「このチヨダ・コーキって、ほぼ西尾維新だよなあ」などと無責任なイメージを持ちながら読んでいたのだけど、最後の最後で、解説が西尾維新だったので驚いた。
あと、何の前触れもなく松本零士の戦場まんがシリーズが出てきたのにも面食らった。
カメラの前に現れた彼は、今と同じようにTシャツとジャージ姿だった。違うのは、Tシャツに松本零士の『スタンレーの魔女』の日本軍爆撃機が描かれていたことと、ジャージが短パンだったことだ。(p.134)
「このチヨダ・コーキって、ほぼ西尾維新だよなあ」などと無責任なイメージを持ちながら読んでいたのだけど、最後の最後で、解説が西尾維新だったので驚いた。
あと、何の前触れもなく松本零士の戦場まんがシリーズが出てきたのにも面食らった。
カメラの前に現れた彼は、今と同じようにTシャツとジャージ姿だった。違うのは、Tシャツに松本零士の『スタンレーの魔女』の日本軍爆撃機が描かれていたことと、ジャージが短パンだったことだ。(p.134)
今回もホラー成分は控えめ。降りかかる不幸を淡々と受け止める葉村さん。
葉村晶シリーズは二作目以降ホラーだったので、覚悟していたのだけど、今回はそうでもなかった。
葉村さんが、何とか持ちこたえようとして、でもギリギリ無理な瞬間が、心に残ります。
さすがに我慢の限界を超えた。わたしはベッドに身を起こしてわめいた。
「いい加減にしろ。そもそも、うちにはあんたのほうから押しかけてきたんでしょ。(略)」
戸口で大きな咳払いがした。看護師が立っていて、お静かにお願いしますね、と言った。倉嶋舞美は唇を噛み締めていたが、看護師を押しのけるようにして出て行った。
わたしは苦労してベッドを降り、同室の患者たちに騒がせた詫びを言い、カーテンを閉めてベッドを元の形に倒した。横たわって、右腕を目の上にのせて、眠り込むまでの間、少しだけ泣いた。(p.346)
あと、葉村さんの心のつぶやき、叫びを引用。
「(略)猫好きに悪い人はいないんだから」
そうだったのか。世界征服を企む悪の結社の親玉は、たいてい猫を膝にのせているものだと思っていた。(p.80)
「そんなのおかしいじゃない」
倉嶋舞美はいきりたった。ああ、おかしいよ。だから? 四十過ぎまで生きてきて、この世がおかしいってことに、いままで気づかなかったわけ?(p.344)
登場人物が多くて(試しに数えてみたら 40 人以上いた)、かなり疲れたのだけど、全体的には楽しかった。
双子が魅力的なのは当然として、駒持警部補の「うちの母ちゃん」が、刑事コロンボの「かみさん」みたいで良かった。
登場人物が多いときは、人が増えるたびにメモに書き出すと、わりと楽に読めることが分かった。
前半は偶発要素満載なのに、後半はちゃんと推理小説として楽しめた。最後の鵜飼さんの台詞がよかった、
「山田慶子は、僕の依頼人だ。結局、僕も彼女の意思で動かされていたのさ。あの二人と同じようにね。そうは思わないか」
「…………」
そういえばそうかもね、と朱美はようやく腑に落ちた。(p.367)
ここに死体を捨てないでください! 烏賊川市シリーズ (光文社文庫)
烏賊川市シリーズだと勘違いして買ってしまったのだけど、面白かった。いいぞ探偵部もっとやれ。
八橋さんの発言、最後の「トリックよりもロジック」に、賛成。
「しかし、密室密室いうけどやなあ」八橋さんが部長の長話にうんざりしたように口を挟んだ。「所詮、密室なんちゅうもんは、開かれるまでの命やないか。いったん開かれてしもうたら、案外呆気ないもんや。はい、ここに密室がありますね。はい、犯人はこういうふうにやったんですね。はい、お終い。極論すればそれだけのこっちゃ。べつにそう有り難がるほどのもんでもないんと違うか。大切なのは、トリックよりもロジック——そやろ」(p.19)
シリーズ三冊目、もう普通にホラーでした。冷静さを保とうとして保ちきれない葉村晶が格好良い。
面白かった。主人公が意味もなくモテる展開は正直納得できないけど、差し引いても面白かった。
葉村晶シリーズ2冊目。面白い。探偵が主人公なのだけど、なんかもう完全にホラー小説の印象。
名探偵が一人で全部解決するのではなく、それぞれが少しずつ解決していくスタイルが気持ちいい。
今回は、仕事でしんどいのに本を読む気力があった。素晴らしい。疲れて寝てしまいそうになったときに「そうだ風呂に持ち込んで読めば目が冴えるのでは!」などと思ってそのまま風呂で眠ってしまって、本をシナシナにしてしまったりした。
結局挙式は先送りされたのにハッピーエンドだったりする。素敵なエンディングでした。