新編 日本語誤用・慣用小辞典

新編 日本語誤用・慣用小辞典 (講談社現代新書)

新編 日本語誤用・慣用小辞典 (講談社現代新書)

だいぶ前に一度読んだことがある。たぶん新編になる前のを読んだのだと思う。色々と知らなかったり忘れてたりしていて、二度目でも面白い。以下、見出し語でないのもあるけど、片端から。

準備万端が整う
本来は「整う」まで含めての慣用句。準備万端だけで成立してると思ってた。p.65
すべからく
誤用の文例をあえて正しく読むと恐ろしい。「(7) (略)カンボジアクメール・ルージュにいたっては読書人をすべからく虐殺した」 p.81
逼塞
ひっそり隠れていること。行き詰ることだと思ってた。p.110
ひもとく
書物を読むこと。書物の帙(ちつ、本を包む覆い)の紐をとくこと。解説することと思ってた。p.112
まじる
大量の中に少量が「まじる」。量に差がなければ「まざる」。知らなかった。「まじる」が自律的・自発的である、というのは今一つ理解できず。p.120
真綿
木綿ではなく蚕の綿を真綿という。そのままの真綿を防寒具として背負うらしい。知らなかった。p.127
まんじりともせず
夜通し眠らないこと。微動だにしないこと(みじろぎもせず)と混同してた。p.129
キザ
気障り(きざわり)、が語源らしい。p.139
目配せ
目で合図すること。目配り(面倒を見ること)と混同していた。p.144
洛陽の紙価を高める
「三都賦」というベストセラー(?)で紙不足の故事。知らなかった。p.152
首っぴき
参考書見ること。実は微妙なところで「首ったけ」と混同してた。p.153
宿六
夫。宿の碌(ろく)でなし。知らなかった。p.154
弥が上にも
「弥(いや)」は「ますます」の意。「弥が上にも」で、より一層。「否が応でも」と混同していた。p.158
怒り心頭に発する
「達する」と混同していた。そこは分かったけど「ほっする」か「はっする」か分からない。p.163
快哉を叫ぶ
純粋に知らなかった。恥ずかしい。p.168
かって
「かつて」が正しく「かって」は誤用と思い込んでいた。かつて→かって→かつて、移り変わってきたらしい。p.169
舌先三寸
舌先三寸は知っていたけど、口先三寸も誤用と知らずにいた。p.176
好評を博す
好評を「得る」しか知らなかった。p.178
失地回復
知らなかった。誤用の失地挽回も知らなかった(笑)。p.179
知ってか知らでか
「知らずか」と思ってた。p.180
愁眉をひらく
「愁眉」は心配そうな眉、顔つき。「愁眉をひらく」で、心配がなくなる、ほっとすること。知らなかった。知らないどころか「秋波を送る」と混同してた。「愁眉をつくる」を誤用としているが、辞書で「愁眉」が単独の見出し語になっていたので、誤用というほどでもないような気もする。p.180
その伝でいくと
「伝」は言い伝え、やりかた。そのやりかたでいくと、の意。なんとなく分かったような気になってたけど、知らなかった。p.183
体調を崩す
「体調をこわす」は、慣用ではないらしい。p.184
波紋を投げる
波紋は投げられないが、意味を汲んで、誤用とはしないらしい。いや、意味を汲んでよいなら、これまでの多くの誤用も拾ってあげないといけなくなる。あくまでも「慣用だから」という理由でないと。p.193
古式ゆかしく
慣用句は知っていたが、ふと「ゆかしい」が気になる。調べると「床しい」「懐しい」と書いて、心ひかれる、昔がしのばれる、好奇心そそられる、といった意味らしい。p.208
荒らげる
荒げると思ってた。荒げるでも誤用ではないらしいが。p.216
けんもほろろ
キジの鳴き声というのは知っていたが、実はどういう場面で使うべきか知らなかった。調べると、無愛想に拒絶すること、らしい。p.221
子はかすがい
慣用句は知っていたが、かすがいのことを勘違いしていた。S 字形で二枚のふすま戸の間にひっかけてロックするもの(なんて言うのだろう)かと思ってた。p.222
もやい
共有の意。「もやう(催合う/最合う)」の動詞もある。知らなかった。p.226
嘯く(うそぶく)
「嘘吹く」と思ってた。p.240
金の草履
「かねのわらじ」。「きんのぞうり」と読んでいた。どっちも違う。p.256
逆手
「ぎゃくて」。意味は柔道の技、相撲の禁じ手など。「さかて」は誤用としてるが、辞書には「さかて」が別の意味(刃物を逆に持つ、体操で鉄棒を逆に持つなど)で載っていた。p.257
先を越す
「せんを〜」。「さきを」が正解と思ってた。p.257
上意下達
「〜かたつ」。「げたつ」が正解と思ってた。p.277
伝播
「でんぱ」。「でんぱん」が正解と思ってた。p.285
刀自
「とじ」と読み、年配の女性。まったく知らなかった。p.285
絵像
例文に「山田春子刀自絵像」とあり、「絵像」を知らなかった。調べると、肖像画のこと。p.286
盗人に追銭
「おいせん」。「おいぜに」と思ってた。p.287
人事
「ひとごと」は「他人事」としか書かないと思っていたが、「人事」でもよいらしい。調べたら確かにセーフみたいだ。p.290
野に下る
「やに〜」と読み、「官」に対して「民間」のことを指す。「のに〜」と読んで庶民として暮らすことを言うのかと思ってた。p.291

ふう。疲れた。