2014-01-01から1年間の記事一覧

時をかける少女

昔一度読んだ気がするのだけど、気のせいのような気がしてきたので、読んだ。文章が予想以上に平易で「なんで挿し絵がないのか?」と変な違和感を持ってしまった。物語の展開はとても面白かった。この、物語の展開だけでグイグイ持ってっちゃう感じは、演劇…

天体の回転について

やっぱり小林泰三はホラーじゃないほうが落ち着くなあ。たぶんおいらが怖がりなんだと思う。この短編集は、全体にちょっと切ない感じがあって(ロボット三原則の話とか)、好きだ。天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)作者: 小林泰三,KEI出版社/メ…

冷たい校舎の時は止まる

毒を撒き散らしておきながら最後はさらりと青春ハッピーエンディングにしてしまうの、ずるい(褒め言葉)。冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/08/11メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 42回この商…

ななつのこ

「白いタンポポ」が良かった。あと、しょうもない日常描写(以下の引用のような)を放り込んでくる作者の勇気が素敵。 回転の方向を示す矢印と、『自転』という文字が添えられている。誰かが「自転車」と叫んだ。こういうしょうもない洒落は、嫌いではない。…

さよならドビュッシー

どんでん返しがあるのは分かっていたけど、実際にどんでん返されるまで気付かずにいられたので、最後まで楽しめて良かった。馬鹿で良かった、と思う。さよならドビュッシー (宝島社文庫)作者: 中山七里出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2011/01/12メディア: …

名前探しの放課後 上下

大量の文を一気に読んでしまった。前に読んだ「凍りのクジラ」と同じようにどこかしらエリート臭い気がするのだけど、慣れた。「もう慣れてしまえ」と思うくらい面白い。名前探しの放課後(上) (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 201…

凍りのくじら

面白くて一気に読んだ。でも、行間にエリート意識が見え隠れして、理由は分からないけど何故だかそんな気がして、少し疲れた。たぶん作品のせいじゃなくて、おいらが弱ってるからだと思う。凍りのくじら (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社…

少年少女飛行倶楽部

冒頭の「『空を飛ぶこと』に関する条件」が何だが心地よい。何かに似てるなあと思ったら、図書館戦争の「図書館の自由に関する宣言」だ。箇条書きが好きなのかもしれない。 「……先輩は、あのお姉さんのために飛びたいんだと思う」 ほとんどひとりごとみたい…

公開処刑人 森のくまさん

よくもまあこんな怖い物語を。公開処刑人 森のくまさん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)作者: 堀内公太郎出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2012/08/04メディア: 文庫 クリック: 23回この商品を含むブログ (10件) を見る

見晴らしのいい密室

「未公開実験」は腹抱えて笑った。小林泰三のミステリは楽しい。もっとたくさん読みたい。見晴らしのいい密室 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/03/22メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る

こっちへお入り

なんだが分からないけど、ところどころで泣いてしまう。こういう直球(だけどコースは際どい)物語に弱い。やっぱりまだ疲れてるのかなあ。落語を聞きたくなった、を通り過ぎて、もう聞いてしまったような気になってしまって、これはどうしたものかと思って…

探偵はバーにいる

これは確かに格好いい。読んで良かった。探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)作者: 東直己出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1995/08メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 35回この商品を含むブログ (85件) を見る

科学と宗教

予想より面白かった。アメリカの教育現場で進化論が問題になっていた件(ID論争)、理解できた。最後で述べられた以下の部分が心に残る。 過去においては、偉大な宗教的預言者が、悪しき道を正すよう、神の怒りと宇宙的破局に目を向けるよう、我々に警告を…

テンとマルの話 句読点の落とし物/日本語の落とし物

新聞を引き合いに出してるにもかかわらず、組版したときの紙面効率(どこまで文字を詰め込めるか)について、ほぼ無視しているのは、ちょっと残念。日本語の句読点や鉤括弧は二分(一文字の半分)の面積を消費する。これらがいくつも連続してしまうのは、新…

