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図書館の本

新世界より

娘の下宿に上巻があったので読み始めて、中巻を古本屋で買って、下巻は図書館で借りた。 最初はしんどかったけど、生物学とか動物社会学とか考えるのを諦めたら、楽しく読めた。知らないほうが良いこともあるな、と実感。 最後まで一気に読んで、納得の読後…

ジャイロスコープ

短編集。仕掛けが難しかったり、結末が難しかったり、案外しんどかった。 一本の新幹線に人生を詰め込んだ「彗星さんたち」が良かった。非現実的な仕掛けでも、語られる物語とマッチしていると、気持ち良い。 あ、あと、サンタクロース団体の「一人では無理…

アヒルと鴨のコインロッカー

一日で一冊を読み切った。何年ぶりだろう、こんな風に気力と体力と時間がすべて揃うのは。 叙述トリックは嫌いなのだけど、あまりにあからさまだったので、「騙された感」が薄くて、素直に読むことができた。 外国の諺を思い出していた。『悪魔は絵で見るよ…

ウイルスは生きている

図書館で借りても、貸出期間の2週間では読みきれない、というのが続いていたのだけど、今回は読めた。嬉しい。 試験管内自己複製系により生命の起源を探求してきた、この分野の第一人者とも言えるジェラルド・ジョイスは、かつて生命の定義について "Life i…

「動かない」と人は病む

生きるためには社会参加が必要。確かに。わかりやすく、節度があり、とても良い本。「動かない」と人は病む――生活不活発病とは何か (講談社現代新書)作者: 大川弥生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/05/17メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見…

水曜日のアニメが待ち遠しい

悪者にも人生がある、シリアスとユーモアの共存、フランスで日本アニメが受け入れられる過程の偶然、など、作者の考えに賛成。ちょっと裏付けが弱い気がするけど。サブタイトルに「解き明かす」とあったので変な先入観があったかも。もう少し「エッセイ寄り…

変身

何となく敬遠してしまってた東野圭吾を、妻が図書館で借りてきていたので「これはチャンスかも」と読んだ。読むと面白いんですよね。でも自分で選ぶときには、つい敬遠しちゃうんですよね。なんでだろ。変身 (講談社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講…

海洋生物学 地球を取りまく豊かな海と生態系

これは良い教科書。実例の拾いかたが上手いのかな。このシリーズ(サイエンス・パレット)はハズレが少ない印象。海洋生物学 (サイエンス・パレット)作者: Philip V.Mladenov,窪川かおる出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2015/03/26メディア: 単行本(ソフ…

希土類少女

途中から「これは中年オヤジ向けのラノベでは?」と疑いながら読んでいたのだけど、最後まで読んでみて、うん、これは中年オヤジ向けのラノベだ。間違いない。それはそれで楽しく読ませていただきました。希土類少女 (講談社文庫)作者: 青柳碧人出版社/メー…

超ディープな深海生物学

だいたい自分で「超ディープ」とか言ってるのがディープだった試しはないのだけど、でもとても良い本だった。たとえば、こういう視点(引用)を堂々と書くのは素敵だ。批判もあると思うのだけど。ウミユリは本来、棲息できないはずの泥底や砂底でも、私たち…

形態学 形づくりにみる動物進化のシナリオ

進化論の本は大抵なんでも楽しく読んでしまうのだけど、この本は別格に面白かった。振り返れば、比較形態学や比較発生学の歴史は、動物の解剖学的成り立ちや、それが進化する規則性を抽出することを通じて間接的に、胚の進化発生的モジュール構成を感知する…

ぐるぐる猿と歌う鳥

久しぶりに小説を読んだ。小説を読む気力がある、というのは幸せだ。ミステリーの部分にかなり無理があるけど、こういう「物語」は好きだ。そう思って振り返ると、加納朋子の「物語」は大抵好きだな。ぐるぐる猿と歌う鳥 (講談社文庫)作者: 加納朋子出版社/…

生命のからくり

分子構造などの物理的化学的な説明を踏まえた上で、生命の本質は「情報」だと書かれていて、そのギャップが楽しかった。物理的化学的な内容と、それをそぎ落とした「情報」の、両方を扱った本は少ないので。生命のからくり (講談社現代新書)作者: 中屋敷均出…

知られざる日本の恐竜文化

途中、オタク論あたりで、読む本を間違えたかと思ったけど、ここを乗り越えたら後は普通に読めた。クセがある文章で、斜め視点だけど、良い本。化石が枯渇する、という視点は気付いてなかった。確かに。もっとも、その前に、物理的に恐竜研究の歴史には一つ…

恐竜 化石記録が示す事実と謎

とても良い本。翼竜や魚竜、首長竜なんかについても、こういう本があると良いのに。恐竜 化石記録が示す事実と謎 (サイエンス・パレット)作者: 冨田幸光,大橋智之出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2014/06/25メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見…

悲劇の発動機「誉」―天才設計者中川良一の苦闘

全体を通じての主張が何なのか読み取れなかった。何かの「伝説」を批判してみたかっただけで、対象は航空エンジンでなくてもよかったのでは、という気がしてならない。……とか言いつつ、「伝説を批判する本」として普通に面白くて、一気に読んじゃったのだけ…

