- 作者: 小路幸也
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/09/02
- メディア: 文庫
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ベタで馬鹿正直な展開だったけど素直に面白かった。こういう、ひねくれていない娯楽が、もっとたくさんあって良いと思う。フェイとエディの会話を引用。
「そう、教えられたの。自分のために多くの人が動いてくれるときには、自分が何もできない弱いものであるときには、信じることが大切なんだって」
「信じること」
「たとえどんな結末が訪れようとも、それは誰かが自分のために動いてくれたことの結果なんだから、それを黙って静かに受け入れなくてはならない。その結果に一喜一憂してはならない。動いてくれた人たちに最大限の感謝の気持ちを持ち続けなければならない。そうでなくては」
言葉を切った。
「そうでなくては?」
ニコッと笑って、ぴょんとソファから立ち上がった。
「あとは内緒。コーヒー淹れるね。飲むでしょ」