敵は海賊・不敵な休暇

敵は海賊・不敵な休暇 (ハヤカワ文庫JA)

敵は海賊・不敵な休暇 (ハヤカワ文庫JA)

確かに一度読んでるのだけど、すっかり忘れてて、驚く。

今回読んで、端々で妙に人生を感じてしまう。特に最後の淡々とした描写、アセルテジオの埋葬から消滅まで、のくだりはぞくぞくした。こんなに重い話だったとは。前に読んだときは高校生だったので、たぶん物語をまったく理解せず、単なるSFとしてしか読んでなかったのだと思う。「読んでも分からない」って怖いなあ。こうして改めて読む機会があって本当に幸せだ。

「そう。その船は全財産プラスアルファないと手に入らない。大人には買えない。子供がポケットの金全部と大事にしていた小石かなんかで自分のものになるってやつだ。(略)」(p.42)

ヒルダ・ルイスの「とぶ船」かな。読んでみたい。あと、セコイとドツボの話は良かった(笑)。