本で床は抜けるのか

予想通りの内容で納得しつつも退屈しかけた後半で、突然著者の人生の話(離婚)になるどんでん返し。 文庫版あとがきで後日談があり、ちょっと嬉しい。あと、角幡唯介の解説が良い。 解説から引用。 本というのは原則的に貯まっていくとこに決まっている。そ…

絶滅危惧種ビジネス

科学の本ではなくて、ジャーナリズムの本だと分かっていても、この手の本は面白く感じてしまう。一気に読んじゃいました。 絶滅危惧種ビジネス:量産される高級観賞魚「アロワナ」の闇 作者: エミリー・ボイト,矢沢聖子 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2018…

どんどん橋、落ちた

表紙を見た第一印象は「いやそれロンドン橋じゃなくてタワーブリッジだから」だったけど、読んでみたら全然なんにも関係なかった(褒め言葉)。 読んでみて「この叙述トリックは良い叙述トリック」と思った。 どんどん橋、落ちた〈新装改訂版〉 (講談社文庫)…

見る 眼の誕生はわたしたちをどう変えたか

自分の興味に完全に合致した内容で、読解に必要な知識も今の自分にマッチしている、という奇跡の一冊。感動的な読書体験でした。 以下、覚え書き引用。 とりあえず、色には秩序があり、一貫性のあるやり方でものの色のグループ分けができるし、そのグループ…

新版 クジラの生態

このところ類人猿(ヒトを含む)の本が多かったので、クジラの本を借りてみた。表紙のロゴにつられて軽い気持ちで手に取ったが、中身は組版も内容も「専門書」だった。たまの専門書も悪くない(疲れるけど) 陸上動物の場合、属や科といった種以上の進化や分…

絶滅の人類史

新書の科学本にありがちな「作者が主張するやや癖のある学説」がなくて安心して読めた。 科学的な内容とは別に、作者が言いたいことは、それはそれで分かる気がする。人類が他の種を絶滅させたり、あるいは将来人類が絶滅したりするのは、科学が見出した真理…

烏に単は似合わない

名探偵登場!(笑) 烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫) 作者: 阿部智里 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/06/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る

男が痴漢になる理由

‪‪書評やオビの煽り文句からの先入観で、何となく痴漢の生態分析みたいな内容を想像していたのだけど、違った。とても真摯に痴漢をなくそうとする本だった。良書。‬ 犯罪化しない性依存症はほかにも(略)。不倫や浮気がやめられない人もこれにあたりますが…

世界で一番美しいサルの図鑑

生き物って美しいなあ、と素朴に思う。 知識よりも写真がメインと思って借りた本だけど、いくつか知らなかった話もあり楽しかった。クモザルには親指がほとんどないこと、肛門が突き出していること、テナガザルには尾がないこと、など。 キンシコウ 中国四大…

ヒト ―異端のサルの 1 億年

‪以前読んだ「親指はなぜ太いのか」と同じ作者。相変わらず大胆な(詰めの甘い感じのする)内容だけど、そういうもんだと割り切ってしまうと楽しく読めた。‬ 以下いろいろ引用。 ゴリラには O 型の血液型はない。O 型はチンパンジーにもオランウータンにも人…

イルカ 生態、六感、人との関わり

全体的に、科学書というよりは一般向けの読み易い内容なのに、ところどころでコアな知見がさらりと書かれていて、あざとい(褒め言葉)本でした。 イルカの耳は眼の後方にある小さな穴のようなものである。しかしこの耳は外耳道に耳垢が詰まっているので、こ…

極卵

‪ ‪仕掛けやオチが良く出来てて面白かった(けど物語全体のメッセージがうまく理解できなかったというのは内緒だ)。‬ (図書館で借りたのはハードカバーだったけど Amazon だと文庫しかないのかな) 極卵 (小学館文庫) 作者: 仙川環 出版社/メーカー: 小学…

動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか

‪‪人間用のテストを動物に適用できるわけない、という話。言われてみればその通りなのだけど、今まで特に意識したことがなかった。 科学の本(ちゃんとした科学の本)は本当に楽しい。良書。‬ 人間は他者の言い分に注意を向け、ボディランゲージは無視してし…

読んでいない本について堂々と語る方法

‪たぶんこう↓‬ ‪①読んだつもりでも完璧に自分のものにはならないので、「読んだ」も「読まない」も大差ない。 ②「本について語る」というのは「自分について語る」ということだ。 ③自分を語れるなら読まなくてもいい。‬‪ 読んでいない本について堂々と語る方…

いとも優雅な意地悪の教本

なんだか良い本でした。【面倒臭い本ですが。】 本題とは別に、アマデウス(モーツアルトとかサリエリとか)にとても興味が湧いてきたりしました。 暴力というのは、実行行為だけではなく言葉の上だけであっても、単純な行為なので、「誰がやったか」はすぐ…