銀河ヒッチハイクガイド

たしか高校のころに一度読んだはずだけど、答えが 42 であること以外は全く覚えていないことに気付いて、図書館で借りて再読。猿とハムレットとか、当時は知らずに素通りしてたな、多分今でも知らずに素通りしてるところがたくさんあるんだろうな、とニヤニ…

大人のための「恐竜学」

恐竜、というだけで何でもそれなりに楽しめてしまう。恐ろしいジャンルだ。>>なお、恐竜の性に関しては謎も多く、例えば竜脚類のような大型種がどのような姿勢で交尾をしていたのかはまったくわかっていません。(p.115)<<「まったく」というところが、良い…

分類思考の世界

「進化」とか「認知」とか「分類」とか、興味のある分野が目白押しで、楽しかった。扱う生物種が今後も増え続けるなら、最終的には、計算機にお願いすることになるのだろう。コンピューターさんが「ヒトの脳ミソの能力なら、過去の経緯も踏まえて、この分類…

系統樹思考の世界

系統樹というのが、何らかの形で歴史を扱うものであって、だから原理的に推論を含まざるをえないものだ、ということが丁寧に書かれていた。良い本。系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに (講談社現代新書)作者: 三中信宏出版社/メーカー: 講談社発売日: …

祖国とは国語

最後の満州の文章が、嫌で嫌で仕方なかった。この人は、自分の故郷を美しいと言うためなら、自分以外の人々が住む土地を平気で醜いと書いてしまうのだ。以下のくだりは、いいこと書いてると思ったが、全体的には弱者に配慮のない嫌な本だった。 その人の教養…

巨大ウイルスと第4のドメイン

こういう野心的な部分のある科学の本が好きなのだ、と実感した。疲れているのに読み切ってしまった。でもこの本で一番印象に残ったのは、この文章。さらりと流すなんて、ずるい。 ミミウイルスの仲間として新たに見つかった「ママウイルス」(Mamavirus)と…

コレモ日本語アルカ?

日本語側と中国語側の両方から丁寧に分析されている。日本語側は、宮沢賢治、夢野久作にはじまり、後半には、サイボーグ 009、ゼンジー北京、らんま 1/2、銀魂、ヘタリアまで目白押しで楽しく読めた。中国語側は(中国語の知識がないので)読むのがしんどか…

ねずみに支配された島

科学を忘れず物語(ノンフィクション)を語る、とても良い本。ただ「人間こそが最悪の外来種だ」とは書いてなかった。そこまでは書いてなかった。意図して書かなかったんだろうな。ここまで書ける人が気付かないはずないもんな。ねずみに支配された島作者: …

冷えと肩こり 身体感覚の考古学

後半に向かうにつれ、少しずつ「文化論」になっちゃって、ちょっとしんどかった。第1章の「冷え性の発見」は、とても楽しかった。冷えと肩こり 身体感覚の考古学 (講談社選書メチエ)作者: 白杉悦雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/08/12メディア: 単行…

SF 的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

これは新鮮な驚きでした。父親のつまんない失敗を何の救いもなく失敗と言い放って、それでもなお未来に向かおうとするエンディングが、とても良かった。SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: チャールズ・ユウ,朝倉めぐみ…

短歌ください

この作者のエッセイが、たしかとてつもなく面白かったという記憶があり、深く考えずに借りた。エッセイ同様、短歌紹介の文がとても良い。短歌は、「分かる」ことが、「私ならその気持ち理解できますよ」ということが、楽しくなる文化だと思った。短歌くださ…

中高生のための「かたづけ」の本

片付けの「トレーニング」の本だと思って借りたのですが、もちろんトレーニングについてもしっかり書かれていたのですが、それ以上に人生の本だった。大人も読める。いつかもう一度読みたい。中高生のための「かたづけ」の本 (岩波ジュニア新書)作者: 杉田明…

緑色のうさぎの話

前に読んだことのある作者の「絵本」があったので借りてみた。緑色のうさぎの話作者: 道尾秀介,半崎信朗出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2014/06/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る

鉄道そもそも話

たぶん読む側の基礎知識不足のため、ちょっとしんどい内容だった。背伸びしすぎた。鉄道そもそも話―これだけは知っておきたい鉄道の基礎知識 (交通新聞社新書)作者: 福原俊一出版社/メーカー: 交通新聞社発売日: 2014/06メディア: 新書この商品を含むブログ…

平面いぬ。

「BLUE」が良かった。ありきたりな展開で、ハッピーエンディングでもなくて、馬鹿正直だけど結局報われなくて、だから何の教訓もないのけど、そんな物語が読みたい気分だったのだと思う。平面いぬ。 (集英社文庫)作者: 乙一出版社/メーカー: 集英社発売日: 2…

にゃんそろじー

ぱらぱらめくってみたら「モノレール猫」が載ってたので、それだけの理由で借りてみた。個別には保坂和志の句点のない文章が良いな、と思った。全体的には「やっぱり猫好きの人は変なこと考えるよなあ(賞賛)」と思った。にゃんそろじー (新潮文庫)作者: 中…

