- 作者: 有川浩,徒花スクモ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/04/23
- メディア: 文庫
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荒唐無稽な設定が心配だった。コミックス版を読みかけて挫折したことも不安材料だった。けど問題なく楽しめた。感動して泣きそうになった。以下、感動というわけではないが、なるほどと思ったところを引用。
「やっぱり女の子は『キズモノ』って概念があるから。『顔に傷でも残ったらお嫁に行けなくなるよ』って女の子の親の常套句だもん」
「キズモノだからって弾くような男と結婚するのは構わないのか、それ」
手塚はますます怪訝な様子である。
今まで気づいてませんでした。確かに。
本を焼く国ではいずれ人を焼く、言い古されたその言葉は反射のように脳裏に浮かんだ。
言い古されていたのか。そう言われるとどこかで聞いたような気もするけど、たぶん気がするだけ。次は「文庫化特別対談」からの引用。
有川 自分が読者になった時のことを思ってもそうなんですけど、人間に嘘がなかったら、設定上の嘘ってだいたい飲み込めると思うんです。
なるほど、荒唐無稽な設定でも大丈夫だったのは、そういうことか。