- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/07/22
- メディア: 文庫
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何日か前に「もう推理小説読むのやめようか」と思ってたのに、つい古本屋で買ってしまう。でもこれは当たり。久しぶりにちゃんと「推理」を読むことができた。途中、自信満々の推理がすっかり間違ってたり、推理の過程がとても素敵だ。随所に嫌味なほど気障な台詞が入るのだけど、ときどき心に刺さる。
「ふつうが一番いい」と、腕時計をのぞきながら伝票をつまんで、俺が立ち上がった。「最後までふつうに生きられれば、それで人生の九十パーセントは成功だ。あとの十パーセントがなんなのか、俺にも、よくわからない」(p.156)