、楽しかった。扱う生物種が今後も増え続けるなら、最終的には、計算機にお願いすることになるのだろう。コンピューターさんが「ヒトの脳ミソの能力なら、過去の経緯も踏まえて、この分類…

系統樹思考の世界

系統樹というのが、何らかの形で歴史を扱うものであって、だから原理的に推論を含まざるをえないものだ、ということが丁寧に書かれていた。良い本。系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに (講談社現代新書)作者: 三中信宏出版社/メーカー: 講談社発売日: …

祖国とは国語

最後の満州の文章が、嫌で嫌で仕方なかった。この人は、自分の故郷を美しいと言うためなら、自分以外の人々が住む土地を平気で醜いと書いてしまうのだ。以下のくだりは、いいこと書いてると思ったが、全体的には弱者に配慮のない嫌な本だった。 その人の教養…

巨大ウイルスと第4のドメイン

こういう野心的な部分のある科学の本が好きなのだ、と実感した。疲れているのに読み切ってしまった。でもこの本で一番印象に残ったのは、この文章。さらりと流すなんて、ずるい。 ミミウイルスの仲間として新たに見つかった「ママウイルス」(Mamavirus)と…

マネジメント信仰が会社を滅ぼす

会社の先輩に貸してもらった本。今ちょうどマネジメントに関連する仕事をしていて、ちょうど仕事がしんどいと感じてる真っ最中なので、とても「楽しく」読んでしまった。正直、客観的に読めた自信はない。以下の文は、自戒の意味で、覚えておきたい。 そんな…

コレモ日本語アルカ?

日本語側と中国語側の両方から丁寧に分析されている。日本語側は、宮沢賢治、夢野久作にはじまり、後半には、サイボーグ 009、ゼンジー北京、らんま 1/2、銀魂、ヘタリアまで目白押しで楽しく読めた。中国語側は(中国語の知識がないので)読むのがしんどか…

ビブリア古書堂の事件手帖

妙に流行っちゃって買いそびれていたビブリア古書堂、古本屋で百円になってたのを良いきっかけと、購入。こんなに売れた本を今さら「面白かった」と書いても仕方ないのだけど、ええと、面白かった。でも続編買うかと言われると、ちょっと悩んでる。いつから…

粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う

何か本を読まなくては、という強迫観念みたいなものを感じてしまい、駅の本屋で無理矢理選んで買った。どことなく雑な文章だったけど、シンプルな信念が感じられて、気持ちよく読めた。 「単細胞」といえば「単純で有効な戦略でうまくいくこと」という意味に…

バーにかかってきた電話

思ってたより爽快感があって、わりと気持ちよく読めた。三か月くらい何も読んでなくて「とにかく読もう、読みさえすればきっと満足だ」という心構えで読み進めたのも、たぶん良かったのだと思う。バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)作者: 東直己出版社…

ねずみに支配された島

科学を忘れず物語(ノンフィクション)を語る、とても良い本。ただ「人間こそが最悪の外来種だ」とは書いてなかった。そこまでは書いてなかった。意図して書かなかったんだろうな。ここまで書ける人が気付かないはずないもんな。ねずみに支配された島作者: …

肉食屋敷

独自の着想が楽しい物語たち。肉食屋敷 (角川ホラー文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2000/09メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 9回この商品を含むブログ (13件) を見る

冷えと肩こり 身体感覚の考古学

後半に向かうにつれ、少しずつ「文化論」になっちゃって、ちょっとしんどかった。第1章の「冷え性の発見」は、とても楽しかった。冷えと肩こり 身体感覚の考古学 (講談社選書メチエ)作者: 白杉悦雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/08/12メディア: 単行…

SF 的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

これは新鮮な驚きでした。父親のつまんない失敗を何の救いもなく失敗と言い放って、それでもなお未来に向かおうとするエンディングが、とても良かった。SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: チャールズ・ユウ,朝倉めぐみ…

聞く力

なんと言うか、その、エッセイだった。いや、作者はエッセイストだから、エッセイで当たり前なんだけど。おいらが油断してただけなんだけど。聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)作者: 阿川佐和子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/01メディア: 新…

ふちなしのかがみ

一本目の「踊り場の花子」が、密度が高くて良かった。短編なのにリアリティのあるホラー。実は読んでてちょっとしんどかったのだけど、それも魅力のひとつと思う。ふちなしのかがみ (角川文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッ…

