「科学の本ではないな」という予感はあったけど、著者の一人目が学者さんだったので、もしかしたら大丈夫かも、と思って借りてみた。科学の本ではなかった。
植物の本を読みたかったので、後悔はしてない。
植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム
- 作者: ステファノ・マンクーゾ,アレッサンドラ・ヴィオラ,マイケル・ポーラン,久保耕司
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: 単行本
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「科学の本ではないな」という予感はあったけど、著者の一人目が学者さんだったので、もしかしたら大丈夫かも、と思って借りてみた。科学の本ではなかった。
植物の本を読みたかったので、後悔はしてない。
植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム
①植物の本はほとんど読んだことがなかったので新鮮だった。②遺伝子研究の手順(地道な作業の繰り返し)が少し分かった。分かったような気がする。
植物の生存戦略―「じっとしているという知恵」に学ぶ (朝日選書 821)
先天的なものと後天的なものを区別しないのが気になる。でも、そこに触れると別の本になってしまうので、意図的に無視したのかもしれない。
「頭足人(とうそくじん)」のくだりが(科学的に正しいかどうかは別にして)面白かった。
ブラックとコメディとミステリーが、ほどよく配合された連作短編集。楽しく読めた。
あ、あと、青春も配合されてます。
(P[わ]1-1)プラスマイナスゼロ (ポプラ文庫ピュアフル)
語りかける口調の専門書。研究人生の集大成のよう。もしかしたら科学を前提にしたエッセイなのかも。
2018 年のパインぱんの人。妻のパインぱんフォルダより(妻に感謝)。
いつでも羊の皮をかぶってる人だと思ってたのだけど、このエッセイでもかぶってはいるのだけど、ちらちらと中身が(羊じゃない生き物が)垣間見えるので、ちょっと怖かった。
進化や化石のを扱う本は、どこかセンセーショナルだったりロマンチックだったりしがちだけど、この本は抑制が効いていて良かった。何というか、その、教科書みたいな安心感があった(ほめ言葉です念のため)。
11の化石・生命誕生を語る[古生代] (化石が語る生命の歴史)
タツノオトシゴのことを知らないな、と実感した一冊。タツノオトシゴのことを前より少し好きになった。
以下、タツノオトシゴを好きになるエピソードの引用。
ベトナムのある漁師は、タツノオトシゴの保全に関する議論の際、「みずから漁具につかまるような愚かな魚をどうやったら保護できるんだい?」と言ってきました。(p.25)
タツノオトシゴは、驚くとより強くモノにつかまるので、そのモノと一緒に流されてしまったり、新たにつかまるモノを見つけるために時間がかかってしまうと、探索のために危険な時間を過ごすことになります。(p.25)
一方でタツノオトシゴは、驚異的な帰巣能力をもっています。H. guttulatus のある個体は 150m も離れたもとのつかまるモノに 8 日後に戻り、別の個体は 60m 離れた元の場所に 1 日で戻ったことがが観察されました。(p.25)
「驚異的な帰巣能力」のスケール感が 150m。
たとえそれが、種の保全という本質的な価値ではなく、薬の原料としての価値を守るためだとしても、彼らもまたタツノオトシゴが存続することを望んでいるのです。(p.49)
この著者のエッセイ(エッセイ?)は安心感がある。良い塩梅の感性。1冊目の「にょっ記」は未読。
前評判とオビから想像していた内容そのまんまだったので、逆に驚く。個人的には生物の構造色のくだりが良かった。
最初のパートで書かれていた以下の内容は、漠然と感じてはいたけど、きちんと理解してないことだった。文章として読んで、納得した。収斂進化は、比較的、表層的なものなのだ。
体内の体制を段階的に構築することはできないのだ。つまり、体内の体制の収斂進化は起きない。(p.26)
科学の本ではなくて、ジャーナリズムの本だと分かっていても、この手の本は面白く感じてしまう。一気に読んじゃいました。