孤島の生物たち―ガラパゴスと小笠原

孤島の生物たち―ガラパゴスと小笠原 (岩波新書)

孤島の生物たち―ガラパゴスと小笠原 (岩波新書)

いわゆる「小説」や「物語」は当たり外れが大きくて選ぶのが面倒だったので、手堅く面白そうな進化の本を手に取る。やはり面白い。

小笠原の生物たちが予想していた以上に瀬戸際で、コバノトベラが二株しか存在しないことや、ムニンノボタンが最後の一株まで追い込まれたこと(なんとか増やすことができたらしい)や、シマホザキランの最後の一株はどうやらヤギに食われたらしくそれ以降見つかっていないことなど、読んでてスリリング。

実は「海洋島にはカエルがいない」というのは知らなかった。言われてみると納得。野生化したヤギのことを片仮名で「ノヤギ(p.224)」と書く文化も今まで知らなかった。最初は何かのミスかと思ったが、そのあとに「ノネコ(p.226)」という表記もあったので、意図的なものと思われる。

あと、「アカバナルリハコベ(p.162)」がトゲナシトゲトゲみたいで楽しい。