「新型うつ病」のデタラメ

「新型うつ病」のデタラメ (新潮新書)

「新型うつ病」のデタラメ (新潮新書)

ずっと「メランコリー親和型」という語のニュアンスが分からずにいたけど、この本の説明ですっきり理解。

テレンバッハは、うつ病になるような人は、秩序に親しみを感じる、几帳面な性格を持っていることを見いだしました。そして、これがテレンバッハの着想の独創的な点なのですが、そうした人は、自然とその性格に見合った状況を自分で作っていき、それを生活の場とするというのです。(p.45)

内海は、(略)「メランコリー親和型」というのは、より根底にある機能不全を代償するために形成された「性格の鎧」であって、うつ病においてもっとも本質的なのは、この機能不全の方だと論じます。(略)「メランコリー親和型」は、秩序に勤勉に尽くすことによって、「甘え」関係を維持する(より正確に言えば、それが維持できているかのように擬装し、「甘え」の断念が不可避であることを否認し続ける)ための装置なのです。(p.67)

完全に見透かされてて読んでて辛くなる。けど、勉強にはなった。

全般に「強者の視点」から書かれていてフェアじゃないなと感じたけど、今は自分が少しでも強さを取り戻すことが先決なので、あえてスルーしておくことに。視点はともかく内容はちょうど自分が求めていた内容で、本当に読んで良かった。