自分の本

できない相談

折り合わない話たち。ちょっとした行き違いから、絶望的な断絶まで、次から次へと、よくもまあ。こういうの好きです。 できない相談 ――piece of resistance (ちくま文庫 も-29-1) 作者:森 絵都 筑摩書房 Amazon

自分をよろこばせる習慣

精神が弱ってる実感があったので読んだ。自分と相容れない部分が多数あったけど、そういうのは無視して「著者の言いたいこと、方向性」だけを読み取るようにした。いくつか「こうしてみよう」というのが見つかった。 自分をよろこばせる習慣 作者:田中 克成 …

ネット右翼になった父

予想に反して切ない物語だった。自分にも「少しの情報で他人(家族含む)を決めつけてしまった」経験があると気付かされた。変わらなくては、と思う。 ネット右翼になった父 (講談社現代新書) 作者:鈴木大介 講談社 Amazon

猫弁と鉄の女

そう言えばこのシリーズは「ファンタジー」だったと、読んでから思い出した。少しずつ「家族」の物語になってきた。続きが楽しみ。 猫弁と鉄の女 (講談社文庫) 作者:大山淳子 講談社 Amazon

月下美人を待つ庭で 猫丸先輩の妄言

小洒落た表紙なので気付かず素通りしてしまうところだった。相変わらずの猫丸先輩で嬉しい。 月下美人を待つ庭で:猫丸先輩の妄言 (創元推理文庫) 作者:倉知 淳 東京創元社 Amazon

しかもフタが無い

残業の帰りについつい買ってしまう。疲れた精神にちょうどよかった。 しかもフタが無い (ちくま文庫 よ-32-1) 作者:ヨシタケシンスケ 筑摩書房 Amazon

父親たちにまつわる疑問

誠実に生きるって、多分こういうことなんだろうな。 読み始めてから、原題「ALIEN QUARTET」に気付いて、あ、そうか、と思った。 父親たちにまつわる疑問 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:マイクル Z リューイン 早川書房 Amazon

猫を抱いて象と泳ぐ

タイトルに「猫」とある本を読みたくなって買った。 ルール無視で噛み合わないチェスをそのまま受け入れることでコミュニケーションを成立させてしまうシーンは圧巻だった。 最後ちょっと泣けた。 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) 作者:小川 洋子 文藝春秋 Am…

君は君の人生の主役になれ

よい人生のためのアドバイスやヒントが書かれているのかと思ったら、八割がた哲学の本だった。良書。 君は君の人生の主役になれ (ちくまプリマー新書) 作者:鳥羽和久 筑摩書房 Amazon

もう泣かない電気毛布は裏切らない

俳句が少しだけ分かった気がする。俳句はまだ無理だけど、俳句っぽい何かを書いてみようと思う。 もう泣かない電気毛布は裏切らない (文春文庫 こ 49-1) 作者:神野 紗希 文藝春秋 Amazon

映画を早送りで観る人たち

文章が苦手。自説を主張するときに、対立する相手のことを悪く言う必要はないはず(もし必要なのだとしたら、まだ分析が足りないのだと思う)。 文章はともかく、著者の主張には共感。たしかに葛藤がある。 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバ…

法治の獣

一本目「主観者」で科学の失敗について正面から語られていて驚く。科学は 100 回失敗することで 1 つの正解を見つけ出す仕組みだと信じているので、作者に対する信頼感が増した。 どの話も進化について触れられていて嬉しい。趣味が進化論なので。 「系外進…

生物から見た世界

情報科学っぽい。もう少し踏み込んで情報科学としてのモデルをキッチリ作り込んで、そこに自然淘汰を被せれば、いけるのではないか(どこに?)。 生物から見た世界 (岩波文庫) 作者:ユクスキュル,クリサート,日高 敏隆,羽田 節子 岩波書店 Amazon

図書館司書と不死の猫

表紙絵が素敵。 最初のページに「まっとうなホラーを愛するジェマへ/謝罪の念をこめて」とあったので、肩の力を抜いて楽しく読むことができた。ちょうどそういう気分だったので助かった。 未翻訳の続編があるらしい。読みたい。 図書館司書と不死の猫 (創元…

暇と退屈の倫理学

「暇と退屈」に興味を惹かれて買ったけど、自分の知ってる「暇と退屈」じゃなかった。 あと、哲学は実証なしでどんどん理論を積み重ねていくので「パンツ履いてない」みたいな気分になる、という気付きがあった。 それはそれとして人生の指針になる良い本だ…

