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中途半端な密室

「ミステリー」よりも「推理小説」という言葉が似合う短編集。やっぱり「推理小説」は良いなあ。 内容とは関係ないけど、舞台が岡山県というのは、実はとても珍しいことなのでは。 中途半端な密室 (光文社文庫) 作者: 東川篤哉 出版社/メーカー: 光文社 発売…

静かな炎天

‪‪今回もホラー成分は控えめ。降りかかる不幸を淡々と受け止める葉村さん。‬ 静かな炎天 (文春文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/09/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (2件) を見る

さよならの手口

葉村晶シリーズは二作目以降ホラーだったので、覚悟していたのだけど、今回はそうでもなかった。 葉村さんが、何とか持ちこたえようとして、でもギリギリ無理な瞬間が、心に残ります。 さすがに我慢の限界を超えた。わたしはベッドに身を起こしてわめいた。…

ヴィラ・マグノリアの殺人

登場人物が多くて(試しに数えてみたら 40 人以上いた)、かなり疲れたのだけど、全体的には楽しかった。 双子が魅力的なのは当然として、駒持警部補の「うちの母ちゃん」が、刑事コロンボの「かみさん」みたいで良かった。 登場人物が多いときは、人が増え…

ここに死体を捨てないでください!

前半は偶発要素満載なのに、後半はちゃんと推理小説として楽しめた。最後の鵜飼さんの台詞がよかった、 「山田慶子は、僕の依頼人だ。結局、僕も彼女の意思で動かされていたのさ。あの二人と同じようにね。そうは思わないか」 「…………」 そういえばそうかもね…

交換殺人には向かない夜

叙述トリックは苦手なのだけど、この本は、トリックが判明する瞬間のユーモラスな描写のせいか、素直に楽しめた。 この烏賊川市シリーズ、登場する女性たちが、何というか、ラノベ的になってきていて、これは最早ラノベでは?、本格の皮をかぶったラノベなの…

‪学ばない探偵たちの学園

‪烏賊川市シリーズだと勘違いして買ってしまったのだけど、面白かった。いいぞ探偵部もっとやれ。 ‬ 八橋さんの発言、最後の「トリックよりもロジック」に、賛成。 「しかし、密室密室いうけどやなあ」八橋さんが部長の長話にうんざりしたように口を挟んだ。…

悪いうさぎ

‪‪シリーズ三冊目、もう普通にホラーでした。冷静さを保とうとして保ちきれない葉村晶が格好良い。 悪いうさぎ (文春文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2004/07 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 128回 この商品を含むブログ (54件)…

午後からはワニ日和

‪面白かった。主人公が意味もなくモテる展開は正直納得できないけど、差し引いても面白かった。‬ 午後からはワニ日和 (文春文庫) 作者: 似鳥鶏 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/03/09 メディア: 文庫 クリック: 19回 この商品を含むブログ (26件) を…

依頼人は死んだ

葉村晶シリーズ2冊目。面白い。探偵が主人公なのだけど、なんかもう完全にホラー小説の印象。 依頼人は死んだ (文春文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2003/06 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 52回 この商品を含むブログ (38件)…

プレゼント

‪葉村晶の人物描写が全体的にひどいのだけど、それでも彼女が信頼に足る人物だと思えるのが不思議。 シリーズ1作目から読んでよかった。 推理小説なんだけど、話の構成がホラー小説で、放り出される感じが少し怖かった。 プレゼント (中公文庫) 作者: 若竹…

密室に向かって撃て!

