四色問題

最終 11 章で突然、コンピュータを用いた証明を認めるかどうか(大量の組み合わせを扱うため人間の目で全パターンを確認するのが事実上不可能なタイプの証明を認めるかどうか)というメタ議論になり、一気に楽しくなった。くじけず最後まで読んで良かった。 …

リアルサイズ古生物図鑑 古生代編

大きさが分かった(そのまま過ぎるけど、本当にそう)。あと、ネクトカリスがいつのまにかイカになっていて驚いた。 古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 古生代編 作者: 土屋健,群馬県立自然史博物館 出版社/メーカー: 技術評論社 発売日: …

書物を焼くの記

分量的にはほとんどが戦争・政治の話で、書物の話は少しだけだったけど、それでもやはり印象に残った。それはたぶん私の経験のせいで、本は持ってるけど、戦争は知らないからだと思う。 本は積んで、しまっておき、必要なときに使ったり読んだりするものであ…

バベル島

前に読んだときは若竹七海が誰なのか知らなかったので、改めて。なるほど若竹七海らしい匙加減の短編集。 バベル島 (光文社文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2014/03/28 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る

五十円玉二十枚の謎

お題が難しすぎる「雑文祭」だな、と思って読んで、後で調べたら第一回雑文祭よりもこの本の方が先でした。失礼な感想でした。「消失騒動」黒崎緑 が雑文っぽくて良かった(雑文祭の先入観が強い)。 競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫) 作者: 若竹七海,…

錆びた滑車

葉村晶シリーズ。読み終えて気付いたけど今回はホラー成分はほとんどなかった。そのせいか、いつもより生活感のある「不幸」が多く、個人的には満足。 錆びた滑車 (文春文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/08/03 メディア: 文庫 …

暗い越流

葉村晶シリーズ 2 作を含む短編集。相変わらず不幸の加減が素晴らしい。不幸なんだけど、中島みゆきの歌みたいに、どこかで不幸を受け入れてしまう、そんな読後感。 暗い越流 (光文社文庫)作者: 若竹七海出版社/メーカー: 光文社発売日: 2016/10/12メディア:…

大学 4 年間の経済学が 10 時間でざっと学べる

経済学について無知なので素直に入門書を読む。 「経済学とは、経験則を比較的シンプルな数式で表現して経済をシミュレーションする学問」と理解してみる。情報科学で言うヒューリスティックの集合体。 これはしんどい学問だな、と思う。 大学4年間の経済学…

もしもし、運命の人ですか。

穂村弘にしては緩めのエッセイだな、と油断して読み始めたのだけど、最後まで読んで、これは周到に計算され尽くされた恋愛小説だと気付いた。 もしもし、運命の人ですか。 (角川文庫)作者: 穂村弘出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2017/01/25メディア: 文…

ことばと遊び、言葉を学ぶ

柳瀬尚紀という人について「フィネガンズ・ウェイクを翻訳したすごい人」としか知らなかったのだけど、たしかにすごい人だと確信した。でも、あまりに素晴らしすぎて、翻訳の一行ごとに1ページくらいの解説がないと、私には理解できないと思う(つまり、フ…

ダチョウは軽車両に該当します

何を読んでいいか分からなくなると、つい軽めのミステリーを選んでしまうのだけど、選んだつもりだったのだけど、これが壮大なスケールの犯罪で、驚く。服部くん(変態)が魅力的。面白かった。 ダチョウは軽車両に該当します (文春文庫) 作者: 似鳥鶏 出版…

植物はなぜ動かないのか

中高生向けの本だと、買った後で気付いたのだけど、ちゃんとした「科学の本」で、とても良い読後感でした。満足。 植物はなぜ動かないのか: 弱くて強い植物のはなし (ちくまプリマー新書) 作者: 稲垣栄洋 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/04/05 メデ…

植物は〈知性〉をもっている

「科学の本ではないな」という予感はあったけど、著者の一人目が学者さんだったので、もしかしたら大丈夫かも、と思って借りてみた。科学の本ではなかった。 植物の本を読みたかったので、後悔はしてない。 植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生…

植物の生存戦略

①植物の本はほとんど読んだことがなかったので新鮮だった。②遺伝子研究の手順(地道な作業の繰り返し)が少し分かった。分かったような気がする。 植物の生存戦略―「じっとしているという知恵」に学ぶ (朝日選書 821) 作者: 「植物の軸と情報」特定領域研究…

「お絵かき」の想像力

先天的なものと後天的なものを区別しないのが気になる。でも、そこに触れると別の本になってしまうので、意図的に無視したのかもしれない。 「頭足人(とうそくじん)」のくだりが(科学的に正しいかどうかは別にして)面白かった。 「お絵かき」の想像力: …

