KAGEROU

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物語は予想よりもだいぶ面白かった。書きたい内容もわかるし、従来とはちょっと違った視点で書きたいという気持ちもわかる。そういう部分は素直に面白い。

でも小説としての中途半端さには、ちょっと困った。下手というのとは違う。例えば、「この場面、作者はホラーっぽくしたいのだろうな」という意図は読みとれるけど、どうにもホラーの文章になってなかったりする。コミカルな場面、シュールな場面、夢うつつな場面、どれもそういう文章になってない。作家としての勉強が、経験が、不足しているのだと思う。そうするとつまり、やはり「下手」ということなのか。前言撤回。

ゼンマイまわしながらうろうろしてるシーンとか、ちゃんとした人が書けば、すごく良いと思うのだけどなあ。