図書館の本

蚊がいる

いつでも羊の皮をかぶってる人だと思ってたのだけど、このエッセイでもかぶってはいるのだけど、ちらちらと中身が(羊じゃない生き物が)垣間見えるので、ちょっと怖かった。 蚊がいる (角川文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/02/2…

にょっ記

先に「にょにょっ記」を読んでしまったので、慌てて「にょっ記」を読む。 表紙の数字フォントは装丁の名久井直子さんの仕事だと、解説の「偽ょっ記」で知る。素敵な仕事。 にょっ記 (文春文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2009/03/10 …

タツノオトシゴ図鑑

タツノオトシゴのことを知らないな、と実感した一冊。タツノオトシゴのことを前より少し好きになった。 以下、タツノオトシゴを好きになるエピソードの引用。 ベトナムのある漁師は、タツノオトシゴの保全に関する議論の際、「みずから漁具につかまるような…

にょにょっ記

この著者のエッセイ(エッセイ?)は安心感がある。良い塩梅の感性。1冊目の「にょっ記」は未読。 にょにょっ記 (文春文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/01/04 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (12…

本で床は抜けるのか

予想通りの内容で納得しつつも退屈しかけた後半で、突然著者の人生の話(離婚)になるどんでん返し。 文庫版あとがきで後日談があり、ちょっと嬉しい。あと、角幡唯介の解説が良い。 解説から引用。 本というのは原則的に貯まっていくとこに決まっている。そ…

絶滅危惧種ビジネス

科学の本ではなくて、ジャーナリズムの本だと分かっていても、この手の本は面白く感じてしまう。一気に読んじゃいました。 絶滅危惧種ビジネス:量産される高級観賞魚「アロワナ」の闇 作者: エミリー・ボイト,矢沢聖子 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2018…

どんどん橋、落ちた

表紙を見た第一印象は「いやそれロンドン橋じゃなくてタワーブリッジだから」だったけど、読んでみたら全然なんにも関係なかった(褒め言葉)。 読んでみて「この叙述トリックは良い叙述トリック」と思った。 どんどん橋、落ちた〈新装改訂版〉 (講談社文庫)…

見る 眼の誕生はわたしたちをどう変えたか

自分の興味に完全に合致した内容で、読解に必要な知識も今の自分にマッチしている、という奇跡の一冊。感動的な読書体験でした。 以下、覚え書き引用。 とりあえず、色には秩序があり、一貫性のあるやり方でものの色のグループ分けができるし、そのグループ…

新版 クジラの生態

このところ類人猿(ヒトを含む)の本が多かったので、クジラの本を借りてみた。表紙のロゴにつられて軽い気持ちで手に取ったが、中身は組版も内容も「専門書」だった。たまの専門書も悪くない(疲れるけど) 陸上動物の場合、属や科といった種以上の進化や分…

絶滅の人類史

新書の科学本にありがちな「作者が主張するやや癖のある学説」がなくて安心して読めた。 科学的な内容とは別に、作者が言いたいことは、それはそれで分かる気がする。人類が他の種を絶滅させたり、あるいは将来人類が絶滅したりするのは、科学が見出した真理…

ヒト ―異端のサルの 1 億年

‪以前読んだ「親指はなぜ太いのか」と同じ作者。相変わらず大胆な(詰めの甘い感じのする)内容だけど、そういうもんだと割り切ってしまうと楽しく読めた。‬ 以下いろいろ引用。 ゴリラには O 型の血液型はない。O 型はチンパンジーにもオランウータンにも人…

イルカ 生態、六感、人との関わり

全体的に、科学書というよりは一般向けの読み易い内容なのに、ところどころでコアな知見がさらりと書かれていて、あざとい(褒め言葉)本でした。 イルカの耳は眼の後方にある小さな穴のようなものである。しかしこの耳は外耳道に耳垢が詰まっているので、こ…

極卵

‪ ‪仕掛けやオチが良く出来てて面白かった(けど物語全体のメッセージがうまく理解できなかったというのは内緒だ)。‬ (図書館で借りたのはハードカバーだったけど Amazon だと文庫しかないのかな) 極卵 (小学館文庫) 作者: 仙川環 出版社/メーカー: 小学…

動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか

‪‪人間用のテストを動物に適用できるわけない、という話。言われてみればその通りなのだけど、今まで特に意識したことがなかった。 科学の本(ちゃんとした科学の本)は本当に楽しい。良書。‬ 人間は他者の言い分に注意を向け、ボディランゲージは無視してし…

新世界より

娘の下宿に上巻があったので読み始めて、中巻を古本屋で買って、下巻は図書館で借りた。 最初はしんどかったけど、生物学とか動物社会学とか考えるのを諦めたら、楽しく読めた。知らないほうが良いこともあるな、と実感。 最後まで一気に読んで、納得の読後…

