異常論文

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やっとこさ読み終えた。論文が終わるたびに全く別の文章が始まるので、文章に慣れることがないまま 700 ページ近いボリュームはしんどかった。

 

特に楽しかったのは下記の三編。

 

掃除と掃除用具の人類史
アカシック・レコード
解説——最後のレナディアン語通訳

 

柱に長体がかかってて楽しい。

 

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認知症世界の歩き方

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出てくるトピックが情報工学(認識と制御)の基礎課題と重なっていて納得。なるほどヒトは「情報を処理する仕組み」なのだなあ。

 

「おわりに」で「認知症の課題解決は、デザイナーの仕事だ」とあり、デザイナーから見ると別の見えかたがあるのだな、とも思った。自分の仕事で世界を良くしよう、という考えかたは、素敵だ。

 

そう、認知症のある方が生活に困難を抱えている原因の大半がデザインにあるのです。「認知症のある方が暮らしやすい社会を実現するために、デザインは何が可能か」、そんな問いへの答えを模索し、たどり着いた1つの結論が、この『認知症世界の歩き方』です。(p.246)

 

 

 

 

 

 

きいろいゾウ

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映画みたいな小説でした。いま改めて表紙を見て「もしかしてこの鳥があの鳥なのか」と驚いています。

 

現代の寓話なのか、恋愛小説なのか、人生論なのか、ミステリーかホラーか、いろいろ振り回されながら読み進む。最後は然るべきところに落ち着いた。という印象。

 

 

 

ペンギンのバタフライ

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積んである本がどれも読めなくなって(たぶん精神が疲れていて)「とにかく読める本を、読みたくなる本を」と祈りながら買った。読めた。本を読める幸せ。

 

「ゲイルズバーグ、春」で少し泣いた。「神様の誤送信」につながっていく感じも好き。

 

 

 

 

民主主義という不思議な仕組み

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安心安定の、ちくまプリマー新書

 

投票と対になる「不服従」について知ることができた。最終章では現代の政治課題についてコンパクトに書かれていて、丁度良い政治入門の書。そして五十歳過ぎて政治に入門する私。

 

 

 

 

文化としての数学

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文化の側から数学をとらえた本は少ないので、それだけで楽しめた。丁寧な文章で、おそらく謙虚で動じない人なのではないかと思う。穏やかな読書体験でした。

 

 

 

 

 

夏への扉

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随分前に読んだはずだけど何ひとつ覚えていないので、買ってきて、読んだ。素直な SF。素直すぎてまた忘れてしまいそう。

 

 

 

 

カイメン すてきなスカスカ

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「カイメン礁」に感動。

 

平易な文章で容赦なく専門的なトピックを紹介していく姿勢が素敵。有櫛動物、DNA 分子系統解析、真社会性動物、行動継承、溶存態有機物、深海底の化学合成生態系などなど、裾野が広い。良書。

 

 

 



ニュースの未来

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不思議な文章読本だった。とても興味深い内容だったけど、文才のない小市民としては戸惑うことのほうが多かった。

 

以下のところは恐怖を感じた。正直なところ、「スケールの競争」に個人で勝負できるのは、能力を持った少数の人間だけだと思う。小さな個人としてはとてもしんどい。

 

ですが、今は少しだけ危機感を覚えています。多くの書き手が王道を歩む「良いニュース」を出していかない限り、あっという間にスケールの競争に飲み込まれてしまい、ニュースは劣化していきます。(p.248)

 

読後一週間。ニュースの受け取りかたが大きく変わった。

 

送り手の意図を意識するだけで世界の見えかたが変わるのは、心地よくもあり、微かな恐怖も感じる。ニュースの威力。

 

改めて、良い本でした。

 

 

 

生命の〈系統樹〉はからみあう

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遺伝子の水平伝播を確認したうえで「ダーウィン自然淘汰は変わらずはたらくが(p.274)」とあるのを読んで興奮した。すごいぞ自然淘汰。変わらずはたらくんだ。

 

時系列が飛び交うので年表を書きながら読んだ。不思議な読書体験だった。

 

 

 

 

夏を取り戻す

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疲れた。ミステリーとしての構成の都合だと思うのだけど、複数の物語が現れては消えていって、それを追いかけるので精一杯だった。飯塚忠の物語が良かった。

 

 

 

 

寝てもサメても 深層サメ学

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雑学と科学だけでなく、研究活動についても書かれている。フルカラーなのも素敵。いろんな人が努力して完成した本なのだと思う。良い本に出会った。

 

 

 

 

レプリカたちの夜

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階層構造のおかげで世界の整合性は守られたけど、そのぶん物語が弱くなった気がして、ちょっと寂しかった。

 

最初からポップな物語のつもりでいたら、もっと楽しめたのかもしれない。

 

 

 

 

即戦力が身につく Oracle PL/SQL 入門

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PL/SQL はネット検索でチマチマ勉強してたのだけど、限界を感じたので書籍購入を決意。「全体像」と「癖のある部分」をバランスよく理解できたので、満足。