- 作者: 金田一秀穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 新書
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ところどころ妙に面白かった。表現が上手いのだと思う。こういう文章を書けるようになりたい。以下引用。
他の聴覚や視覚は、耳とか目とか、それ専用の特殊な器官を持っているのだが、触覚だけは体中に広がっていて、ある器官に集約されることがなかった。
日本では箸と茶碗は個人ごと区別されることを受けて、以下引用。
これがアメリカでは、ほとんどのものが共有される。区別がない。唯一、マグカップのようなものがあって、個人のものが決まっている。これは日本でもあるかもしれない。
二人でそれぞれケーキを注文する、という状況で、以下引用。
違うケーキなら、お互いに食べあってもいい。同じケーキは食べあってはいけない。(中略)
違うケーキの場合、それらはお互いにある程度共有されたものである。頼んだ二人の共有物である度合いが高い。しかし同じものだったとき、両者が別個にそれぞれ所有するものとして認識されるのである。