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ドミノ

ドミノ (文芸シリーズ)

ドミノ (文芸シリーズ)

どたばたコメディと思いつつ読んだのだけど、やっぱりどたばたコメディだった。オーディションのシーンはちょっと感情移入しかけた。

なんだかあたしたちみたいだな、と麻理花は心の中で小さく笑った。
大人たちはよりどりみどりの孤児院にやってくる。子供たちは自分を選んでほしい、自分を暖かいベッドのある家に連れて帰ってほしいと心から望んでいる。でも、大人たちは自分の好みを言いたい放題。選ぶのは大人だからだ。この子は横顔が今いちだね。ちょっと今度のイメージじゃないんだなあ。もう十歳なの? もう少し若い子いないの? 背が高過ぎるな。なんか、笑った感じが写真と違うよね。
何を言われても、あたしたちはにっこり笑って待っていなければならない。選んでくれるのは、新しいパパとママの方なのだから。

でも、このシーンが終わると、すっかりしたたかになっていく麻里花ちゃん。まあ、それはそれでハッピーなので悪くない。