ことばと国家

ことばと国家 (岩波新書)

ことばと国家 (岩波新書)

娘(高校生)が授業で買わされた本を「お父さんこういうの好きでしょ」ともらい受けた。ええ大好きですこういうの。

しかしここで上田の言う母とは国体のことであり、政治的国境を越えるはずのドイツの言語観は、あっさりと、また、みじめにやせこけた日本流にすりかえられてしまっている。(p.115)

さらりと厳しいこと書くなあ、上田さんだって真面目に考えてたはずなのに。

とかのん気に読んでたのですが、あとがき(以下)で、差別や偏見と戦うことを想定して書かれたのだと、ようやく気付く。もう一度そういうつもりで読み直すべきかも。

(略)それでもやはり、ことばに発する差別と偏見とたたかわねばならない人々にとって多少は役に立つところがあると思う。(p.217)