誰が「道徳」を殺すのか

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タイトルは扇動的だけど、内容には一定の抑制が効いていて、それほど不安なく読めた。

 

「いじめ」を「私的制裁」と置き換えて説明しているのは、悪くない作戦だと感じた。いじめと私的制裁は、厳密には別の概念だと思うけど、実際の現場での対応を考えると「近似値として同一とみなす」のは現実的だと思う。

 

しかし、法治国家日本において大切なことは空気よりも法律です。「〇〇は人の気持ちを考えられないから嫌い」「〇〇はクラスのムードを悪くするから不愉快だ」という空気はあっても良いのです。ない方が良いけれども、あっても仕方ない。しかし、そうだからと言って私的制裁である「いじめ」が是認される訳ではない。その道徳律こそ教えるべき点ではないでしょうか。(p.145)

 

〈モラルジレンマを取り入れる理由 その2〉

第2の理由は、モラルジレンマ授業が思春期の人間にとって圧倒的に面白いからです。中二病という言葉があります。(p.206)

 

誰が「道徳」を殺すのか  徹底検証「特別の教科 道徳」 (新潮新書)

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