ビブリア古書堂の事件手帖

妙に流行っちゃって買いそびれていたビブリア古書堂、古本屋で百円になってたのを良いきっかけと、購入。

こんなに売れた本を今さら「面白かった」と書いても仕方ないのだけど、ええと、面白かった。でも続編買うかと言われると、ちょっと悩んでる。いつからだろう、ベストセラーを買えなくなったのは。

物語とは直接関係ないけど、以下の台詞は良いと思う。

「あの話って願望全開だよな。こんな女いねえよって最初は思ったけど、願望だって分かって書いてる。それがはっきりしてるから、いい話なんだと思う……(略)」(p.149)

粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う

何か本を読まなくては、という強迫観念みたいなものを感じてしまい、駅の本屋で無理矢理選んで買った。

どことなく雑な文章だったけど、シンプルな信念が感じられて、気持ちよく読めた。

「単細胞」といえば「単純で有効な戦略でうまくいくこと」という意味に使えばよいのです。なんといったって、これは事実ですから!(p.102)

次版の「広辞苑」には、「転じて考えの単純な人」という意味に加えて、「さらに転じて、洗練された単純さで複雑な状況を切り抜ける人。またはその思考方法」とするのが妥当です。ですよね?(p.104)

長らく共同研究をしてきたKさんは、このことを「目の前に答えはある。それが何の答えなのかがわからない。適切な問いを探し出すことが我々の問いである」と表現しました。(p.165)

生き物たるもの運動法則で割り切れるような単純なものではない、と反論もあるでしょう。しかしそれには、単純な運動法則がもたらす可能性こそ、実はそんなに単純でもないと反論を返しましょう。(p.187)

粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う (文春新書)

粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う (文春新書)

バーにかかってきた電話

思ってたより爽快感があって、わりと気持ちよく読めた。

三か月くらい何も読んでなくて「とにかく読もう、読みさえすればきっと満足だ」という心構えで読み進めたのも、たぶん良かったのだと思う。

バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)

バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)

ねずみに支配された島

科学を忘れず物語(ノンフィクション)を語る、とても良い本。ただ「人間こそが最悪の外来種だ」とは書いてなかった。そこまでは書いてなかった。意図して書かなかったんだろうな。ここまで書ける人が気付かないはずないもんな。

ねずみに支配された島

ねずみに支配された島

冷えと肩こり 身体感覚の考古学

後半に向かうにつれ、少しずつ「文化論」になっちゃって、ちょっとしんどかった。第1章の「冷え性の発見」は、とても楽しかった。

冷えと肩こり 身体感覚の考古学 (講談社選書メチエ)

冷えと肩こり 身体感覚の考古学 (講談社選書メチエ)

SF 的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

これは新鮮な驚きでした。父親のつまんない失敗を何の救いもなく失敗と言い放って、それでもなお未来に向かおうとするエンディングが、とても良かった。

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

聞く力

なんと言うか、その、エッセイだった。いや、作者はエッセイストだから、エッセイで当たり前なんだけど。おいらが油断してただけなんだけど。

聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)

聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)

ふちなしのかがみ

一本目の「踊り場の花子」が、密度が高くて良かった。短編なのにリアリティのあるホラー。実は読んでてちょっとしんどかったのだけど、それも魅力のひとつと思う。

ふちなしのかがみ (角川文庫)

ふちなしのかがみ (角川文庫)

短歌ください

この作者のエッセイが、たしかとてつもなく面白かったという記憶があり、深く考えずに借りた。エッセイ同様、短歌紹介の文がとても良い。

短歌は、「分かる」ことが、「私ならその気持ち理解できますよ」ということが、楽しくなる文化だと思った。

短歌ください (角川文庫)

短歌ください (角川文庫)

中高生のための「かたづけ」の本

片付けの「トレーニング」の本だと思って借りたのですが、もちろんトレーニングについてもしっかり書かれていたのですが、それ以上に人生の本だった。大人も読める。

いつかもう一度読みたい。

緑色のうさぎの話

前に読んだことのある作者の「絵本」があったので借りてみた。

緑色のうさぎの話

緑色のうさぎの話

鉄道そもそも話

たぶん読む側の基礎知識不足のため、ちょっとしんどい内容だった。背伸びしすぎた。

ぼくのメジャースプーン

いろんな仕掛けが混然としてどの仕掛けが何のためなのか分からないのだけど、それでも物語はきちんと伝わってきて、こういうの大好きです。

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

平面いぬ。

「BLUE」が良かった。ありきたりな展開で、ハッピーエンディングでもなくて、馬鹿正直だけど結局報われなくて、だから何の教訓もないのけど、そんな物語が読みたい気分だったのだと思う。

平面いぬ。 (集英社文庫)

平面いぬ。 (集英社文庫)