叙述トリックは苦手なのだけど、この本は、トリックが判明する瞬間のユーモラスな描写のせいか、素直に楽しめた。
この烏賊川市シリーズ、登場する女性たちが、何というか、ラノベ的になってきていて、これは最早ラノベでは?、本格の皮をかぶったラノベなのでは?、と思い始めています。
烏賊川市シリーズだと勘違いして買ってしまったのだけど、面白かった。いいぞ探偵部もっとやれ。
八橋さんの発言、最後の「トリックよりもロジック」に、賛成。
「しかし、密室密室いうけどやなあ」八橋さんが部長の長話にうんざりしたように口を挟んだ。「所詮、密室なんちゅうもんは、開かれるまでの命やないか。いったん開かれてしもうたら、案外呆気ないもんや。はい、ここに密室がありますね。はい、犯人はこういうふうにやったんですね。はい、お終い。極論すればそれだけのこっちゃ。べつにそう有り難がるほどのもんでもないんと違うか。大切なのは、トリックよりもロジック——そやろ」(p.19)
シリーズ三冊目、もう普通にホラーでした。冷静さを保とうとして保ちきれない葉村晶が格好良い。
面白かった。主人公が意味もなくモテる展開は正直納得できないけど、差し引いても面白かった。
葉村晶シリーズ2冊目。面白い。探偵が主人公なのだけど、なんかもう完全にホラー小説の印象。
名探偵が一人で全部解決するのではなく、それぞれが少しずつ解決していくスタイルが気持ちいい。
今回は、仕事でしんどいのに本を読む気力があった。素晴らしい。疲れて寝てしまいそうになったときに「そうだ風呂に持ち込んで読めば目が冴えるのでは!」などと思ってそのまま風呂で眠ってしまって、本をシナシナにしてしまったりした。
結局挙式は先送りされたのにハッピーエンドだったりする。素敵なエンディングでした。
語り口が軽妙で、かつ、謎解きも読者が分かりやすいように配慮されていて、気持ちよく読めた。推理小説は難解になりがちだけど、小説であるかぎりは、分かりやすさは大切だ。
もう物語要素やミステリー要素はどうでもよくなっていて、いろんなエピソードが積み重なっていくのが、ただただ楽しい。
面白かった。地味な正義感がとても良い。
登場人物それぞれが小説で語る、という特殊なシチュエーションを成立させちゃったのが素晴らしい。読んでて楽しかった。あと表紙の「黒」の点々部分が、とても良い。