一本目の「踊り場の花子」が、密度が高くて良かった。短編なのにリアリティのあるホラー。実は読んでてちょっとしんどかったのだけど、それも魅力のひとつと思う。
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/06/22
- メディア: 文庫
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一本目の「踊り場の花子」が、密度が高くて良かった。短編なのにリアリティのあるホラー。実は読んでてちょっとしんどかったのだけど、それも魅力のひとつと思う。
この作者のエッセイが、たしかとてつもなく面白かったという記憶があり、深く考えずに借りた。エッセイ同様、短歌紹介の文がとても良い。
短歌は、「分かる」ことが、「私ならその気持ち理解できますよ」ということが、楽しくなる文化だと思った。
片付けの「トレーニング」の本だと思って借りたのですが、もちろんトレーニングについてもしっかり書かれていたのですが、それ以上に人生の本だった。大人も読める。
いつかもう一度読みたい。
たぶん読む側の基礎知識不足のため、ちょっとしんどい内容だった。背伸びしすぎた。
鉄道そもそも話―これだけは知っておきたい鉄道の基礎知識 (交通新聞社新書)
いろんな仕掛けが混然としてどの仕掛けが何のためなのか分からないのだけど、それでも物語はきちんと伝わってきて、こういうの大好きです。
「BLUE」が良かった。ありきたりな展開で、ハッピーエンディングでもなくて、馬鹿正直だけど結局報われなくて、だから何の教訓もないのけど、そんな物語が読みたい気分だったのだと思う。
その時ちょうど気になっていたこと、そのままのタイトルの本があったので、半分強迫観念のような感じで買ってしまった。たぶん疲れていたんだと思う。
内容も、タイトルと同じくらい「そのまんま」で、新たな知識は何も無かったけど、そのぶん「これでいいんだ」という自信に似た何かを得られたように思う。
おかげで少しだけ疲れが解消された気がする。この本はこういう読みかたで良かったのだろう、おそらく。
ぱらぱらめくってみたら「モノレール猫」が載ってたので、それだけの理由で借りてみた。
個別には保坂和志の句点のない文章が良いな、と思った。全体的には「やっぱり猫好きの人は変なこと考えるよなあ(賞賛)」と思った。
表題作で、ホラーとハッピーエンディングが両立していて、感動した。さすが小林泰三。
「ハヤブサがインコの仲間になった」というニュースを聞いて、生物の分類法について知りたくなっていたところに、ちょうど図書館の新入荷コーナーで見かけた本。素直に出会いを信じて借りた。
専門的な知識にも触れつつ、脇道や脱線も忘れない、心地よい文章。挿絵、写真も秀逸。これは良書。
個人的メモ。生物分類の「α分類」と「β分類」を覚えた。
定説や客観的な資料が少ない分野なのではないかと勝手に想像しているのですが、この本はその辺りを上手い具合に表現しているな、と思った。
本筋と全く関係ないのですが、以下の文章を読んで「この作者について行こう」と思った。「しかし」というところが、たまらなく良い。
一〇年たってピドコックが死ぬと、今度はスティファン・ポリトなる人物がこの建物を手に入れ、ラマ、ヌー、アシカ、エミューなどを追加し、「ロイヤル・メナジェリー」という、たいそうな名前をつけた。しかしその七年後、エドワード・クロスがここを買いとって、「ロイヤル・グランド・メナジェリー」という、もっとたいそうな名前をつけた。(p.124)
続編にありがちな「蛇足感」がほとんどなく、気持ち良く読み切ることができた。幸せな読後感。
物語について語られた物語なのかな、と思いつつ読んだ。勇気あるタイミングで物語を終えることなく小説を終わらせてしまっている。それでもきちんと伝わってくる。すごい。
実はよく分からなかったのだけど、とりあえず読み切った、という感じ。神林長平の小説は、ときどきこういう風になっちゃう。