実践 日本人の英語

実践 日本人の英語 (岩波新書)

実践 日本人の英語 (岩波新書)

どういう使い分けをするために、それぞれの英語文法が存在するのか(あるいは存在しないから書き分けられないのか)が丁寧に説明されていて、改めて英語に興味を覚えた。

具体例が自然な文なので「英語を眺めて楽しむ」欲求も満たされた。

でも、「理解する」のと「使える」のは別のことなんでよね……。

以下は身につまされる。最後の「少しずつでも」というところが、良い。

こうした使い分けの難しさは、日英「お互いさま」である。日本人がふつうに持っている「〜て…」「〜から…」「〜ので…」の使い分けに対する感覚は、英語を母語とする日本語学習者にとっていささか難しく、すぐには身につかない。初歩の段階では「暑いので、気をつけてください」という場合に「暑くて、気をつけてください」と言ったり、「頼むから、やってくれ」という場合に「頼むので、やってくれ」と言ったりするのである。
しかし、お互いさまだから気にしない、というわけには残念ながらいかないので、ここはお互いに、日本語・英語の理論を少しずつでも身につけていくしかないのであろう。(p.154)