短歌ください

この作者のエッセイが、たしかとてつもなく面白かったという記憶があり、深く考えずに借りた。エッセイ同様、短歌紹介の文がとても良い。短歌は、「分かる」ことが、「私ならその気持ち理解できますよ」ということが、楽しくなる文化だと思った。短歌くださ…

中高生のための「かたづけ」の本

片付けの「トレーニング」の本だと思って借りたのですが、もちろんトレーニングについてもしっかり書かれていたのですが、それ以上に人生の本だった。大人も読める。いつかもう一度読みたい。中高生のための「かたづけ」の本 (岩波ジュニア新書)作者: 杉田明…

緑色のうさぎの話

前に読んだことのある作者の「絵本」があったので借りてみた。緑色のうさぎの話作者: 道尾秀介,半崎信朗出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2014/06/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る

鉄道そもそも話

たぶん読む側の基礎知識不足のため、ちょっとしんどい内容だった。背伸びしすぎた。鉄道そもそも話―これだけは知っておきたい鉄道の基礎知識 (交通新聞社新書)作者: 福原俊一出版社/メーカー: 交通新聞社発売日: 2014/06メディア: 新書この商品を含むブログ…

ぼくのメジャースプーン

いろんな仕掛けが混然としてどの仕掛けが何のためなのか分からないのだけど、それでも物語はきちんと伝わってきて、こういうの大好きです。ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/04/15メディア: 文庫購入:…

平面いぬ。

「BLUE」が良かった。ありきたりな展開で、ハッピーエンディングでもなくて、馬鹿正直だけど結局報われなくて、だから何の教訓もないのけど、そんな物語が読みたい気分だったのだと思う。平面いぬ。 (集英社文庫)作者: 乙一出版社/メーカー: 集英社発売日: 2…

他人を攻撃せずにはいられない人

その時ちょうど気になっていたこと、そのままのタイトルの本があったので、半分強迫観念のような感じで買ってしまった。たぶん疲れていたんだと思う。内容も、タイトルと同じくらい「そのまんま」で、新たな知識は何も無かったけど、そのぶん「これでいいん…

にゃんそろじー

ぱらぱらめくってみたら「モノレール猫」が載ってたので、それだけの理由で借りてみた。個別には保坂和志の句点のない文章が良いな、と思った。全体的には「やっぱり猫好きの人は変なこと考えるよなあ(賞賛)」と思った。にゃんそろじー (新潮文庫)作者: 中…

家に棲むもの

表題作で、ホラーとハッピーエンディングが両立していて、感動した。さすが小林泰三。家に棲むもの (角川ホラー文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2003/03メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (26件) を見る

哺乳類のかたち

「ハヤブサがインコの仲間になった」というニュースを聞いて、生物の分類法について知りたくなっていたところに、ちょうど図書館の新入荷コーナーで見かけた本。素直に出会いを信じて借りた。専門的な知識にも触れつつ、脇道や脱線も忘れない、心地よい文章…

動物園の文化史

定説や客観的な資料が少ない分野なのではないかと勝手に想像しているのですが、この本はその辺りを上手い具合に表現しているな、と思った。本筋と全く関係ないのですが、以下の文章を読んで「この作者について行こう」と思った。「しかし」というところが、…

獣の奏者 3探求編・4完結編・外伝 刹那

続編にありがちな「蛇足感」がほとんどなく、気持ち良く読み切ることができた。幸せな読後感。獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)作者: 上橋菜穂子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/10メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (26件) を見る獣…

獣の奏者 1闘蛇編・2王獣編

物語について語られた物語なのかな、と思いつつ読んだ。勇気あるタイミングで物語を終えることなく小説を終わらせてしまっている。それでもきちんと伝わってくる。すごい。獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)作者: 上橋菜穂子出版社/メーカー: 講談社発売日: 200…

ルナティカン

実はよく分からなかったのだけど、とりあえず読み切った、という感じ。神林長平の小説は、ときどきこういう風になっちゃう。ルナティカン (ハヤカワ文庫JA)作者: 神林長平出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/03メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含…

深海の Yrr

SF 小説の皮をかぶったハリウッド映画だった(褒め言葉)。SF でも小説でもなく、ハリウッド映画だった(褒め言葉)。深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)作者: フランク・シェッツィング,北川和代出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/04/23メデ…

ジョン平とぼくらの世界

一気に、気持ち良く、読み切った。なぜだろう、どこかしらで科学に基づいているという信頼のようなものがあるからか、とても安心して読むことができた。ここしばらく上手く本が読めないでいたので、こんな風に本を読めるって、本当に幸せだと実感した。ジョ…