嫌われる勇気

会社の仕事がしんどくて、ふと「嫌われていいことにしたら楽になるかなあ」と思って買ってみた。まあ、少しは楽になれたかなあ。多分なれたと思う。嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え作者: 岸見一郎,古賀史健出版社/メーカー: ダイヤモンド社…

晴れた空にくじら3 浮鯨のいる空で

まっすぐで豪華なエンディングで、満足。晴れた空にくじら 3 浮鯨のいる空で (GA文庫)作者: 大西科学,refeia出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2009/09/15メディア: 文庫 クリック: 21回この商品を含むブログ (16件) を見る

晴れた空にくじら2 戦空の魔女

完全にライトノベルなのに、ところどころで泣きそうになってしまう。ジャッキー大西さんの語りには何だがそういうところがある。晴れた空にくじら 2 戦空の魔女 (GA文庫)作者: 大西科学,refeia出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2009/01/1…

盗賊会社

星新一を読むのは中学生以来かも。読み終えた最後のページに昭和四十三年刊行とあった。おいらまだ産まれてないや。盗賊会社 (新潮文庫)作者: 星新一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1985/08/27メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (…

胃がんと大腸がん

「四十路なのでそろそろ勉強しとかなきゃなあ」と思って、面白さよりも総合的な知見を求めて選んだ本。その意味ではとても満足。でも病気の本はやっぱり怖い。怖くて読むのに時間がかかってしまう。胃がんと大腸がん (岩波新書)作者: 榊原宣出版社/メーカー:…

晴れた空にクジラ

ジャッキー大西さんの文章の関西成分が心地よいなあ。一気に読んじゃいました。晴れた空にくじら 浮船乗りと少女 (GA文庫)作者: 大西科学,refeia出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2008/07/15メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 447回この…

人獣細工

「本」が面白かった。ホラーを「面白い」というのも不謹慎かもしれないけど。小林泰三ばかり読んでるので慣れてしまったかも。少し間をあけてみよう。人獣細工 (角川ホラー文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1999/12メディア: 文庫購入: …

玩具修理者

工業製品みたいにきちんと作られた短編小説だなあ。玩具修理者 (角川ホラー文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2013/07/17メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る

脳髄工場

脳髄工場 (角川ホラー文庫)作者: 小林泰三,森山由海出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/03/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 63回この商品を含むブログ (67件) を見る小林泰三だから最後には「星新一」的なスマートなオチが待ってるはずなんだ、だか…

ミミズのいる地球

ミミズのいる地球―大陸移動の生き証人 (中公新書)作者: 中村方子出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1996/04メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (5件) を見る途中からミミズの本というより、旅行記になっちゃってたけど、それはそれで面白か…

アーモンド入りチョコレートのワルツ

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)作者: 森絵都出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/06/25メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 39回この商品を含むブログ (188件) を見る奈緒の長所を絹子先生がストレートに褒めるところで、なんだかふと心が…

完全・犯罪

完全・犯罪作者: 小林泰三出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/09/29メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (14件) を見る「なんですか、この本気の星新一は?」というのが読後の最初の感想。「完全・犯罪」の軽やかなオチと、…

実践 日本人の英語

実践 日本人の英語 (岩波新書)作者: マーク・ピーターセン出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/04/20メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見るどういう使い分けをするために、それぞれの英語文法が存在するのか(あるいは存在しないから書き分け…

海を見る人

海を見る人 (ハヤカワ文庫 JA)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/05/25メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 42回この商品を含むブログ (78件) を見るマニアックな設定の上に、その設定にあった物語を載せてあって、設定も物語も面白い。久…

大きな森の小さな密室

大きな森の小さな密室 (創元推理文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/10/21メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (20件) を見る最初の表題作を読んだときは「専門家でないと分からないパロディ(つまりおいらには分か…

縮む世界でどう生き延びるか?

縮む世界でどう生き延びるか? (メディアファクトリー新書)作者: 長谷川英祐,いずもり・よう出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2013/02/28メディア: 新書 クリック: 94回この商品を含むブログ (2件) を見る結論が意外と普通だったけど、おそらく…