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受難

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受難 (文春文庫)

受難 (文春文庫)

馬鹿みたいなトピックを積み重ねられた後で不意に真顔で心を突かれると、もう駄目なのです。

「(略)俺はまちがっとった。完膚なきまでにおまえの女としての能力を奪った」
「あら、古賀さんのせいじゃないのよ。もともとないから」
「いや……」
 古賀さんはいったん口を閉じ、それから開き、言った。
「そんなことはない」
「……」
 今度はフランチェス子がだまった。

こういうのって真実だと思った。こんなところで真実に出会うなんて、びっくりした。こういうのに弱いのです。

カバーの折り返しの著者紹介に「親指シフトユーザー」の文字を見つけた。奥付を見ると2002年第1刷。なぜ2000年代にいたってまだ親指シフトなのか。誰に向けたメッセージなのか。その無意味さ加減に「きっと素敵な人なのだろう」と思う。