人間をお休みしてヤギになってみた結果

思ったよりちゃんと科学の本で、科学的知識を踏まえた上で(踏まえたにもかかわらず)最終的に勢いと気力体力で乗り越えていくところが素敵。 引用。許可を得るよりは謝ったほうがいい。覚えとこう。 それともいつも無茶ばかりしている映画監督ヴェルナー・…

人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

進化論と精神医学に、少し社会学もあるだろう、と思って読んだら哲学だった。これからの人生は、自分の家畜化具合を意識しながら生きてみようと思う。 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書) 作者:熊代 亨 早川書房 Amazon

三体

「思ってたのと違う」というのを三回くらいやり過ごして読了。期待してたのとは別方向に面白かった。強力な SF 物語。 登場人物表(カバーの「そで」にあるのと同じ内容)が付いていた。栞にもなる。こういうちょっとした工夫が嬉しい。 三体 (ハヤカワ文庫S…

オッペンハイマー 上・中・下

【上】人間関係の物量作戦。歴史って難しい。 【中】こういう感想は不謹慎なのかもしれないけど、「狂おしいほどの孤独」。国家レベルの巨大プロジェクトでここまで孤独になれるものなのか。 【下】上巻・中巻も読み応えはあったのですが、下巻が凄まじかっ…

一周回って、それが実は平和だったのだと思わされてしまって、困惑しています。すっかり老衰してしまった頃合いにもう一度読み直したい。 猫 (創元推理文庫) 作者:ジョルジュ シムノン 東京創元社 Amazon

生き物の「居場所」はどう決まるか

繁殖干渉(種間交尾)、スリリングで面白かった。進化論は今も動き続けているのだなあ、と実感。良いタイミングで良い本と出会えました。本の神様と、著者出版社関係者のみなさまに感謝。 生き物の「居場所」はどう決まるか 攻める、逃げる、生き残るためのす…

架空の犬と嘘をつく猫

たくさんの問題と少しだけの解決が繰り返されて、それなりに落ち着いてしまう、不思議な肌触りの物語。もう少し長い間ひたっていたかったなあ、という気がする。 架空の犬と嘘をつく猫 (中公文庫) 作者:寺地 はるな 中央公論新社 Amazon

発達「障害」でなくなる日

結論を急がず、読者に判断を放り投げてくるタイプの文章たち。若い頃は朝日新聞の結論を避ける記事が苦手だったなあ(遠い目)。全体を通じて慎重に書かれた誠実な本。 発達「障害」でなくなる日 (朝日新書) 作者:朝日新聞取材班 朝日新聞出版 Amazon

親愛なる八本脚の友だち

アメリカの文化を知らないので色々な機微を読み取り損ねた気がするけど、それでも楽しめた。老い、わがまま、チープ、繊細、貧しさ、慎ましさ、恋、現実、奇跡、などなど、詰め合わせ。たぶん SF 成分も。 親愛なる八本脚の友だち (扶桑社BOOKSミステリ…

自己正当化という病

読みたかったことが書いてあった。著者が推測で書いてる部分が多くて(ちゃんと推測と分かるように書かれている)少し疲れた。推測を前提に話を進められると、本当に信用していいのか不安になるので。 自己正当化という病 (祥伝社新書) 作者:片田珠美 祥伝社…

ザリガニの鳴くところ

息が詰まりそうになりながら、少しずつ読んだ。自然。弱さ。人間社会。生き延びること。孤独。救われたり、救われなかったり。 あと、「どんぶらこ」とあるが、『大きな桃』が流れてきたわけではない件。引用。 そこで見つけた小さなお舟桃色灰色の帆がいい…

夢みる宝石

ファンタジー寄りの SF だと思って読み始めたらホラーだった。怖かった(褒め言葉)。 夢みる宝石 (ちくま文庫 す-31-1) 作者:シオドア・スタージョン 筑摩書房 Amazon

世界史の中のパレスチナ問題

世界史を全く勉強しないまま大人になっていたので、何から読むのか迷っていたけど、たぶん良い本を手に取ったと思う。 改めて「無知なままでいるのは不安なことだ」と痛感。まずは知ることから、それを行動につなげていけるように、と思う。 世界史の中のパ…

はじめてのフェミニズム

フェミニズムが解決しようとする課題はどれも難解で多様で相互依存的なのだ、という理解を得た。様々な立場を俯瞰的に語ってくれているので安心して読めた。 はじめてのフェミニズム (ちくまプリマー新書) 作者:デボラ・キャメロン,向井和美 筑摩書房 Amazon

