涙のドロップス

涙のドロップス (講談社文庫)

涙のドロップス (講談社文庫)

読みやすい文章。女性にとってはご都合主義な展開ではと勝手に想像するが自分は男性なのでこのくらいがちょうどよい(と思ってしまったあとで自分が男女平等でないことに気づかされたがそれはともかく)。なぜかフルーツ消しゴムのところで急に泣きたくなる。心のどこかに響いたのは確かだけど、何がどう響いたのやら。別の機会に読み直したらわかるだろうか。

「お世話なんかしてないと思うけど」
「中学の頃、よく消しゴムを貸してもらったんだよ」
「そうだった?」
「うん。俺はよく消しゴムを忘れていって、きみに借りてたんだ。今でも覚えている。きみの消しゴムはやけにいい匂いがしてた」
「ああ、フルーツ消しゴム。集めてたのよ。(←ここで泣けた)(以下台詞続くが略)」(p.111)