プラスマイナスゼロ

ブラックとコメディとミステリーが、ほどよく配合された連作短編集。楽しく読めた。 あ、あと、青春も配合されてます。 (P[わ]1-1)プラスマイナスゼロ (ポプラ文庫ピュアフル) 作者: 若竹七海,杉田比呂美 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2010/11/05 メデ…

分かちあう心の進化

語りかける口調の専門書。研究人生の集大成のよう。もしかしたら科学を前提にしたエッセイなのかも。 分かちあう心の進化 (岩波科学ライブラリー) 作者: 松沢哲郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/06/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品…

蚊がいる

いつでも羊の皮をかぶってる人だと思ってたのだけど、このエッセイでもかぶってはいるのだけど、ちらちらと中身が(羊じゃない生き物が)垣間見えるので、ちょっと怖かった。 蚊がいる (角川文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/02/2…

11 の化石 生命誕生を語る

進化や化石のを扱う本は、どこかセンセーショナルだったりロマンチックだったりしがちだけど、この本は抑制が効いていて良かった。何というか、その、教科書みたいな安心感があった(ほめ言葉です念のため)。 11の化石・生命誕生を語る[古生代] (化石が語る…

にょっ記

先に「にょにょっ記」を読んでしまったので、慌てて「にょっ記」を読む。 表紙の数字フォントは装丁の名久井直子さんの仕事だと、解説の「偽ょっ記」で知る。素敵な仕事。 にょっ記 (文春文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2009/03/10 …

内臓脂肪を最速で落とす

産業医さんの講義みたいな内容だな、と思ったら、著者は医学博士かつ産業医さんだった。 読者に何をして欲しいのか、という「ゴール」が(たとえば「読者に運動をして欲しい」というゴールが)著者の中にあって、そのゴールに向かって読者を誘導するための科…

タツノオトシゴ図鑑

タツノオトシゴのことを知らないな、と実感した一冊。タツノオトシゴのことを前より少し好きになった。 以下、タツノオトシゴを好きになるエピソードの引用。 ベトナムのある漁師は、タツノオトシゴの保全に関する議論の際、「みずから漁具につかまるような…

にょにょっ記

この著者のエッセイ(エッセイ?)は安心感がある。良い塩梅の感性。1冊目の「にょっ記」は未読。 にょにょっ記 (文春文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/01/04 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (12…

眼の誕生 カンブリア紀大進化の謎を解く

前評判とオビから想像していた内容そのまんまだったので、逆に驚く。個人的には生物の構造色のくだりが良かった。 最初のパートで書かれていた以下の内容は、漠然と感じてはいたけど、きちんと理解してないことだった。文章として読んで、納得した。収斂進化…

本で床は抜けるのか

予想通りの内容で納得しつつも退屈しかけた後半で、突然著者の人生の話(離婚)になるどんでん返し。 文庫版あとがきで後日談があり、ちょっと嬉しい。あと、角幡唯介の解説が良い。 解説から引用。 本というのは原則的に貯まっていくとこに決まっている。そ…

絶滅危惧種ビジネス

科学の本ではなくて、ジャーナリズムの本だと分かっていても、この手の本は面白く感じてしまう。一気に読んじゃいました。 絶滅危惧種ビジネス:量産される高級観賞魚「アロワナ」の闇 作者: エミリー・ボイト,矢沢聖子 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2018…

どんどん橋、落ちた

表紙を見た第一印象は「いやそれロンドン橋じゃなくてタワーブリッジだから」だったけど、読んでみたら全然なんにも関係なかった(褒め言葉)。 読んでみて「この叙述トリックは良い叙述トリック」と思った。 どんどん橋、落ちた〈新装改訂版〉 (講談社文庫)…

見る 眼の誕生はわたしたちをどう変えたか

自分の興味に完全に合致した内容で、読解に必要な知識も今の自分にマッチしている、という奇跡の一冊。感動的な読書体験でした。 以下、覚え書き引用。 とりあえず、色には秩序があり、一貫性のあるやり方でものの色のグループ分けができるし、そのグループ…

新版 クジラの生態

このところ類人猿(ヒトを含む)の本が多かったので、クジラの本を借りてみた。表紙のロゴにつられて軽い気持ちで手に取ったが、中身は組版も内容も「専門書」だった。たまの専門書も悪くない(疲れるけど) 陸上動物の場合、属や科といった種以上の進化や分…

絶滅の人類史

新書の科学本にありがちな「作者が主張するやや癖のある学説」がなくて安心して読めた。 科学的な内容とは別に、作者が言いたいことは、それはそれで分かる気がする。人類が他の種を絶滅させたり、あるいは将来人類が絶滅したりするのは、科学が見出した真理…