- 作者: 国広哲弥
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/01/19
- メディア: 新書
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だいぶ前に一度読んだことがある。たぶん新編になる前のを読んだのだと思う。色々と知らなかったり忘れてたりしていて、二度目でも面白い。以下、見出し語でないのもあるけど、片端から。
- 準備万端が整う
- 本来は「整う」まで含めての慣用句。準備万端だけで成立してると思ってた。p.65
- すべからく
- 誤用の文例をあえて正しく読むと恐ろしい。「(7) (略)カンボジアのクメール・ルージュにいたっては読書人をすべからく虐殺した」 p.81
- 逼塞
- ひっそり隠れていること。行き詰ることだと思ってた。p.110
- ひもとく
- 書物を読むこと。書物の帙(ちつ、本を包む覆い)の紐をとくこと。解説することと思ってた。p.112
- まじる
- 大量の中に少量が「まじる」。量に差がなければ「まざる」。知らなかった。「まじる」が自律的・自発的である、というのは今一つ理解できず。p.120
- 真綿
- 木綿ではなく蚕の綿を真綿という。そのままの真綿を防寒具として背負うらしい。知らなかった。p.127
- まんじりともせず
- 夜通し眠らないこと。微動だにしないこと(みじろぎもせず)と混同してた。p.129
- キザ
- 気障り(きざわり)、が語源らしい。p.139
- 目配せ
- 目で合図すること。目配り(面倒を見ること)と混同していた。p.144
- 洛陽の紙価を高める
- 「三都賦」というベストセラー(?)で紙不足の故事。知らなかった。p.152
- 首っぴき
- 参考書見ること。実は微妙なところで「首ったけ」と混同してた。p.153
- 宿六
- 夫。宿の碌(ろく)でなし。知らなかった。p.154
- 弥が上にも
- 「弥(いや)」は「ますます」の意。「弥が上にも」で、より一層。「否が応でも」と混同していた。p.158
- 怒り心頭に発する
- 「達する」と混同していた。そこは分かったけど「ほっする」か「はっする」か分からない。p.163
- 快哉を叫ぶ
- 純粋に知らなかった。恥ずかしい。p.168
- かって
- 「かつて」が正しく「かって」は誤用と思い込んでいた。かつて→かって→かつて、移り変わってきたらしい。p.169
- 舌先三寸
- 舌先三寸は知っていたけど、口先三寸も誤用と知らずにいた。p.176
- 好評を博す
- 好評を「得る」しか知らなかった。p.178
- 失地回復
- 知らなかった。誤用の失地挽回も知らなかった(笑)。p.179
- 知ってか知らでか
- 「知らずか」と思ってた。p.180
- 愁眉をひらく
- 「愁眉」は心配そうな眉、顔つき。「愁眉をひらく」で、心配がなくなる、ほっとすること。知らなかった。知らないどころか「秋波を送る」と混同してた。「愁眉をつくる」を誤用としているが、辞書で「愁眉」が単独の見出し語になっていたので、誤用というほどでもないような気もする。p.180
- その伝でいくと
- 「伝」は言い伝え、やりかた。そのやりかたでいくと、の意。なんとなく分かったような気になってたけど、知らなかった。p.183
- 体調を崩す
- 「体調をこわす」は、慣用ではないらしい。p.184
- 波紋を投げる
- 波紋は投げられないが、意味を汲んで、誤用とはしないらしい。いや、意味を汲んでよいなら、これまでの多くの誤用も拾ってあげないといけなくなる。あくまでも「慣用だから」という理由でないと。p.193
- 古式ゆかしく
- 慣用句は知っていたが、ふと「ゆかしい」が気になる。調べると「床しい」「懐しい」と書いて、心ひかれる、昔がしのばれる、好奇心そそられる、といった意味らしい。p.208
- 荒らげる
- 荒げると思ってた。荒げるでも誤用ではないらしいが。p.216
- けんもほろろ
- キジの鳴き声というのは知っていたが、実はどういう場面で使うべきか知らなかった。調べると、無愛想に拒絶すること、らしい。p.221
- 子はかすがい
- 慣用句は知っていたが、かすがいのことを勘違いしていた。S 字形で二枚のふすま戸の間にひっかけてロックするもの(なんて言うのだろう)かと思ってた。p.222
- もやい
- 共有の意。「もやう(催合う/最合う)」の動詞もある。知らなかった。p.226
- 嘯く(うそぶく)
- 「嘘吹く」と思ってた。p.240
- 金の草履
- 「かねのわらじ」。「きんのぞうり」と読んでいた。どっちも違う。p.256
- 逆手
- 「ぎゃくて」。意味は柔道の技、相撲の禁じ手など。「さかて」は誤用としてるが、辞書には「さかて」が別の意味(刃物を逆に持つ、体操で鉄棒を逆に持つなど)で載っていた。p.257
- 先を越す
- 「せんを〜」。「さきを」が正解と思ってた。p.257
- 上意下達
- 「〜かたつ」。「げたつ」が正解と思ってた。p.277
- 伝播
- 「でんぱ」。「でんぱん」が正解と思ってた。p.285
- 刀自
- 「とじ」と読み、年配の女性。まったく知らなかった。p.285
- 絵像
- 例文に「山田春子刀自絵像」とあり、「絵像」を知らなかった。調べると、肖像画のこと。p.286
- 盗人に追銭
- 「おいせん」。「おいぜに」と思ってた。p.287
- 人事
- 「ひとごと」は「他人事」としか書かないと思っていたが、「人事」でもよいらしい。調べたら確かにセーフみたいだ。p.290
- 野に下る
- 「やに〜」と読み、「官」に対して「民間」のことを指す。「のに〜」と読んで庶民として暮らすことを言うのかと思ってた。p.291
ふう。疲れた。