2022-01-01から1年間の記事一覧

おばちゃんたちのいるところ

軽めの現代怪談だと、最初は勘違いしてた。読んでくうちに、とても繊細な物語だと気付いた。時間をおいて読み直したい。 おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are (中公文庫) 作者:松田青子 中央公論新社 Amazon

勉強する気はなぜ起こらないのか

仕事のやる気がない。なんとかコントロールする必要がある。そこに安心の「ちくまプリマー新書」があったので購入。 その日のうちに読んで、いろいろ納得。満足。やる気はまだない。 今後のやる気のコントロールに向けて、いくつか引用。 スマホが誘惑となっ…

クロストーク

語り口が見事で一気に読んだ。「風呂敷を広げ過ぎでは?」と心配になったけど、終盤で豪快に伏線たちが回収されていくのを見て、あんぐり。 クロストーク 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:コニー・ウィリス 早川書房 Amazon クロストーク 下 (ハヤカワ文庫SF) 作者…

隣のずこずこ

面白かった。何も解決しない恐怖よりも、何も変わらない安堵のほうが勝ってしまった。そんな風に思う自分に気付いて少し怖かった。 隣のずこずこ (新潮文庫) 作者:柿村 将彦 新潮社 Amazon

みんなのふこう

コージーミステリーの名を借りた不幸文学。脱線事故を生き延びた奇跡のラジオをあっさりトラックに轢かせる手際はお見事としか言いようがない。 みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない (ポプラ文庫) 作者:若竹七海 ポプラ社 Amazon

魚にも自分がわかる——動物認知研究の最先端

「一気に魚まで行くなんて、ほんまかいな」と思って読んだら、ほんまやった。研究の楽しさが伝わってきて心地よい読後感。 以下、いろいろ引用。眼の良し悪しについても「子孫を多く残す」ことが大事であること。 直感に反するかもしれないが、見えるものを…

この橋をわたって

店で手に取ったときに帯を少し破いてしまい、棚に戻すのが申し訳なくて、そのままレジへ。 どの物語も視点が楽しい。 「橋を、架ける」抽象的で土着っぽい物語が素敵。 「なごみちゃんの大晦日」土地神様の有り様(ありよう)に共感。 あと、「碁盤事件」よ…

異常論文

やっとこさ読み終えた。論文が終わるたびに全く別の文章が始まるので、文章に慣れることがないまま 700 ページ近いボリュームはしんどかった。 特に楽しかったのは下記の三編。 掃除と掃除用具の人類史裏アカシック・レコード解説——最後のレナディアン語通訳…

認知症世界の歩き方

出てくるトピックが情報工学(認識と制御)の基礎課題と重なっていて納得。なるほどヒトは「情報を処理する仕組み」なのだなあ。 「おわりに」で「認知症の課題解決は、デザイナーの仕事だ」とあり、デザイナーから見ると別の見えかたがあるのだな、とも思っ…

きいろいゾウ

映画みたいな小説でした。いま改めて表紙を見て「もしかしてこの鳥があの鳥なのか」と驚いています。 現代の寓話なのか、恋愛小説なのか、人生論なのか、ミステリーかホラーか、いろいろ振り回されながら読み進む。最後は然るべきところに落ち着いた。という…

ペンギンのバタフライ

積んである本がどれも読めなくなって(たぶん精神が疲れていて)「とにかく読める本を、読みたくなる本を」と祈りながら買った。読めた。本を読める幸せ。 「ゲイルズバーグ、春」で少し泣いた。「神様の誤送信」につながっていく感じも好き。 ペンギンのバ…