図書館の本

銀河ヒッチハイクガイド

たしか高校のころに一度読んだはずだけど、答えが 42 であること以外は全く覚えていないことに気付いて、図書館で借りて再読。猿とハムレットとか、当時は知らずに素通りしてたな、多分今でも知らずに素通りしてるところがたくさんあるんだろうな、とニヤニ…

大人のための「恐竜学」

恐竜、というだけで何でもそれなりに楽しめてしまう。恐ろしいジャンルだ。>>なお、恐竜の性に関しては謎も多く、例えば竜脚類のような大型種がどのような姿勢で交尾をしていたのかはまったくわかっていません。(p.115)<<「まったく」というところが、良い…

分類思考の世界

「進化」とか「認知」とか「分類」とか、興味のある分野が目白押しで、楽しかった。扱う生物種が今後も増え続けるなら、最終的には、計算機にお願いすることになるのだろう。コンピューターさんが「ヒトの脳ミソの能力なら、過去の経緯も踏まえて、この分類…

系統樹思考の世界

系統樹というのが、何らかの形で歴史を扱うものであって、だから原理的に推論を含まざるをえないものだ、ということが丁寧に書かれていた。良い本。系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに (講談社現代新書)作者: 三中信宏出版社/メーカー: 講談社発売日: …

祖国とは国語

最後の満州の文章が、嫌で嫌で仕方なかった。この人は、自分の故郷を美しいと言うためなら、自分以外の人々が住む土地を平気で醜いと書いてしまうのだ。以下のくだりは、いいこと書いてると思ったが、全体的には弱者に配慮のない嫌な本だった。 その人の教養…

巨大ウイルスと第4のドメイン

こういう野心的な部分のある科学の本が好きなのだ、と実感した。疲れているのに読み切ってしまった。でもこの本で一番印象に残ったのは、この文章。さらりと流すなんて、ずるい。 ミミウイルスの仲間として新たに見つかった「ママウイルス」(Mamavirus)と…

コレモ日本語アルカ?

日本語側と中国語側の両方から丁寧に分析されている。日本語側は、宮沢賢治、夢野久作にはじまり、後半には、サイボーグ 009、ゼンジー北京、らんま 1/2、銀魂、ヘタリアまで目白押しで楽しく読めた。中国語側は(中国語の知識がないので)読むのがしんどか…

ねずみに支配された島

科学を忘れず物語(ノンフィクション)を語る、とても良い本。ただ「人間こそが最悪の外来種だ」とは書いてなかった。そこまでは書いてなかった。意図して書かなかったんだろうな。ここまで書ける人が気付かないはずないもんな。ねずみに支配された島作者: …

冷えと肩こり 身体感覚の考古学

後半に向かうにつれ、少しずつ「文化論」になっちゃって、ちょっとしんどかった。第1章の「冷え性の発見」は、とても楽しかった。冷えと肩こり 身体感覚の考古学 (講談社選書メチエ)作者: 白杉悦雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/08/12メディア: 単行…

SF 的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

これは新鮮な驚きでした。父親のつまんない失敗を何の救いもなく失敗と言い放って、それでもなお未来に向かおうとするエンディングが、とても良かった。SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: チャールズ・ユウ,朝倉めぐみ…

短歌ください

この作者のエッセイが、たしかとてつもなく面白かったという記憶があり、深く考えずに借りた。エッセイ同様、短歌紹介の文がとても良い。短歌は、「分かる」ことが、「私ならその気持ち理解できますよ」ということが、楽しくなる文化だと思った。短歌くださ…

中高生のための「かたづけ」の本

片付けの「トレーニング」の本だと思って借りたのですが、もちろんトレーニングについてもしっかり書かれていたのですが、それ以上に人生の本だった。大人も読める。いつかもう一度読みたい。中高生のための「かたづけ」の本 (岩波ジュニア新書)作者: 杉田明…

緑色のうさぎの話

前に読んだことのある作者の「絵本」があったので借りてみた。緑色のうさぎの話作者: 道尾秀介,半崎信朗出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2014/06/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る

鉄道そもそも話

たぶん読む側の基礎知識不足のため、ちょっとしんどい内容だった。背伸びしすぎた。鉄道そもそも話―これだけは知っておきたい鉄道の基礎知識 (交通新聞社新書)作者: 福原俊一出版社/メーカー: 交通新聞社発売日: 2014/06メディア: 新書この商品を含むブログ…