名探偵が一人で全部解決するのではなく、それぞれが少しずつ解決していくスタイルが気持ちいい。 今回は、仕事でしんどいのに本を読む気力があった。素晴らしい。疲れて寝てしまいそうになったときに「そうだ風呂に持ち込んで読めば目が冴えるのでは!」など…

猫弁と魔女裁判

結局挙式は先送りされたのにハッピーエンドだったりする。素敵なエンディングでした。 猫弁と魔女裁判 (講談社文庫) 作者: 大山淳子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/09/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る

猫弁と少女探偵

もう全くミステリーではなくて、ラブコメやら家族愛やらの伏線だらけで、ほんと読んでて楽しい。 猫弁と少女探偵 (講談社文庫) 作者: 大山淳子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/02/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る

密室の鍵貸します

語り口が軽妙で、かつ、謎解きも読者が分かりやすいように配慮されていて、気持ちよく読めた。推理小説は難解になりがちだけど、小説であるかぎりは、分かりやすさは大切だ。 密室の鍵貸します (光文社文庫) 作者: 東川篤哉 出版社/メーカー: 光文社 発売日:…

猫弁と指輪物語

‪もう物語要素やミステリー要素はどうでもよくなっていて、いろんなエピソードが積み重なっていくのが、ただただ楽しい。‬ 猫弁と指輪物語 (講談社文庫) 作者: 大山淳子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/06/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2…

猫弁と透明人間

いろいろなエピソードが前作の内容と重なって、少しずつ腑に落ちていく感じが心地よかった。こういう「小さなエピソードの積み重ねが、いつの間にか大きな物語になっていく様式」が大好きです。 猫弁と透明人間 (講談社文庫) 作者: 大山淳子 出版社/メーカー…

猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち

面白かった。地味な正義感がとても良い。 猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち (講談社文庫) 作者: 大山淳子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/03/15 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (15件) を見る

暗黒女子

‪登場人物それぞれが小説で語る、という特殊なシチュエーションを成立させちゃったのが素晴らしい。読んでて楽しかった。あと表紙の「黒」の点々部分が、とても良い。 暗黒女子 (双葉文庫) 作者: 秋吉理香子 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2016/06/16 メ…

四畳半王国見聞録

予想どおりの四畳半ワールド、楽しく読めた。 まる四か月ぶりの読書だったので、読むだけで疲れてしまうかと心配だったけど、するっと読めたのでホッとした。 四畳半王国見聞録 作者: 森見登美彦,古屋兎丸 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2011/01/28 メデ…

新世界より

娘の下宿に上巻があったので読み始めて、中巻を古本屋で買って、下巻は図書館で借りた。 最初はしんどかったけど、生物学とか動物社会学とか考えるのを諦めたら、楽しく読めた。知らないほうが良いこともあるな、と実感。 最後まで一気に読んで、納得の読後…

ジャイロスコープ

短編集。仕掛けが難しかったり、結末が難しかったり、案外しんどかった。 一本の新幹線に人生を詰め込んだ「彗星さんたち」が良かった。非現実的な仕掛けでも、語られる物語とマッチしていると、気持ち良い。 あ、あと、サンタクロース団体の「一人では無理…

何様ですか?

帯に書かれていた通り、確かに見事なドンデン返しだった。 戸塚原くんがそういう趣味を持っていれば、最高のハッピーエンディングだったのに。 何様ですか? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者: 枝松蛍 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2016/07/06…

アヒルと鴨のコインロッカー

一日で一冊を読み切った。何年ぶりだろう、こんな風に気力と体力と時間がすべて揃うのは。 叙述トリックは嫌いなのだけど、あまりにあからさまだったので、「騙された感」が薄くて、素直に読むことができた。 外国の諺を思い出していた。『悪魔は絵で見るよ…

ウイルスは生きている

図書館で借りても、貸出期間の2週間では読みきれない、というのが続いていたのだけど、今回は読めた。嬉しい。 試験管内自己複製系により生命の起源を探求してきた、この分野の第一人者とも言えるジェラルド・ジョイスは、かつて生命の定義について "Life i…

カササギたちの四季

登場人物の人間関係が、うまい具合に曖昧に表現されていて、心地よかった。 「まるで活字がスーツを着たような印象の男性」という表現に、思わず和んでしまった。他にも、ところどころに、おそらく意図的に仕込んだらしき妙な表現があって、楽しく読めた。 …

