なんだか良い本でした。【面倒臭い本ですが。】
本題とは別に、アマデウス(モーツアルトとかサリエリとか)にとても興味が湧いてきたりしました。
暴力というのは、実行行為だけではなく言葉の上だけであっても、単純な行為なので、「誰がやったか」はすぐに分かります。「誰がやったか」が分かる上に、単純な行為はその単純さゆえに、簡単に伝播します。つまり、暴力は簡単に応酬され、簡単に連鎖を生むということです。(p.21)
「私は本流に属する人間だ」と言ってる人間に対して、「いや違う。お前は本流をはずれた人間だ」などと言ってしまうと、差別になります。つまり、誰でも「私は本流だ」と言えて、「本流の立場」を仮想することは出来るのです。だからどうなのか? みんな意地悪なんかをする必要がなくなって、平気で暴力的になれるということです。(p.33)