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

楽しい。大量の無駄な雑学、ネタ、専門知識と、ほんの少しの本音らしき何か。 むかしのウェブでどっぷり読んでた「雑文」(「雑文祭」とかやってた雑文)が、丸々一冊。これは良い本に出会った。 いくつか引用。 亜種ウグイスに罪はない。聟島でのハシナガウ…

猫が見ていた

‪‪猫、という言葉のパワーだけで買ってしまった。 北村薫「『100 万回生きたねこ』は絶望の書か」と、井上荒野「凶暴な気分」が心に残ったのは、多分いま疲れてるせいだと思う。 良いな、と感じたのは加納朋子「三べんまわってニャンと鳴く」。‬ 猫が見てい…

満願

‪‪トリックだけでなく、物語があり、良かった。久しぶりの(まる二か月ぶりの)読書で気力が続かないかと不安だったが、払拭してくれる面白さ。一気に読めた。‬ 満願 (新潮文庫) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/07/28 メディア: 文庫 …

書店ガール

小説なのに、テレビドラマみたいだった。不思議な感覚。 書店ガール (PHP文芸文庫) 作者: 碧野圭 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2012/03/16 メディア: 文庫 クリック: 9回 この商品を含むブログ (38件) を見る

‪貴族探偵対女探偵

‪ 「貴族探偵対女探偵」麻耶雄嵩 #読書‬‪トリックを成立させるためなら、どんな不自然なシチュエーションもいとわない作者さんの勇気が素晴らしい。 物語そのものが魅力的なので、このまま突き進んで欲しい。‬ 貴族探偵対女探偵 (集英社文庫) 作者: 麻耶雄嵩…

貴族探偵

一点突破の推理がお見事。テレビ版は見てません。 貴族探偵 (集英社文庫) 作者: 麻耶雄嵩 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/12/06 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る

こまり顔の看板猫! ハチの物語

周りの人たちを次々と幸せにするけど、飼主(作者)本人には特別な幸福は訪れないあたりが、なんだか悪くない。それでも飼主は猫がいると幸せ、というのがとても良い。 こまり顔の看板猫! ハチの物語 (集英社みらい文庫) 作者: にしまつひろし 出版社/メーカ…

スローハイツの神様

「このチヨダ・コーキって、ほぼ西尾維新だよなあ」などと無責任なイメージを持ちながら読んでいたのだけど、最後の最後で、解説が西尾維新だったので驚いた。 あと、何の前触れもなく松本零士の戦場まんがシリーズが出てきたのにも面食らった。 カメラの前…

中途半端な密室

「ミステリー」よりも「推理小説」という言葉が似合う短編集。やっぱり「推理小説」は良いなあ。 内容とは関係ないけど、舞台が岡山県というのは、実はとても珍しいことなのでは。 中途半端な密室 (光文社文庫) 作者: 東川篤哉 出版社/メーカー: 光文社 発売…

静かな炎天

‪‪今回もホラー成分は控えめ。降りかかる不幸を淡々と受け止める葉村さん。‬ 静かな炎天 (文春文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/09/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (2件) を見る

さよならの手口

葉村晶シリーズは二作目以降ホラーだったので、覚悟していたのだけど、今回はそうでもなかった。 葉村さんが、何とか持ちこたえようとして、でもギリギリ無理な瞬間が、心に残ります。 さすがに我慢の限界を超えた。わたしはベッドに身を起こしてわめいた。…

ヴィラ・マグノリアの殺人

登場人物が多くて(試しに数えてみたら 40 人以上いた)、かなり疲れたのだけど、全体的には楽しかった。 双子が魅力的なのは当然として、駒持警部補の「うちの母ちゃん」が、刑事コロンボの「かみさん」みたいで良かった。 登場人物が多いときは、人が増え…

ここに死体を捨てないでください!

前半は偶発要素満載なのに、後半はちゃんと推理小説として楽しめた。最後の鵜飼さんの台詞がよかった、 「山田慶子は、僕の依頼人だ。結局、僕も彼女の意思で動かされていたのさ。あの二人と同じようにね。そうは思わないか」 「…………」 そういえばそうかもね…

交換殺人には向かない夜

叙述トリックは苦手なのだけど、この本は、トリックが判明する瞬間のユーモラスな描写のせいか、素直に楽しめた。 この烏賊川市シリーズ、登場する女性たちが、何というか、ラノベ的になってきていて、これは最早ラノベでは?、本格の皮をかぶったラノベなの…

‪学ばない探偵たちの学園

‪烏賊川市シリーズだと勘違いして買ってしまったのだけど、面白かった。いいぞ探偵部もっとやれ。 ‬ 八橋さんの発言、最後の「トリックよりもロジック」に、賛成。 「しかし、密室密室いうけどやなあ」八橋さんが部長の長話にうんざりしたように口を挟んだ。…