旅猫リポート

予想はしていたけどそれ以上に真っ直ぐな物語で、素直に泣きながら読んだ。 旅猫リポート (講談社文庫) 作者:有川 浩 講談社 Amazon

発達障害に生まれて

絶望を書いたうえで、その絶望よりも少し多めの希望が見えるように、丁寧に配分された文章。現実はもっと難しいのだろうけど。いつか読み直す日があるような気がする。 発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年 (中公文庫) 作者:松永正訓 中央公論新社 Amaz…

猫怪々

オカルト猫エッセイ。科学からはみ出す不安を「猫の良さ」が押しのけていく日々。 猫怪々 (集英社文庫) 作者:加門七海 集英社 Amazon

さんかく

「みんなずるい」という苦い感情が、するりと心に入ってくる不思議な物語。読めて良かった。 さんかく(祥伝社文庫ち3-1) (祥伝社文庫 ち 3-1) 作者:千早茜 祥伝社 Amazon

笑わない数学者

トリックが大味だったけど、伏線が捗ったので、よし。 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE S&Mシリーズ (講談社文庫) 作者:森博嗣 講談社 Amazon

「道徳的に考えるとはどういうことか

小難しい文章を読みたくなって買った。ちょうど良い小難しさ(褒め言葉)で良かった。「感情が機能しないと合理的判断に支障が出る(大意)」のところで妙に納得する。そうか、感情は判断を助けてくれるのか。 道徳的に考えるとはどういうことか (ちくま新書…

図書館の子

図書館の描写で泣きそうになった。図書館が好きだ。 図書館の子 (光文社文庫) 作者:佐々木 譲 光文社 Amazon

ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか

「戦争」を基準にすると世界が違って見えることに驚く。違って見えた世界は好きになれないけど、戦争を避けるためには、ここで考えなくてはならないのだろうな。 ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか デジタル時代の総力戦 (文春新書) 作者:高橋 杉雄・編著 …

医学のたまご

「ひよこ」「つばさ」は平積みされてるのに、一作目の「たまご」がない。行く先々で本屋に寄って、やっと見つけた。ほのかに苦味の残る感じが良かった。満足。 医学のたまご【電子特典付き・角川文庫版】 中学生医学生シリーズ 作者:海堂 尊 KADOKAWA Amazon

オーラリメイカー〔完全版〕

《系外進出》シリーズ。異種族、人工知能、惑星軌道、進化、政治、文明、宗教、身体改変、などなど全部を科学でまとめ上げた物語たち。「最近好きな作家が見つからないなあ」と思ってたけど、春暮康一は好きな作家だ。 ‪印刷の表現「版に組まれ」が格好良か…

冷たい密室と博士たち

一作目が力技だったので油断してたが、今回は真っ当なトリック。満足。伏線の進展が少ない。伏線がんばれ。 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM S&Mシリーズ (講談社文庫) 作者:森博嗣 講談社 Amazon

大規模言語モデルは新たな知能か

偏りなく、書くべきことを書いてある。章立ての順も分かりやすく、自然な流れ。抑制の効いた文章で、読み易い。良い本に出会えた。満足。 大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界 (岩波科学ライブラリー) 作者:岡野原 大輔 岩波書店 Ama…

ダンゴムシに心はあるのか

情報システムと親和性のある考えかたで、読んでて楽しかった。シンプルな仕組みで複雑な行動を実現する「生物」の素晴らしさ。 ヤマケイ文庫 ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学 作者:森山 徹 山と渓谷社 Amazon

HHhH プラハ、1942 年

歴史は「からっきし」なので、Google 先生に教えてもらいながら読む(便利な時代)。情熱に裏打ちされた乾いた文章が心地よい。いつか読み直したら別の感情が出てくるんだと思う。 HHhH プラハ、1942年 (創元文芸文庫) 作者:ローラン・ビネ 東京創元…

すべてが F になる

グイグイ読んでる最中「おお、その手があったか(スッキリ)」 読み終えてクールダウン「いかな天才でもワンオペ育児は無理では(モヤモヤ)」 本編トリックはともかく、伏線が気になって仕方ない。シリーズ 10 作、読み切るしかないのか。 すべてがFになる…

ステップファーザー・ステップ

え?、伏線拾わへんの?(検索する)続編あるのに単行本にならへんの?? ステップファザー・ステップ 新装版 (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon