- 作者: 酒井順子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/10/28
- メディア: 単行本
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読み始めは「なんて慇懃無礼で下品な文章」と思い読むのもつらかったが、途中で「駄目人間エッセイ」と気づき、それからは楽しく読めた。
さらに私は、老後の先、つまり老いてからの死についても考えます。まず思い浮かぶのは、もちろん「独居老人腐乱死体」。そうなる可能性は非常に高いわけですが、独居老人腐乱死体になるような死に方というのは、長患いによるものではなく、ポックリ系なのではないか。ある意味幸せな死に方と言えなくもないわけで、「腐乱も辞さず」の覚悟は、やはり決めておかなくてはなるまい。(p.206)
腐乱も辞さず、賛否あると思うが、なんだか格好いいなあ。
(雅子様と紀宮様の歌を比較しつつ)
一人だからこそ感じることのできる雪の美しさもあり、その美しさは勝ち犬には理解のできない質のもの。……という私の主張を「負け犬の遠吠え」と嗤わば嗤え。
「子供を産まないと、わからないことってあるのよ」
と言う人がいるように、「負け犬になってみないと、わからないこと」だって、世の中にはきっとある、のだから。(p.246)
この考えかたは理解できる。うまく言えないが、「選ばなかった人生」を人はもっとポジティブに捉えてよいと思う。