ツナグ

久々に小説を読んだ。しばらく小説を読めなくなっていたので(うまく言えないけど気力がなくなってたのだと思う)、読み終えたときは本当に「読めて良かった、まだ小説を読むことができるんだ」という安堵でいっぱいだった。そのせいだと思うのだけど、物語…

「ストーカー」は何を考えているか

どちらかと言うとストーカー(加害者)側の視点の本で、その一点だけでも面白いと思う。文章も、この手の新書にしては、誠実で丁寧だと感じた。「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)作者: 小早川明子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/17メデ…

「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本

素直に良い本だと思った。ときどき、こういう直接的な本を読みたくなるのは、やっぱりどこか疲れてるんだろうなあ。「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本作者: 西多昌規出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2011/05/16メディア: 単行本(ソフトカバー)購入…

寝ながら学べる構造主義

そうか、太郎冠者が太郎冠者であるのは自分が太郎冠者であることを太郎冠者本人が否定してるからなのか、と。いや、ここは本質じゃないんだけど、まあ、こういう本質じゃないところが楽しくて、最後までスムーズに読み進めることができました。 それは、太郎…

キリンの斑論争と寺田寅彦

1933 年の「キリンの斑論争」自体もとても面白いし、それを貫く寺田寅彦の姿勢も素晴らしいし、それが現代(1997 年)でも十分に魅力的な研究対象であるのも興味深いのだけど。個人的には、あのチューリングが動物の斑模様に関する一般的なモデルを提案して…

負けるのは美しく

その人のイメージから少し違った側面を感じられるのがエッセイの醍醐味だと思うのだけど。その意味ではとても良いエッセイだと思うのですが。児玉清って「知的で分別のある大人」というイメージがあったので、少し違った一面(つまり知的でなかったり分別が…

目を擦る女

「脳食い」の虚しいハッピーエンディングと、「空からの風が止む時」の刹那な文明が、素敵だった。やっぱり小林泰三はいいなあ。目を擦る女 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 37回…

時をかける少女

昔一度読んだ気がするのだけど、気のせいのような気がしてきたので、読んだ。文章が予想以上に平易で「なんで挿し絵がないのか?」と変な違和感を持ってしまった。物語の展開はとても面白かった。この、物語の展開だけでグイグイ持ってっちゃう感じは、演劇…

天体の回転について

やっぱり小林泰三はホラーじゃないほうが落ち着くなあ。たぶんおいらが怖がりなんだと思う。この短編集は、全体にちょっと切ない感じがあって(ロボット三原則の話とか)、好きだ。天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)作者: 小林泰三,KEI出版社/メ…

冷たい校舎の時は止まる

毒を撒き散らしておきながら最後はさらりと青春ハッピーエンディングにしてしまうの、ずるい(褒め言葉)。冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/08/11メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 42回この商…

ななつのこ

「白いタンポポ」が良かった。あと、しょうもない日常描写(以下の引用のような)を放り込んでくる作者の勇気が素敵。 回転の方向を示す矢印と、『自転』という文字が添えられている。誰かが「自転車」と叫んだ。こういうしょうもない洒落は、嫌いではない。…

さよならドビュッシー

どんでん返しがあるのは分かっていたけど、実際にどんでん返されるまで気付かずにいられたので、最後まで楽しめて良かった。馬鹿で良かった、と思う。さよならドビュッシー (宝島社文庫)作者: 中山七里出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2011/01/12メディア: …

名前探しの放課後 上下

大量の文を一気に読んでしまった。前に読んだ「凍りのクジラ」と同じようにどこかしらエリート臭い気がするのだけど、慣れた。「もう慣れてしまえ」と思うくらい面白い。名前探しの放課後(上) (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 201…

凍りのくじら

面白くて一気に読んだ。でも、行間にエリート意識が見え隠れして、理由は分からないけど何故だかそんな気がして、少し疲れた。たぶん作品のせいじゃなくて、おいらが弱ってるからだと思う。凍りのくじら (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社…

少年少女飛行倶楽部

冒頭の「『空を飛ぶこと』に関する条件」が何だが心地よい。何かに似てるなあと思ったら、図書館戦争の「図書館の自由に関する宣言」だ。箇条書きが好きなのかもしれない。 「……先輩は、あのお姉さんのために飛びたいんだと思う」 ほとんどひとりごとみたい…