不条理な殺人 ミステリー・アンソロジー

もう半年か、もしかしたら一年くらい、読後の疲労感がひどくて、実は「本を読むのが怖い」と思ってた。 この本は短編集、しかも短めの話ばかりだったからか、読んでも疲れなかった。久々の「疲れない読書」はとても楽しかった。 しばらくはリハビリとして短…

すべての疲労は脳が原因

おおよそ予想どおりの内容だった。科学的な裏付けが書いてあったり無かったりするあたりも含めて、予想どおりだった。 すべての疲労は脳が原因 (集英社新書 829I) 作者: 梶本修身 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/04/15 メディア: 新書 この商品を含む…

「動かない」と人は病む

生きるためには社会参加が必要。確かに。わかりやすく、節度があり、とても良い本。「動かない」と人は病む――生活不活発病とは何か (講談社現代新書)作者: 大川弥生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/05/17メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見…

犬は「しつけ」でバカになる

副題に「動物行動学」、「認知科学」の単語があったので、つい期待してしまったのだけど、そういう本ではなかった。そういう期待をしなければ、かなり面白い本だと思う。こういう羊頭狗肉な本が、新書にはやや多い気がする。新書を読もうという意欲が少しず…

水曜日のアニメが待ち遠しい

悪者にも人生がある、シリアスとユーモアの共存、フランスで日本アニメが受け入れられる過程の偶然、など、作者の考えに賛成。ちょっと裏付けが弱い気がするけど。サブタイトルに「解き明かす」とあったので変な先入観があったかも。もう少し「エッセイ寄り…

変身

何となく敬遠してしまってた東野圭吾を、妻が図書館で借りてきていたので「これはチャンスかも」と読んだ。読むと面白いんですよね。でも自分で選ぶときには、つい敬遠しちゃうんですよね。なんでだろ。変身 (講談社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講…

海洋生物学 地球を取りまく豊かな海と生態系

これは良い教科書。実例の拾いかたが上手いのかな。このシリーズ(サイエンス・パレット)はハズレが少ない印象。海洋生物学 (サイエンス・パレット)作者: Philip V.Mladenov,窪川かおる出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2015/03/26メディア: 単行本(ソフ…

希土類少女

途中から「これは中年オヤジ向けのラノベでは?」と疑いながら読んでいたのだけど、最後まで読んでみて、うん、これは中年オヤジ向けのラノベだ。間違いない。それはそれで楽しく読ませていただきました。希土類少女 (講談社文庫)作者: 青柳碧人出版社/メー…

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ

辻村深月の物語は、面白いけど、疲れる。最近気力が少なくなっていて、疲れるのが嫌だったので、ちょっと避けていた。久しぶりに読んでみたら、やっぱり疲れた。疲れるけど面白い。もっと元気になりたいなあ、とぼんやり思う。私は疲れてて、早く自分に限界…

超ディープな深海生物学

だいたい自分で「超ディープ」とか言ってるのがディープだった試しはないのだけど、でもとても良い本だった。たとえば、こういう視点(引用)を堂々と書くのは素敵だ。批判もあると思うのだけど。ウミユリは本来、棲息できないはずの泥底や砂底でも、私たち…

ジョン平とぼくときみと

疲れ果てていて、本なんて読めないかも、と思ってたのだけど、読むと元気が出た。好きな小説があると元気が出るんだ、ということを思い出させてくれた。感謝。ジョン平と重は、どこか「フェア(公正)」な感じがあって、好きだ。ジョン平とぼくと4 ジョン平…

形態学 形づくりにみる動物進化のシナリオ

進化論の本は大抵なんでも楽しく読んでしまうのだけど、この本は別格に面白かった。振り返れば、比較形態学や比較発生学の歴史は、動物の解剖学的成り立ちや、それが進化する規則性を抽出することを通じて間接的に、胚の進化発生的モジュール構成を感知する…