平面いぬ。

「BLUE」が良かった。ありきたりな展開で、ハッピーエンディングでもなくて、馬鹿正直だけど結局報われなくて、だから何の教訓もないのけど、そんな物語が読みたい気分だったのだと思う。平面いぬ。 (集英社文庫)作者: 乙一出版社/メーカー: 集英社発売日: 2…

にゃんそろじー

ぱらぱらめくってみたら「モノレール猫」が載ってたので、それだけの理由で借りてみた。個別には保坂和志の句点のない文章が良いな、と思った。全体的には「やっぱり猫好きの人は変なこと考えるよなあ(賞賛)」と思った。にゃんそろじー (新潮文庫)作者: 中…

哺乳類のかたち

「ハヤブサがインコの仲間になった」というニュースを聞いて、生物の分類法について知りたくなっていたところに、ちょうど図書館の新入荷コーナーで見かけた本。素直に出会いを信じて借りた。専門的な知識にも触れつつ、脇道や脱線も忘れない、心地よい文章…

動物園の文化史

定説や客観的な資料が少ない分野なのではないかと勝手に想像しているのですが、この本はその辺りを上手い具合に表現しているな、と思った。本筋と全く関係ないのですが、以下の文章を読んで「この作者について行こう」と思った。「しかし」というところが、…

「ストーカー」は何を考えているか

どちらかと言うとストーカー(加害者)側の視点の本で、その一点だけでも面白いと思う。文章も、この手の新書にしては、誠実で丁寧だと感じた。「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)作者: 小早川明子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/17メデ…

キリンの斑論争と寺田寅彦

1933 年の「キリンの斑論争」自体もとても面白いし、それを貫く寺田寅彦の姿勢も素晴らしいし、それが現代(1997 年)でも十分に魅力的な研究対象であるのも興味深いのだけど。個人的には、あのチューリングが動物の斑模様に関する一般的なモデルを提案して…

負けるのは美しく

その人のイメージから少し違った側面を感じられるのがエッセイの醍醐味だと思うのだけど。その意味ではとても良いエッセイだと思うのですが。児玉清って「知的で分別のある大人」というイメージがあったので、少し違った一面(つまり知的でなかったり分別が…

名前探しの放課後 上下

大量の文を一気に読んでしまった。前に読んだ「凍りのクジラ」と同じようにどこかしらエリート臭い気がするのだけど、慣れた。「もう慣れてしまえ」と思うくらい面白い。名前探しの放課後(上) (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 201…

こっちへお入り

なんだが分からないけど、ところどころで泣いてしまう。こういう直球(だけどコースは際どい)物語に弱い。やっぱりまだ疲れてるのかなあ。落語を聞きたくなった、を通り過ぎて、もう聞いてしまったような気になってしまって、これはどうしたものかと思って…

科学と宗教

予想より面白かった。アメリカの教育現場で進化論が問題になっていた件(ID論争)、理解できた。最後で述べられた以下の部分が心に残る。 過去においては、偉大な宗教的預言者が、悪しき道を正すよう、神の怒りと宇宙的破局に目を向けるよう、我々に警告を…

テンとマルの話 句読点の落とし物/日本語の落とし物

新聞を引き合いに出してるにもかかわらず、組版したときの紙面効率(どこまで文字を詰め込めるか)について、ほぼ無視しているのは、ちょっと残念。日本語の句読点や鉤括弧は二分(一文字の半分)の面積を消費する。これらがいくつも連続してしまうのは、新…

盗賊会社

星新一を読むのは中学生以来かも。読み終えた最後のページに昭和四十三年刊行とあった。おいらまだ産まれてないや。盗賊会社 (新潮文庫)作者: 星新一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1985/08/27メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (…

完全・犯罪

完全・犯罪作者: 小林泰三出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/09/29メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (14件) を見る「なんですか、この本気の星新一は?」というのが読後の最初の感想。「完全・犯罪」の軽やかなオチと、…

実践 日本人の英語

実践 日本人の英語 (岩波新書)作者: マーク・ピーターセン出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/04/20メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見るどういう使い分けをするために、それぞれの英語文法が存在するのか(あるいは存在しないから書き分け…

働くアリに幸せを

働くアリに幸せを 存続と滅びの組織論作者: 長谷川英祐出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/09/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る個人神の時代(p.109)は、法律論か宗教論かで似た話を読んだ気がする。神様の出現は社会の進化…

日本のタンポポとセイヨウタンポポ (復刻どうぶつ社)

日本のタンポポとセイヨウタンポポ (復刻どうぶつ社)作者: 小川潔出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2013/11/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る退屈だったけど「退屈でも読みたい」と思える本だった。現実の物事は複雑で、複雑…