沈黙のセールスマン

自分の知的好奇心のために周囲の人達の命を賭けるのは良くないぞ。と思いながらもページをめくる手が止まらず最後まで読んでしまった。娘さんが気になる。シリーズ全部読みたい。 下記のところ、しびれました。 「どうしても、この一件は筋がとおらないんだ…

殺人鬼がもう一人

何人かの悪党とその他大勢の小悪党たちの物語。とにかく登場人物がたくさん出てくる。誰かが登場するたびに情景が一変して、物語が動く。不思議な感覚の語り口。 田中盛の活躍(活躍?)をもっと見たいので続編希望。 下記のところ、フォントは悩みますよね…

イヌはなぜ愛してくれるのか

著者が「科学の人」であろうとする姿勢に感動しつつ、それでもぎりぎりのところでは「イヌの人」になってしまうところに安堵したり。良い本でした。 イヌの「性格」と遺伝子に何かの相関があるというのは、なんかすごいことだと思った(語彙)。 ひとつは、…

本を守ろうとする猫の話

思ってたのとちょっと違ったけど、思ってたよりだいぶ絵本っぽい物語だったけど、それはそれで面白くて、後半は勢いよく読んだ。「勢いよく読む」のって楽しい。 本を守ろうとする猫の話 (小学館文庫) 作者:夏川草介 小学館 Amazon

人体最強の臓器 皮膚のふしぎ

免疫について丁寧に説明されていて勉強になった(これまで何を読んでも全然分からなかったけど、少しだけ分かるようになった)。 さらに経皮感作の重要性を知らしめたのが、2011 年に日本で起きた「茶のしずく石鹸事件」です。 (略) 当時販売されていた「…

しにたい気持ちが消えるまで

生死の話だと構えて読み始めたら、それ以上に「生活」が書かれていて驚いた。生きること(死ぬこと)の本質は、結局のところ、日々の生活のなかにあるんだろうな、と理解することにした(まだよく分からない)。何年か後に読み直したい。 作者が詩人だからな…

10 の奇妙な話

どの物語も途中で(あるいは初っ端から)狂気に突入する。狂気なのに妙に心地よい。 「骨集めの娘」は狂気に気付かないまま読み終えてしまった。たぶん今の気分に合ってた。よかった。 10の奇妙な話 (創元推理文庫) 作者:ミック・ジャクソン 東京創元社 Am…

脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか

途中で違和感があり、原題を見たら「Restless Creatures: The Story of Life in Ten Movements」とのこと。そもそも脚ひれ翼の話じゃなかった。そこからは素直に読めた。進化論は楽しい。趣味は「進化論鑑賞」にしよう。 文庫 脚・ひれ・翼はなぜ進化したの…

常設展示室

一本目「群青 The Color of Life」が良かった。絶望感が迫ってくるなかの小さな希望。たぶん希望なんだと思う。 常設展示室―Permanent Collection―(新潮文庫) 作者:原田マハ 新潮社 Amazon

こうしてイギリスから熊がいなくなりました

かつては身近にいたはずなのに、いつのまにかいなくなってる「熊」たちの物語。淡々とした語り口で、急かされることなく読み終えた。よかった。 こうしてイギリスから熊がいなくなりました (創元推理文庫) 作者:ミック・ジャクソン 東京創元社 Amazon

東京藝大 仏さま研究室

研究室のかなり独特な活動内容が、ごく自然に物語の土台になっていて、読んでて楽しかった。いいなあ、青春。 東京藝大 仏さま研究室 (集英社文庫) 作者:樹原 アンミツ 集英社 Amazon

プロジェクト・ヘイル・メアリー

科学は基本的に「一回目は成功しない」ものだと理解してるので、科学の物語として読むことができないかった。主人公の『生きる姿勢』の物語として捉えることで、なんとか読了。 最後の1ページが良かった。「そうか、そういう物語だったのか」と腑に落ちた。…

悪い言語哲学入門

あんまり良いので二回読んだ。とても丁寧な文章。そして注釈。 今まで「国語の勉強が必要な分野」と思って遠巻きにしてたあたりが、すっきり理解できた。 悪い言語哲学入門 (ちくま新書) 作者:和泉悠 筑摩書房 Amazon

しゃもぬまの島

血縁は怖い。祐は、紫織は、どうなってしまうのだろう。 それはそれとして、しゃもぬまがよかった。無邪気で元気なしゃもぬまも見てみたい。 しゃもぬまの島 (集英社文庫) 作者:上畠菜緒 集英社 Amazon

「つながり」の進化生物学

意識には進化論で言うところの適応価がない、と仮定したうえで、前適用(副産物)として意識ができあがった。という仮説は、かなりドキドキした。なるほどその手があったか。 以下、引用。カメについて、共感。 ちなみに、カメを飼っている人はコミュニケー…