他人を攻撃せずにはいられない人

その時ちょうど気になっていたこと、そのままのタイトルの本があったので、半分強迫観念のような感じで買ってしまった。たぶん疲れていたんだと思う。

内容も、タイトルと同じくらい「そのまんま」で、新たな知識は何も無かったけど、そのぶん「これでいいんだ」という自信に似た何かを得られたように思う。

おかげで少しだけ疲れが解消された気がする。この本はこういう読みかたで良かったのだろう、おそらく。

他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)

他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)

にゃんそろじー

ぱらぱらめくってみたら「モノレール猫」が載ってたので、それだけの理由で借りてみた。

個別には保坂和志の句点のない文章が良いな、と思った。全体的には「やっぱり猫好きの人は変なこと考えるよなあ(賞賛)」と思った。

にゃんそろじー (新潮文庫)

にゃんそろじー (新潮文庫)

哺乳類のかたち

ハヤブサがインコの仲間になった」というニュースを聞いて、生物の分類法について知りたくなっていたところに、ちょうど図書館の新入荷コーナーで見かけた本。素直に出会いを信じて借りた。

専門的な知識にも触れつつ、脇道や脱線も忘れない、心地よい文章。挿絵、写真も秀逸。これは良書。

個人的メモ。生物分類の「α分類」と「β分類」を覚えた。

哺乳類のかたち ~種を識別する掟と鍵~

哺乳類のかたち ~種を識別する掟と鍵~

動物園の文化史

定説や客観的な資料が少ない分野なのではないかと勝手に想像しているのですが、この本はその辺りを上手い具合に表現しているな、と思った。

本筋と全く関係ないのですが、以下の文章を読んで「この作者について行こう」と思った。「しかし」というところが、たまらなく良い。

一〇年たってピドコックが死ぬと、今度はスティファン・ポリトなる人物がこの建物を手に入れ、ラマ、ヌー、アシカ、エミューなどを追加し、「ロイヤル・メナジェリー」という、たいそうな名前をつけた。しかしその七年後、エドワード・クロスがここを買いとって、「ロイヤル・グランド・メナジェリー」という、もっとたいそうな名前をつけた。(p.124)

動物園の文化史―ひとと動物の5000年

動物園の文化史―ひとと動物の5000年

獣の奏者 3探求編・4完結編・外伝 刹那

続編にありがちな「蛇足感」がほとんどなく、気持ち良く読み切ることができた。幸せな読後感。

獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)

獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)

獣の奏者 4完結編 (講談社文庫)

獣の奏者 4完結編 (講談社文庫)

獣の奏者 1闘蛇編・2王獣編

物語について語られた物語なのかな、と思いつつ読んだ。勇気あるタイミングで物語を終えることなく小説を終わらせてしまっている。それでもきちんと伝わってくる。すごい。

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

ルナティカン

実はよく分からなかったのだけど、とりあえず読み切った、という感じ。神林長平の小説は、ときどきこういう風になっちゃう。

ルナティカン (ハヤカワ文庫JA)

ルナティカン (ハヤカワ文庫JA)

深海の Yrr

SF 小説の皮をかぶったハリウッド映画だった(褒め言葉)。SF でも小説でもなく、ハリウッド映画だった(褒め言葉)。

深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)

深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)

深海のYrr 〈中〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-2)

深海のYrr 〈中〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-2)

深海のYrr 〈下〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)

深海のYrr 〈下〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)

ジョン平とぼくらの世界

一気に、気持ち良く、読み切った。なぜだろう、どこかしらで科学に基づいているという信頼のようなものがあるからか、とても安心して読むことができた。

ここしばらく上手く本が読めないでいたので、こんな風に本を読めるって、本当に幸せだと実感した。

ジョン平とぼくと3 ジョン平とぼくらの世界 (GA文庫)

ジョン平とぼくと3 ジョン平とぼくらの世界 (GA文庫)

ツナグ

久々に小説を読んだ。しばらく小説を読めなくなっていたので(うまく言えないけど気力がなくなってたのだと思う)、読み終えたときは本当に「読めて良かった、まだ小説を読むことができるんだ」という安堵でいっぱいだった。そのせいだと思うのだけど、物語そのものへの感想はほとんど残ってなくて、なんだか申し訳ない気分です。

あと、「使者」と書いて「ツナグ」と読むのですが結局最後まで「ししゃ」って読んでしまって、それもちょっと申し訳ない気分です。

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)

「ストーカー」は何を考えているか

どちらかと言うとストーカー(加害者)側の視点の本で、その一点だけでも面白いと思う。文章も、この手の新書にしては、誠実で丁寧だと感じた。

「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)

「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)

「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本

素直に良い本だと思った。

ときどき、こういう直接的な本を読みたくなるのは、やっぱりどこか疲れてるんだろうなあ。

「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本

「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本

寝ながら学べる構造主義

そうか、太郎冠者が太郎冠者であるのは自分が太郎冠者であることを太郎冠者本人が否定してるからなのか、と。

いや、ここは本質じゃないんだけど、まあ、こういう本質じゃないところが楽しくて、最後までスムーズに読み進めることができました。

それは、太郎冠者が主人を内心では侮っているために、自分より愚鈍であるはずの主人に自分の下心が見抜かれているという可能性を認めるわけにゆかなかったからです。主人は自分より愚鈍であって「欲しい」という太郎冠者の「欲望」が、怜悧な彼の目をそこだけ曇らせたのです。こうして、「『太郎冠者が何ものであるかを主人は知っている』ということを太郎冠者は知らない」という構造的無知が成立することになります。これが「抑圧」という機制の魔術的な仕掛けです。

寝ながら学べる構造主義 (文春新書)

寝ながら学べる構造主義 (文春新書)