粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う

何か本を読まなくては、という強迫観念みたいなものを感じてしまい、駅の本屋で無理矢理選んで買った。

どことなく雑な文章だったけど、シンプルな信念が感じられて、気持ちよく読めた。

「単細胞」といえば「単純で有効な戦略でうまくいくこと」という意味に使えばよいのです。なんといったって、これは事実ですから!(p.102)

次版の「広辞苑」には、「転じて考えの単純な人」という意味に加えて、「さらに転じて、洗練された単純さで複雑な状況を切り抜ける人。またはその思考方法」とするのが妥当です。ですよね?(p.104)

長らく共同研究をしてきたKさんは、このことを「目の前に答えはある。それが何の答えなのかがわからない。適切な問いを探し出すことが我々の問いである」と表現しました。(p.165)

生き物たるもの運動法則で割り切れるような単純なものではない、と反論もあるでしょう。しかしそれには、単純な運動法則がもたらす可能性こそ、実はそんなに単純でもないと反論を返しましょう。(p.187)

粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う (文春新書)

粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う (文春新書)