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空の中

空の中 (角川文庫)

空の中 (角川文庫)

シンプルな価値観で生き続けているディックとフェイクに感情移入。限られた価値観のなかでいかに上手く生きるか。それも自然淘汰のような殺伐としたモデルではなく、あくまでも平和的なモデルとして。

高校生のころ「小指の先ほどのちっぽけな世界しかない自分に、どうして世界は過大な要求をしてくるのか」と、被害者意識丸出しだったことがあった。ディックとフェイクのようには生きられなかったなあ。

なんだか間違ったほうに感情移入しているのは気付いていたけど、そういうのも妙に楽しくて、そういう楽しみかたを作者が否定してないことにも途中で気づいたので、そういう作者に甘えて最後まで読ませてもらった。もちろん、高巳と光稀、瞬と佳江、宮じいにも十分感情移入させてもらったのだけど、そういう物語は他の小説でも読めるので、ここは敢えてディックとフェイクを。