ジャイロスコープ

短編集。仕掛けが難しかったり、結末が難しかったり、案外しんどかった。 一本の新幹線に人生を詰め込んだ「彗星さんたち」が良かった。非現実的な仕掛けでも、語られる物語とマッチしていると、気持ち良い。 あ、あと、サンタクロース団体の「一人では無理…

アヒルと鴨のコインロッカー

一日で一冊を読み切った。何年ぶりだろう、こんな風に気力と体力と時間がすべて揃うのは。 叙述トリックは嫌いなのだけど、あまりにあからさまだったので、「騙された感」が薄くて、素直に読むことができた。 外国の諺を思い出していた。『悪魔は絵で見るよ…

ウイルスは生きている

図書館で借りても、貸出期間の2週間では読みきれない、というのが続いていたのだけど、今回は読めた。嬉しい。 試験管内自己複製系により生命の起源を探求してきた、この分野の第一人者とも言えるジェラルド・ジョイスは、かつて生命の定義について "Life i…

「動かない」と人は病む

生きるためには社会参加が必要。確かに。わかりやすく、節度があり、とても良い本。「動かない」と人は病む――生活不活発病とは何か (講談社現代新書)作者: 大川弥生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/05/17メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見…

水曜日のアニメが待ち遠しい

悪者にも人生がある、シリアスとユーモアの共存、フランスで日本アニメが受け入れられる過程の偶然、など、作者の考えに賛成。ちょっと裏付けが弱い気がするけど。サブタイトルに「解き明かす」とあったので変な先入観があったかも。もう少し「エッセイ寄り…

変身

何となく敬遠してしまってた東野圭吾を、妻が図書館で借りてきていたので「これはチャンスかも」と読んだ。読むと面白いんですよね。でも自分で選ぶときには、つい敬遠しちゃうんですよね。なんでだろ。変身 (講談社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講…

海洋生物学 地球を取りまく豊かな海と生態系

これは良い教科書。実例の拾いかたが上手いのかな。このシリーズ(サイエンス・パレット)はハズレが少ない印象。海洋生物学 (サイエンス・パレット)作者: Philip V.Mladenov,窪川かおる出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2015/03/26メディア: 単行本(ソフ…

希土類少女

途中から「これは中年オヤジ向けのラノベでは?」と疑いながら読んでいたのだけど、最後まで読んでみて、うん、これは中年オヤジ向けのラノベだ。間違いない。それはそれで楽しく読ませていただきました。希土類少女 (講談社文庫)作者: 青柳碧人出版社/メー…

超ディープな深海生物学

だいたい自分で「超ディープ」とか言ってるのがディープだった試しはないのだけど、でもとても良い本だった。たとえば、こういう視点(引用)を堂々と書くのは素敵だ。批判もあると思うのだけど。ウミユリは本来、棲息できないはずの泥底や砂底でも、私たち…

形態学 形づくりにみる動物進化のシナリオ

進化論の本は大抵なんでも楽しく読んでしまうのだけど、この本は別格に面白かった。振り返れば、比較形態学や比較発生学の歴史は、動物の解剖学的成り立ちや、それが進化する規則性を抽出することを通じて間接的に、胚の進化発生的モジュール構成を感知する…

ぐるぐる猿と歌う鳥

久しぶりに小説を読んだ。小説を読む気力がある、というのは幸せだ。ミステリーの部分にかなり無理があるけど、こういう「物語」は好きだ。そう思って振り返ると、加納朋子の「物語」は大抵好きだな。ぐるぐる猿と歌う鳥 (講談社文庫)作者: 加納朋子出版社/…

生命のからくり

分子構造などの物理的化学的な説明を踏まえた上で、生命の本質は「情報」だと書かれていて、そのギャップが楽しかった。物理的化学的な内容と、それをそぎ落とした「情報」の、両方を扱った本は少ないので。生命のからくり (講談社現代新書)作者: 中屋敷均出…

知られざる日本の恐竜文化

途中、オタク論あたりで、読む本を間違えたかと思ったけど、ここを乗り越えたら後は普通に読めた。クセがある文章で、斜め視点だけど、良い本。化石が枯渇する、という視点は気付いてなかった。確かに。もっとも、その前に、物理的に恐竜研究の歴史には一つ…

恐竜 化石記録が示す事実と謎

とても良い本。翼竜や魚竜、首長竜なんかについても、こういう本があると良いのに。恐竜 化石記録が示す事実と謎 (サイエンス・パレット)作者: 冨田幸光,大橋智之出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2014/06/25メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見…

悲劇の発動機「誉」―天才設計者中川良一の苦闘

全体を通じての主張が何なのか読み取れなかった。何かの「伝説」を批判してみたかっただけで、対象は航空エンジンでなくてもよかったのでは、という気がしてならない。……とか言いつつ、「伝説を批判する本」として普通に面白くて、一気に読んじゃったのだけ…