装丁について

最近、多分意図的に、内容と異なる装丁をしている本が多いと思う。児童文学なのに大人向けの装丁だったり、ラノベなのに普通の小説っぽい装丁だったり。人気漫画家のイラストを「名作」の表紙に使ったりするのもそうだ。

正直に言うと、ちょっと困る。読みはじめるときに、入口がどこなのかわからなくなる。「これは児童文学だったのか、そういうつもりじゃなかったから変に深読みしてしまったよ」とか、「ミステリだったのか、手掛かり読み飛ばしちゃったよ」とか。最初のページに戻って読み直すこともしばしば。いろんな本を読むほどに、違和感は大きくなる。

仕方ないので、いちいち読む前に著者紹介や解説で作者の素性を確認してから読むようになった。こういうのって何か違うと思う。本来ならば、装丁やイラストで「これはこういう種類の本ですよ」と明確に伝えるべきだと思う。それがプロの装丁だと思うし、そういう装丁をプロデュースするのがプロの編集だと思う(組版も大事と思うが、これはまた別の機会に)。