哺乳類のかたち

「ハヤブサがインコの仲間になった」というニュースを聞いて、生物の分類法について知りたくなっていたところに、ちょうど図書館の新入荷コーナーで見かけた本。素直に出会いを信じて借りた。専門的な知識にも触れつつ、脇道や脱線も忘れない、心地よい文章…

動物園の文化史

定説や客観的な資料が少ない分野なのではないかと勝手に想像しているのですが、この本はその辺りを上手い具合に表現しているな、と思った。本筋と全く関係ないのですが、以下の文章を読んで「この作者について行こう」と思った。「しかし」というところが、…

「ストーカー」は何を考えているか

どちらかと言うとストーカー(加害者)側の視点の本で、その一点だけでも面白いと思う。文章も、この手の新書にしては、誠実で丁寧だと感じた。「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)作者: 小早川明子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/17メデ…

キリンの斑論争と寺田寅彦

1933 年の「キリンの斑論争」自体もとても面白いし、それを貫く寺田寅彦の姿勢も素晴らしいし、それが現代(1997 年)でも十分に魅力的な研究対象であるのも興味深いのだけど。個人的には、あのチューリングが動物の斑模様に関する一般的なモデルを提案して…

負けるのは美しく

その人のイメージから少し違った側面を感じられるのがエッセイの醍醐味だと思うのだけど。その意味ではとても良いエッセイだと思うのですが。児玉清って「知的で分別のある大人」というイメージがあったので、少し違った一面(つまり知的でなかったり分別が…

名前探しの放課後 上下

大量の文を一気に読んでしまった。前に読んだ「凍りのクジラ」と同じようにどこかしらエリート臭い気がするのだけど、慣れた。「もう慣れてしまえ」と思うくらい面白い。名前探しの放課後(上) (講談社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 201…

こっちへお入り

なんだが分からないけど、ところどころで泣いてしまう。こういう直球(だけどコースは際どい)物語に弱い。やっぱりまだ疲れてるのかなあ。落語を聞きたくなった、を通り過ぎて、もう聞いてしまったような気になってしまって、これはどうしたものかと思って…

科学と宗教

予想より面白かった。アメリカの教育現場で進化論が問題になっていた件(ID論争)、理解できた。最後で述べられた以下の部分が心に残る。 過去においては、偉大な宗教的預言者が、悪しき道を正すよう、神の怒りと宇宙的破局に目を向けるよう、我々に警告を…

テンとマルの話 句読点の落とし物/日本語の落とし物

新聞を引き合いに出してるにもかかわらず、組版したときの紙面効率(どこまで文字を詰め込めるか)について、ほぼ無視しているのは、ちょっと残念。日本語の句読点や鉤括弧は二分(一文字の半分)の面積を消費する。これらがいくつも連続してしまうのは、新…

盗賊会社

星新一を読むのは中学生以来かも。読み終えた最後のページに昭和四十三年刊行とあった。おいらまだ産まれてないや。盗賊会社 (新潮文庫)作者: 星新一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1985/08/27メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (…

完全・犯罪

完全・犯罪作者: 小林泰三出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/09/29メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (14件) を見る「なんですか、この本気の星新一は?」というのが読後の最初の感想。「完全・犯罪」の軽やかなオチと、…

実践 日本人の英語

実践 日本人の英語 (岩波新書)作者: マーク・ピーターセン出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/04/20メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見るどういう使い分けをするために、それぞれの英語文法が存在するのか(あるいは存在しないから書き分け…

働くアリに幸せを

働くアリに幸せを 存続と滅びの組織論作者: 長谷川英祐出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/09/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る個人神の時代(p.109)は、法律論か宗教論かで似た話を読んだ気がする。神様の出現は社会の進化…

日本のタンポポとセイヨウタンポポ (復刻どうぶつ社)

日本のタンポポとセイヨウタンポポ (復刻どうぶつ社)作者: 小川潔出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2013/11/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る退屈だったけど「退屈でも読みたい」と思える本だった。現実の物事は複雑で、複雑…

普通に働け

普通に働け (イースト新書)作者: 常見陽平出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2013/10/10メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見るこういう本を読みたいと思っていたのと内容が一致していて、逆に完全一致はあり得ないのでこれはどこか嘘があ…

ぼくは「しんかい6500」のパイロット

ぼくは「しんかい6500」のパイロット (私の大学テキスト版)作者: 吉梅剛出版社/メーカー: こぶし書房発売日: 2013/07/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る研究や科学の視点ではなく、技術や現場の視点から書かれていて、迫力と説得力があっ…

仲間とかかわる心の進化

仲間とかかわる心の進化――チンパンジーの社会的知性 (岩波科学ライブラリー)作者: 平田聡出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/10/05メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るチンパンジーとヒトとをうまく対比していて読みやすかった…

社会脳とは何か

社会脳とは何か (新潮新書)作者: 千住淳出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/08/10メディア: 新書この商品を含むブログを見る素直に面白かった。そうか、「能力」以外に、それが「自発的」であること(無意識に発動されること)も重要になってくるのか。以…