ぐるぐる猿と歌う鳥

久しぶりに小説を読んだ。小説を読む気力がある、というのは幸せだ。ミステリーの部分にかなり無理があるけど、こういう「物語」は好きだ。そう思って振り返ると、加納朋子の「物語」は大抵好きだな。ぐるぐる猿と歌う鳥 (講談社文庫)作者: 加納朋子出版社/…

生命のからくり

分子構造などの物理的化学的な説明を踏まえた上で、生命の本質は「情報」だと書かれていて、そのギャップが楽しかった。物理的化学的な内容と、それをそぎ落とした「情報」の、両方を扱った本は少ないので。生命のからくり (講談社現代新書)作者: 中屋敷均出…

知られざる日本の恐竜文化

途中、オタク論あたりで、読む本を間違えたかと思ったけど、ここを乗り越えたら後は普通に読めた。クセがある文章で、斜め視点だけど、良い本。化石が枯渇する、という視点は気付いてなかった。確かに。もっとも、その前に、物理的に恐竜研究の歴史には一つ…

恐竜 化石記録が示す事実と謎

とても良い本。翼竜や魚竜、首長竜なんかについても、こういう本があると良いのに。恐竜 化石記録が示す事実と謎 (サイエンス・パレット)作者: 冨田幸光,大橋智之出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2014/06/25メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見…

悲劇の発動機「誉」―天才設計者中川良一の苦闘

全体を通じての主張が何なのか読み取れなかった。何かの「伝説」を批判してみたかっただけで、対象は航空エンジンでなくてもよかったのでは、という気がしてならない。……とか言いつつ、「伝説を批判する本」として普通に面白くて、一気に読んじゃったのだけ…

銀河ヒッチハイクガイド

たしか高校のころに一度読んだはずだけど、答えが 42 であること以外は全く覚えていないことに気付いて、図書館で借りて再読。猿とハムレットとか、当時は知らずに素通りしてたな、多分今でも知らずに素通りしてるところがたくさんあるんだろうな、とニヤニ…

大人のための「恐竜学」

恐竜、というだけで何でもそれなりに楽しめてしまう。恐ろしいジャンルだ。>>なお、恐竜の性に関しては謎も多く、例えば竜脚類のような大型種がどのような姿勢で交尾をしていたのかはまったくわかっていません。(p.115)<<「まったく」というところが、良い…

分類思考の世界

「進化」とか「認知」とか「分類」とか、興味のある分野が目白押しで、楽しかった。扱う生物種が今後も増え続けるなら、最終的には、計算機にお願いすることになるのだろう。コンピューターさんが「ヒトの脳ミソの能力なら、過去の経緯も踏まえて、この分類…

系統樹思考の世界

系統樹というのが、何らかの形で歴史を扱うものであって、だから原理的に推論を含まざるをえないものだ、ということが丁寧に書かれていた。良い本。系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに (講談社現代新書)作者: 三中信宏出版社/メーカー: 講談社発売日: …

祖国とは国語

最後の満州の文章が、嫌で嫌で仕方なかった。この人は、自分の故郷を美しいと言うためなら、自分以外の人々が住む土地を平気で醜いと書いてしまうのだ。以下のくだりは、いいこと書いてると思ったが、全体的には弱者に配慮のない嫌な本だった。 その人の教養…

巨大ウイルスと第4のドメイン

こういう野心的な部分のある科学の本が好きなのだ、と実感した。疲れているのに読み切ってしまった。でもこの本で一番印象に残ったのは、この文章。さらりと流すなんて、ずるい。 ミミウイルスの仲間として新たに見つかった「ママウイルス」(Mamavirus)と…

マネジメント信仰が会社を滅ぼす

会社の先輩に貸してもらった本。今ちょうどマネジメントに関連する仕事をしていて、ちょうど仕事がしんどいと感じてる真っ最中なので、とても「楽しく」読んでしまった。正直、客観的に読めた自信はない。以下の文は、自戒の意味で、覚えておきたい。 そんな…