ロマンス小説の七日間

表紙絵を見て帯コメントを見て表紙裏コメントを読んで、これは絶対つまらない、と確信して読み始めたが、非常に面白かった。そうか、恋人同士といえども分かり合えなくて当然なのか。時間こそが必要なのか。「ずぼら」(田辺聖子)の違和感が解消された気がする。

知らないうちにリビングで全裸になっていた神名は、「感激だ。見てくれ」と床に脱ぎ散らかした服を指差す。
「俺はもう、スーツをハンガーにかけなくていいんだ」

なるほど。サラリーマンというのは翌日のためにスーツをハンガーにかける仕事だ。